個別指導塾では「質問の仕方」の質で学習効率は大きく変わる
高校生になって、勉強内容が難しくなり、成績も安定せずに、個別指導塾へ通う方も多いかと思います。個別指導塾では、先生との距離も近く、いろんな質問ができていいですよね。
しかしながら、しっかり勉強しているつもりなのに、成績が伸びていない。そんな方もいませんか?
今回は、個別指導塾で講師をしている立場から、「成績が伸びにくい生徒」について書いてみようと思います。
この記事は「個別指導」を焦点に充てていますが、「質問の仕方」「勉強の仕方」に関する記事でもあるので、ぜひ最後までお読みください。
個別指導塾で成績が上がらない生徒のパターン3つ
個別指導塾で講師をしてきた経験から、成績の上がらない生徒を3パターンに類型化してみました。
①個別指導時間に宿題をしている生徒(=質問を見つけられていない生徒)
②質問の仕方が「この問題がわからないんですよ」という生徒(=具体的な質問ができていない生徒)
③先生を上手に利用しようとせず、我が道を行く生徒
以下、それぞれのパターンについて問題点と解決策を書いていきたいと思います。
個別指導時間に宿題をしている生徒(=質問を見つけられていない生徒)
こういう生徒さんはよくいます。個別指導の時間は限られているにもかかわらず、そこで初めて勉強をして、結局1問も質問することなく帰ってしまう生徒です。こういった生徒さんたちは「勉強したつもり」になって塾に通います。おそらく、家では何もしていないのだと思います。
加えて、こういった生徒さんたちによくみられるのが、学習素材が「宿題」に限られているということです。定期試験前には、定期試験の対策をするために今までの宿題を復習することはたまにあるのですが、その試験問題の直しを持ってくることはほとんどありません。厳しい表現ですが、目の前の課題だけに取り組んで、とりあえずそれをこなせたらOKという生徒さんたちです。
私はよく「40分でいいから、先生に質問攻めできるくらい家で勉強してきなさい。40分質問するためには、自分のわからないところを明確にしないといけないから、かなり勉強しないといけなくなるよ」と生徒さんたちに言っています。なかなか勉強の習慣のついていない生徒さんは、とりあえず個別指導塾のある日をペースメーカーにして、勉強を進めていくとよいでしょう。
質問の仕方が「この問題がわからないんですよ」という生徒(=具体的な質問ができていない生徒)
次に多い生徒さんが「この問題が全然わからないんですよ」と持ってくる生徒さんです。こういう生徒さんは質問をたくさん持ってきてくれるので、ある程度勉強はしているのでしょうが、勉強の仕方に問題があるためか、成績はなかなか伸びません。
どの科目にしてもそうですが、その科目で習得すべき事項があって、それを理解しているかを「確認」するために問題を解いているのです。難しい問題といわれるほとんどの問題は、確認される事項が多く複雑になっているか、確認されている事項を思い出すのが難しいか、なのです。
したがって、問題を解いた後、わからなかったときに解説を見ると思いますが、その際に心がけてほしいのは
・解説のどの部分がわからないのか
・問題へのアプローチ方法(ひらめくポイント)は理解できるのか
をしっかり確認してほしいということです。もしそこに問題があれば、それを質問すればよいのです。「この問題がわからない」だけだと、問題の中にはたくさんの解決すべき事項が含まれていますので、自分の本当にわからないところが明確にできず、次に生かせません。
これはすなわち「応用が利かない」タイプであり、定期考査はある程度点数を取っていても、実力試験では点数が安定しない人によくあるパターンです。
先生を上手に利用しようとせず、我が道を行く生徒
個別指導にかかわらず、学校や塾の先生の多くは、厳しい受験を乗り越えてきた先輩です。先生方は問題を解くことももちろんですが、受験期の過ごし方、模試の活用法、勉強の仕方など、多くの情報を持っています。個別指導塾は、こういったことを先生に直接聞けるチャンスです。
個別指導塾の欠点にしばしば「ライバルが見えにくい」ということが挙げられます。集団授業に比べて競い合うという感覚が薄いので、やむを得ないことですが、そういった問題点は先生にしっかり相談することで解決をしていきましょう。
質問で自分の問題点を洗い出すことがカギ
問題の質問だけで終わらず、先生に問題を出してもらったり、勉強方法を一緒に検討したり、とにかく「具体的に」「自分の問題点をしっかり洗い出す」質問をしている生徒さんは、成績を上昇させ、安定させています。個別指導塾で講師をしていると、1人1人の生徒さんの現状がより見やすいので、こういった問題点もわかるようになってきました。
私としても、わかったことをどんどん生徒さんへ還元していくつもりですが、この記事を読んでくださっている皆さんも、ぜひ自分に思い当たる点があれば、修正していただきたいな、と思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。