はじめに
日本の大学のトップ、東京大学。
そこで展開される英語の授業とはどんなものなのだろう、と受験生であれば一度は気になったことがあるのではないでしょうか。
そこで今回は、東大の1、2年生向けに行われる英語の授業について紹介します。
大学での英語の学びについて知ってもらえれば嬉しいです!
目次
東大の英語の授業とはどんなもの?その概要を紹介!
1年生は英語の授業が必修
東大の英語の授業では、あとで詳しく紹介しますが、英語一列、英語中級、ALESA/ALESS、FLOWの4つが必修の授業となっています。
全体的なレベルとしては、教員によってまちまちですが、東大入試の英語が理解できていれば大丈夫なレベルです。
入試を突破した東大生であればそれほど心配する必要はないですよ!
東大の履修システムについて(履修するタイミングについて)
英語の履修時期について説明する前に、まず東大の特殊な学期制について紹介します。
東大では、セメスター制とターム制という学期制があります。
セメスター制はいわゆる2学期制で、前期(4月〜7月)をS(SpringかSummerの頭文字)セメスター、後期(9月下旬〜1月)をA(Autumnの頭文字)セメスターといいます。
また、ターム制はSセメスター、Aセメスターの中でさらに学期を半分に分けたもので、概ね4月〜5月までがS1ターム、6月〜7月までがS2ターム、9月下旬〜11月中旬までがA1ターム、11月下旬〜1月までがA2タームとなります。
英語についての履修時期の例です。
S1ターム | S2ターム | A1ターム | A2ターム |
---|---|---|---|
ALESAもしくはALESS(2単位、Sセメスター) | 英語中級(2単位、Aセメスター) | ||
英語一列(1単位) | 英語中級(1単位) | FLOW(1単位) | 英語一列(1単位) |
上図のように、1年生のうちに英語一列は2単位、英語中級は3単位、ALESAもしくはALESSは2単位、FLOWは1単位取得しなければなりません。
東大の英語の授業とその内容
ここでは、みなさんが必修の英語一列・英語中級・ALESS/ALESA・FLOWの4つについて紹介します。
もっと興味があるという人は、入学後に自分で調べてみましょう!
東大の英語の授業1:英語一列
英語一列では、『東京大学教養英語読本』という東大が出版する教科書を使って、高校のコミュニケーション英語や英語表現の授業と同じように、読解中心に授業を進めていきます。
習熟度別にクラス分けがされていて、入学試験の英語の点数が上位10%がG1クラス、上位10〜40%がG2クラス、それ以下がG3クラスという風に分かれて授業が行われます。
G1は授業中は基本英語。英語でのディスカッションが積極的に行われる非常にハイレベルな授業。
G2は、英語と日本語で行われる授業。読解は非常に深いところまで要求され、ディスカッションやプレゼンをする授業。
G3は完全に日本語で行われる授業。教科書の内容がちゃんと理解できるかに比重が置かれ、文法などを詳しく解説する授業。
この英語一列は、入学試験でクラスが決まるといいましたが、実は半年でクラス替えがあります。
それは、春学期(Sセメスター)の最後に行われる期末テストの点数で決まります。
つまり入学試験によってSセメスターはG3だったとしても、期末試験を頑張っていい点を取れば、秋学期(Aセメスター)ではG2やG1に昇格するチャンスがあります。
逆に、はじめG1だった人でも、サボって期末テストで悪い点を取るとG2やG3に降格する可能性もあります。
個人的な感想ですが、レベルの高い授業の方が大学の授業という感じがして楽しかったです。
G3は高校の授業と大差ないのかな……?という印象でした。
もちろん教員によってまちまちですが、楽しく学びならG1かG2ですよ!
東大の英語の授業2:英語中級
英語中級とは、英語がある程度できる学生がもっと英語力を鍛えるために作られた授業です。
英語中級では、教員ごとにやるテーマや内容、授業の負担やレベルが大きく違うことに特徴があります。
O・ヘンリーの小説についてひたすら読み進めていく先生もいれば、英語の発音記号や正しい発音の仕方について教える先生もいます。
最後にプレゼンをしないといけないクラスもあれば、ひたすら洋画を鑑賞するクラスだってあります。
英語中級はとにかくなんでもOKの超多様な授業です。
もちろんその内容は、事前にシラバス(講義の内容紹介・授業計画)を読んで知ることができます。
その上で、どんな内容の授業を受けるのか選ぶことができます。
人気のものは抽選で落ちてしまうこともありますが、どれも魅力的な授業ばかりなので損はないですよ!
東大の英語の授業3:ALESS/ALESA
ALESAとはActive Learning of English for Students of Artsの略で、ALESSとはActive Learning of English for Students of Scienceの略です。
ALESAが文科向け、ALESSが理科向けのものとなっています。
内容としては、簡単にいうと英語で論文を書いてみよう!というものです。
そのため、もちろん授業は全て英語オンリーですし、ディスカッションやプレゼンも英語、先生への質問のメールも英語です。
英語が苦手という人は結構大変な授業かもしれません。
ALESSではこの他に実験を行い、その結果をレポートにまとめます。
ALESAでは自分が決めたテーマ(社会科学や人文科学)についての論文(2000words)を仕上げます。
毎日の課題も量が多く、調べ物や実験に苦戦することもしばしば。
ALESAであれば、最初のテーマ決めが全てを決めると言ってもいいでしょう。
しかし他の教科よりやるべきタスクは多いですが、計画的にこなしていけばさほどつらいものではありません。
先生も親身になってアドバイスをくださいますので、論文がかけないということはないと思いますよ!
東大の英語の授業4:FLOW
FLOWはFluency-Oriented Workshopの略です。
FLOWは、英語でディベートやプレゼンテーションなどをして、スピーキング力を高める授業です。
形式としては、高校のLLと似ていますが、受けてみた感覚としてはややハイレベルです。
これもまた授業は英語オンリーです。日本語は厳禁です。
こちらもレベル別になっており、それは入学したての頃に自分で決定することができます。
レベルは1〜6まであって、1が一番易しく、6が一番ハイレベルです。
宿題の量や授業の質も変わってくるのでしっかりと選ばねばいけません。
入学したての勢いで自分の身の丈に合わないレベルを選んで、あとあと後悔するという学生をたくさん見かけます。注意しましょう。
最後に
いかがだったでしょうか?
東大入試の英語が分かれば大丈夫とはいえ、授業についていくためには、それなりの英語力が必要です。
また、大学では特に英語で話す場面が多いので、高校生のうちからスピーキング力やリスニング力を上げた方が良いでしょう。
高校生のうちにできることとしては、TED Talksという英語のプレゼンテーションを見て勉強することでしょうか。
ネイティブスピーカーの話すスピードになれることで、リスニング力が向上します。
さらに、面白いプレゼンテーションを通じて、英語で自分の伝えたいことをどのように話せば良いのかも分かりますよ。
まさに一石二鳥ですね!
興味のある人はぜひ、東大に入学して体感してみてください!!