はじめに
慶應なのに慶應っぽくない!?
慶應SFCってよく耳にするけど、具体的にはどんなところ?何ができるの?芸能人や推薦が多いけど、才能がある人しか入れないの?
そんな疑問に答えるべく、現役のSFC生にインタビューしました!
SFCを目指したきっかけ、SFC生の実態、学んでいることなど、ネットだけではわからないSFC情報について赤裸々に聞いてみました!
今回メッセージを書いてくれた方はこちら!
名前 | めり |
出身高校 | 私立中高一貫S高校(神奈川県) |
在籍している学部と学年 | 環境情報学部1年 |
学びに特化できる
そもそも慶應義塾大学SFCとはなんですか?
SFCとは、湘南藤沢キャンパス(Shonan Fujisawa Campus)の略称です。
慶應義塾大学といえば日吉キャンパスと三田キャンパスが有名ですが、他にも医学部生が通う信濃町キャンパス、理工学部生が通う矢上キャンパス、薬学部生が通う芝共立キャンパス、そして総合政策学部生と環境情報学部生が通うSFCこと湘南藤沢があります。
そのため、SFCはこの総合政策学部と環境情報学部を指すことが一般的です。
SFCは自然豊かな場所にあり他キャンパスと比べ僻地なので、学部長は「立地がリッチ」と呼んでいます(笑)
東京はもちろん、埼玉から2時間以上かけて通学している人も少なくありません。地方出身者も多く、一人暮らしの人たちはお互いの家によく泊まっています。
キャンパス周辺には遊べる場所があまりないので、学びに特化できる最高のキャンパスです。
ちなみにですが、看護医療学部生の1、2年生は湘南藤沢キャンパスに通っており、総合政策学部・環境情報学部生と一緒にサークル活動しています。看護の子は可愛い子が多いですね。
双子の学部
総合政策学部と環境情報学部の違いについて教えてください
正直、ほとんど違いはありません。
あえてきちんと説明するならば、総合政策学部生は総合政策学を、環境情報学部生は環境情報学という授業の履修が必須となります。
しかし、総合政策学部生が環境情報学を履修することも可能なので(その逆も然り)、学びに差が出ることはありません。
また、取得できる教員免許の教科が異なることも違いに挙げられますが、簡単に転部できるので、やはり両学部に大きな違いはありません。
では、なぜSFCには2つも学部があるのでしょうか。それは、SFCを創設した際に文科省が「文系・理系を分けろ」と言ったからだそうです!しかし、SFCは文理を区別していないので、学ぶ内容としては変わりがないのです。
倍率もほとんど変わらないので、受験の際は「2回受験チャンスがある」と捉えて、ぜひ両学部とも受験してみてください!
「ここが私の通う大学だ!」
慶應SFCを目指そうと思った理由を教えてください
もともと文理にこだわっていなく、教科によって得意不得意がありませんでした。将来なりたい職業も決まっておらず、なんとなく興味のあった某国公立大学の経済学部を目指して勉強していました。
しかし、中学生のときにSFCの存在を知り、実際にキャンパスへ足を伸ばしたところ「ここが私の通う大学だ!」と感じました。
文理にとらわれず幅広い分野から自分で選んで学びを作っていける、多様性を尊重し自由にのびのびと研究できる環境に憧れを抱いたのです。
実家から通うことのできる距離、というのも理由の1つでした。
ただ最初は、本当に志望校にするか迷いました。
というのは、SFCについて調べていく中で「SFCは慶應じゃない」「2科目で受験できるのに偏差値詐欺」「芸能人とアスリートのための大学」という意見をたくさん聞いたからです。
確かに偏差値は各模試1科目だけで算出しているので、医学部と同じという馬鹿高い数字で実態と釣り合っていないです。
ですが、私はこれらの意見を鵜呑みにせず、模擬授業を受けたり通っている先輩に話を聞いたりして自分から情報を集めました。
すると、ネット情報でしかSFCを判断していない人たちによるただの僻みだということがわかったので、私は安心してSFCを第一志望にし目指し始めました。
何も知らない周りの余計なアドバイスに左右されないで、自分で正しく情報をつかむことが大事ですよ!
刺激ある日々を過ごせる
慶應SFCに入学してやっぱり良かったなと思うところはどんなところですか?
刺激ある日々を過ごしているところですかね!
SFCは、福澤諭吉が慶應義塾大学を創立した当時の考え「実学」に立ち戻って作られたキャンパスです。「問題発見・問題解決」の意識を持って「未来からの留学生」が集まるというコンセプトがあります。
ですからAO入試が盛んです。いろんな才能が集まった人たちと出会うことができます。サークルで出会って普通に話していた同級生がプロのクリエイターってこともありましたし、歌手やモデルの子ってこともありました。
留学生も多く、キャンパスを歩いていると普通に外国語が聞こえてきて、ここは外国だっけ?と思うこともしばしばあります。
私自身は芸能人でもアスリートでも、何か特別なことをやってきたわけでもありません。そして、私のような普通の学生もたくさんいます。
しかし、様々な才能溢れたSFC生と出会うことで、刺激ある日々を送ることができています。
友達からアメリカのFacebook本社にインターンした話を教えてもらえるなんて刺激的すぎませんか!?
このようにたくさんの出会いによって、普通のSFC生と思っていた私も、中高時代にやっていた活動が何か特別なものと思えてきました。私が経験したことは私にしか話せないことで、他の人にとってみれば特別な話になるのです。
よくSFCはAOが盛んなので一芸入試だなんて言われていますが、全くそんなことはありませんでしたよ。
授業中のSNS推奨!?
慶應SFCに入学してこれは思ってもみなかったなという部分はありますか?
キャンパス周りに飲食店がほとんどないので、ご飯は生協・学食が多くなるのかなと考えていました。しかし実際には、キャンパス内のレストランやキッチンカーなどがあり充実していました。
授業中にパソコンやスマホが使えることも驚きでした。私自身、大学では紙とペンを持つことよりもパソコンでメモすることの方が多くなりました。高校の友達からはラインの返信が早すぎる、と言われていています。
ハッシュタグをつけてTwitterで授業の質問や感想を投稿する授業もあります。大学側がSNSを推奨していますね。
トップオブ自由
高校時代と比較して大学生になってここが変わった!と感じることはありますか?
自由なところです! 高校はポニーテール禁止など校則がとても厳しかったので、大学の自由さには圧倒されています。大学生活に慣れてしまったので、真面目に校則を守っていた高校時代が馬鹿らしく感じています。
また、大学の中でもSFCはトップオブ自由な大学なので、かなりの放任主義です。遅刻もよくありますし、自主休講とかいって勝手に休む人も多いです。サボりすぎると単位との戦いになります。
あとは、勉強を意識的にやっていくところですかね。与えられた勉強をこなすのではなく、自分で学びを作っていかなければならないので、大変といえば大変ですが、好きな勉強をいっぱいできるので楽しいです!
なんでもできる!
ここまででお話いただいたこと以外に何か慶應SFCや学部の特徴などありましたら教えてください
大きな特徴として、必修科目が少ないことが挙げられます。時間割も1年生の最初の学期以外は決められた授業がないため、自分で時間割をカスタマイズしていく必要があります。
よく「SFCって何を学べるの? 」と質問されますが、正確に答えるのはとても難しいです。
私は新しいプラットフォーム作りに興味があるので、メディアやマーケティング、デザイン、脳科学の授業を取っています。あと、面白いと話題の授業も取っています。
このように自分がやりたいことや研究したいことに沿って授業を取ったり、単純に関心のある授業を取ったりすることができます。
文系理系という壁はありません。建築家を目指しながら、哲学について勉強しても良いのです。SFCで勉強できなければ、日吉や三田の授業も取ることができます。むしろ推奨されているほどです。
他の特徴としては、最先端のものが集まっていることです。3Dプリンタを自由に使えたり、ドローンがキャンパス内を飛び回っていたりしています。
こうやって説明していると、なんでもできる最強のキャンパスに感じてきました。
諦めず後悔のない受験に
最後に受験生への応援メッセージをお願いします!
SFCはとても素敵なキャンパスです。正直ここでは話しきれません。
ですから、受験勉強でくじけそうになったときは、息抜きにでも是非遊びに来てください。天才・奇人・変人、きっとあなたの世界観を変えてくれる様々な先生方・先輩方が待っています。
また、受験は不安でいっぱいだと思います。私自身、SFCを第一志望に決めても圧倒的に成績が足りず、何度も受験から逃げ出したくなりました。
しかし、一番大切なことは諦めないことだと思います。
目標との距離をこまめに測って、目標にたどり着くまでに必要なことを丁寧にこなしていく。地道な作業ですが、諦めないで最後まで自分を信じられれば後悔のない受験になるはずです。
受験生の皆さんにとって、悔いのない受験生活が送れますよう、そして素敵な春が来ますよう応援しています。