南雲穂波さんのプロフィール
センター試験得点 | 820/900点 |
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学部・学年 | 東京大学工学部建築学科3年・理科一類より進学 |
出身高校 | 東京都立西高校出身 |
高校の部活 | 宇宙研究部・軽音楽部 |
目次
今回お話を伺ったのは…南雲穂波さん!
今回お話をうかがうのは、東京大学工学部建築学科に通う3年生、南雲穂波(なぐも・ほなみ)さん。
東大の建築学科は、隈研吾氏や磯崎新氏、故・丹下健三氏など、著名な建築家を多数輩出する名門。
南雲さんは東大建築学科で、建物のデザインや設計といった勉強に毎日取り組んでいます。
高校2年生のときに東大を目指しはじめ、前期日程(当時)で不合格となるも後期日程で現役合格を勝ち取ったという南雲さんの受験生時代について、語っていただきました。
東大か早稲田か藝大かで、早稲田と東大を受験した
なぜ、東大の建築学科を目指したのですか?
もともと絵を描いたりするのが好きで、何かを創ることを学びたいと思っていたので、建築学に興味を持ちました。
建築学で有名な大学には、東大の他に早稲田大学や東京藝術大学があるのですが、藝大は入試で高度なデッサン力が求められたりして、そのために美術予備校に通うような方もたくさんいて……。
私は美術はもちろん好きですが、藝大入試に太刀打ちできるかというと自信がなかったので(笑)、東大と早稲田を受験することにしました。
東大への大きなモチベーションになったことはなんですか?
高校2年生の秋に、建築デザインをテーマにした『東大テクノサイエンスカフェ』に参加したんです。
その時に聞いた東大の建築学科の教授のお話がとても魅力的で、ここで勉強したい! と思いました。
当日は土砂降りの雨で、キャンパスツアーでは教授がメガホンを使って建物の歴史を丁寧に説明してくださったことが印象に残っています。
たとえば、有名な安田講堂や、東大の総合図書館は、東京帝大総長も務めた内田祥三(うちだ・よしかず)という建築家の設計によるもので、その様式は『内田ゴシック』と呼ばれているんだそうです。
『内田ゴシック』の建物が並ぶ、歴史ある本郷キャンパスは雨の中でも煌びやかに見えました。
「手の届く大学でいい」と言った瞬間、お父さん大激怒
公立トップクラスともいわれる都立西高校出身ということですが、高校でもずっと成績はよかったのですか?
小さい頃からお母さんが勉強を見てくれていて、たぶんそこそこ勉強のできるほうだったと思います。
でも、高校1年生のときはけっこう遊んでいて、成績は学年でも半分より下でした。とはいえけっこう偏差値も高い高校だったので、このまま可もなく不可もなく過ごして、なんとなく受かりそうな大学に行こうかな……って思っていたんです。
私、人生に確固とした目標って持っていなくて(笑)。でも、『大学は、とりあえず手の届くところで……』って言ったら、お父さんがものすごく怒ったんです
自分の人生を何だと思っているんだ!
お父さんがそれほど激怒したのは、後にも先にもこのときだけでした。
私、お父さんが本当に大好きなんです。そのお父さんが、見たこともないくらい怒っていて、ちゃんと考えなきゃ、と思いました。
自分の人生をしっかり考えるべきというのは、その通りだと思いましたし……。高校2年生からは塾に通いだして、そこでできるだけ高い目標を持とう、ということにしたのも、東大を目指したひとつの理由だったと思います
ご両親の期待は、プレッシャーにはなりませんでしたか?
もちろんプレッシャーではありました。ただ、重圧に負けてしまうというよりも、むしろ応援してくれる両親を喜ばせたいというやる気になっていた気がします。一人っ子だからですかね(笑)
たとえば私、勉強するときは、お母さんの目の届くリビングでするんです。部屋だとどうしても眠っちゃうので(笑)。
お母さんにお尻をたたいてもらうというか……、お母さんがいいペースメーカーになってくれていたと思います
受験生時代は、どれくらい勉強していたのですか?
夏休みは毎日10時間ぐらい勉強していました。『夏を制する者は受験を制する』って予備校のポスターか何かに書いてあったのを見て、『よし、制そう!』って(笑)。
お母さんが家事をしている横で勉強して、携帯を使う時間も決めていました。携帯の充電器はリビングに置いて、自分の部屋には携帯を持ち込みませんでした。息抜きはサブウェイでしたね。
私は高1のときを最後に、受験生時代は彼氏はいませんでした。べつに勉強のために彼氏をつくらなかったとかじゃなく、たまたまなんですけど…。
受験生の人は、もし恋愛するにしてもほどほどがいいと思います
模試は本番じゃない。過去問を解く力と感覚を身につけよう
高校生の質問:「模試でE判定を取ってしまったらどうしたらいいでしょう?」
私は受験生時代に4回東大模試を受けて、判定がD→B→A→Eだったんです。最後の模試でE判定を取ってしまって、やっぱりショックでした。
でも、A判定のときは数学は(120点満点中)80点取れていて、次のE判定のときの数学の点数は10点だったのですが、ほかの科目の点数はあまり変わっていなかったんです。
結局はたまたまそのとき悪い点を取ってしまっただけというか、模試は本番じゃないので、そこに一喜一憂しても意味はないと思います。
模試は気にしすぎないで、それよりも、実際に過去問が解けるようになる、そういう感覚をつけるほうが大事だと思います
常識と教養のある、すてきな大人になりたい
南雲さんの将来の夢を聞かせてください。
私はほかの多くの工学部生と同じく、大学院に進もうかなと考えているのですが、将来の職業として、これになりたい! というものはあまり明確に定まっていないんです。
結婚して専業主婦になって、猫を飼って……というような暮らしにも少し憧れます。東大での勉強を通じて、常識と教養あるすてきな大人になれたらいいなと思っています
謙虚さと笑顔を大切に
受験生へのメッセージをお願いします。
私は結局本番も数学の点が悪くて、前期入試には落ちてしまったんです。それでも東大後期入試で合格することができたのは、お母さんやお父さんをはじめとした周りの人の支えがあってのことだと思います。
自分ひとりの力じゃないという謙虚さを持つことと、つらいことがあっても笑顔でいること。それによって、落ち着いた心で東大後期受験にも臨めたんだと思います
あと、私自身の経験から言うのですが……、私は数学が大の苦手で、今も(建築学科の)『構造計算』とかに苦しめられているんですけど(笑)、受験生のみなさんで、数学が苦手だなと思っている人は、早めに対策を始めたほうがいいと思います。
数学以外の科目は、やればできるというか、勉強したことがすぐ実力になると思うのですが、数学は思考力を身につけないといけないので……。数学は早めに、です!
最後に
南雲穂波さんは、東大美女の素顔に迫る写真誌『東大美女図鑑』シリーズにも登場されています。東大美女図鑑の最新号およびバックナンバーは、公式ホームページよりご購入いただけます!