「ギンナン大学」とは呼ばせない!?現役東大生に聞く東大のリアル

はじめに

日本の大学の最高峰といわれる東京大学。

漠然と「スゴイ」という印象を持っていても、具体的に東大の様子をイメージできる人は案外少ないのではないでしょうか。

東大って他の大学と何が違うの?友人関係は?東大のいいところ、大変なところって何?

そんな皆さんの疑問に答えるべく、現役東大生の声をお届けします!

このメッセージの内容は2019年現在のものです。ここで触れられている内容は今後変更となる場合もありますので注意してください。

今回メッセージを書いてくれた方はこちら!

名前 はる
出身高校 都立西高校
入学時の科類 文科三類
在籍している学部と学年 前期教養学部1年

クラスから友達の輪が広がる

まずは東大の雰囲気や学生生活について教えてください

東大の学生生活で特徴的なのは、クラスの結びつきの強さだと思います。

担任の先生やクラスごとの教室はもちろんありませんが、なんとなく「まとまってる感」があって不思議な気がしますね。

私は東大でのサークル活動にあまり力を入れていなくて学内の知り合いが少ないのですが、クラスの人がいるおかげでずいぶん過ごしやすいです。

第二外国語など必修の授業はクラスで受けますし、それ以外の授業も結構被りがちで一緒に行動することが多いです。勉強の相談もできるので安心感がありますね。

五月祭や駒場祭ではクラスごとに模擬店を出します。大抵のクラスはここでだいぶ仲が深まるのですが、模擬店の売り上げがイマイチだと盛り上がらないので頑張りどころです!

また、クラスメイト伝いで他クラスや他サークルの友達が出来ることもあります。

高校に比べれば結びつきはだいぶゆるいものの、大学の人間関係を広げるベースになるので、クラスはありがたい存在ですね。

バラエティ豊かな授業に刺激を受ける

東京大学に入学してやっぱり良かったなと思うところはどんなところですか?

一番良かったと思うのは、幅広い分野を少しずつ学べるところです。

特に私が入った文科三類は東大の中でも自由度が高く、私のようにまだ何を勉強したいか決めきれていない人にとってはすごくよい環境だと思いますね。

例えば今学期は、白居易の漢詩を味わう一方で生物の進化の謎に頭をひねったりプログラミングをかじったりと、本当に多種多様な授業を受けています。

最先端のことまで教えてもらえるので、その分野に進んだ場合どんな研究をするのか想像しやすく、進路を考える上ですごく役立っています。

興味深い授業が多くて、「あれもこれもやってみたい!」と逆に迷ってしまうという面もありますけどね(笑)

もちろんすでに勉強したい分野が決まっている人にとっては、特に興味のない授業もいくつか受けなければならず、少し苦しいものに思えるかもしれません。

でも、私はそのような人こそ色々な分野に触れるとよいと思っています。

初めから限られたことだけに集中して勉強していると専門性は高くなるでしょうが、やっぱり視野が狭くなってしまう気がして。

思わぬところで「これ面白い!」と気づく場面もあるので、1年生のうちは1つのことにこだわらず幅広く勉強して、いろんな視点を知るのが大切だと思います。

自己管理の難しさを痛感

高校時代と比較して大学生になってここが変わった!と感じることはありますか?

高校時代より自由な時間が増える一方で、自己管理がすごく大事になったと思います。

大学生、特に文系はだいたい暇だろうという思い込みが私にもあったのですが、全然そんなことはなく時間をうまく使わないとやっていけません。

授業で出された課題をこなして最低限の予習復習もするとなると、勉強以外のことに使える時間は意外と少なくなります。

「ちょっとくらい手を抜いてもいいや!」と勉強を適当に済ませて遊びに行く、みたいなことを繰り返すとテスト期間に泣くハメに……。

高校までのように先生が1人1人を注意してくれることもないし、親からも放っておかれることが増えたので、とにかく自分でバランスを取らなくてはいけないのが大変ですね。

ちなみに私は実家暮らしですが、一人暮らしの人はもっと苦労しているようです。

受験生の皆さん、特に大学生になったら親元を離れるという方は、今のうちにある程度自己管理術を身につけておくことをおすすめします。

季節の景色を楽しめるキャンパス

東大のキャンパスでオススメ・お気に入りの場所があれば教えてください

秋の終わりになると銀杏並木が黄色く色づいてとても綺麗ですよ。

10月頃はギンナンがたくさん落ちてキャンパス中に独特のにおいが漂い、東大生が「ギンナン大学」「マスクは必須」と口々に文句を垂れるほどですが……。

でも、ここを耐え抜けばそのにおいも許せるくらい素敵な景色になるんです!地面一帯が黄色い落ち葉の絨毯になって、歩くだけで穏やかな気分になれます。

並木沿いに休憩所のようなスペースがあって、そこのベンチで昼食やおやつを食べている人もいますね。中には仮眠をとる人もいます。

東大の授業は1コマ105分と長めで相当な集中力と体力が必要ですが、この銀杏並木が学生のリフレッシュに一役買っているのではないでしょうか。

と、ここまで銀杏のことばかり話してしまいましたが、実はキャンパスの奥の方に立派な桜並木もあるんですよ。

満開になると結構な見もので、近所の方が花見に訪れることもあります。

ちょっと目立ちにくい場所にあるので東大生には意外と知られていないようですが、入学したらぜひ見に行ってみてくださいね!

ワクワク感を忘れずに!

最後に受験生への応援メッセージをお願いします!

受験生の皆さんには「ワクワク感」を大事にしてほしいなあと思います。

皆さんはこれまでの勉強経験で、「将来役に立つか」「実生活で必要か」みたいな視点は抜きで、純粋に「へえ、面白いな」と思う瞬間がありませんでしたか?

好奇心ともいえるかもしれませんが、私はその感覚を「ワクワク感」と呼んでいます。文字通りワクワクと胸が踊る感じがするのです。

このワクワク感があると今まで勉強していてよかったと思えるし、「もっと面白い世界を知りたい」と次へのモチベーションにもなります。

もちろん受験勉強では単なる暗記が必要な場面もあり、つまらないと感じることが多いかもしれません。

でも、そうして身につけた知識を自由に使いこなすときの楽しさや喜びは、何にも代えがたいものです。

特に東大入試は自分の持っている知識をもとに考えさせる良問が多く、解きながら新しい気づきを得られることもよくあります。

そのような気づきを大事にできる人いつでもワクワク感を忘れない人を東大は求めているのだと思います。

受験勉強は楽しんだ者勝ち。ぜひ最後の最後までワクワク感を大切に頑張ってくださいね!




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