はじめに
この記事では、円錐の体積・表面積を求める公式を解説します。
円錐の体積や表面積の公式は覚えるしかありませんので、数学の得意・苦手に関わらず覚えたもの勝ちです。
この記事で公式を覚えると同時に練習問題を解いて公式を使えるようになりましょう。
円錐の体積の求め方と公式
最初に円錐の体積の求め方の解説をします。
円錐の体積の公式は以下のようになっています。
円錐だけに限らず角錐(三角錐、四角錐など)の体積も「底面積×高さ×1/3」で求めることができましたね。
底面の円の半径をr、高さをhとすると、底面積は\(πr^2\)なので、
円錐の体積は
\(\frac{1}{3}πr^2h\)
と表すことができます。
この公式は必ず覚えておきましょう。
円錐の表面積の求め方と公式
次に円錐の表面積の求め方について解説します。
円錐の表面積を考えると、2つのパーツからできていることがわかります。
展開したら扇形になる側面の部分と、底の円形の部分です。これらを合わせると表面積を求めることができます。
円錐の底面積の求め方
こちらは「半径×半径×円周率」で求めることができるので問題ありませんね。
底面の半径がrのとき、\(πr^2\)となります。
円錐の側面積の求め方
側面積を求めるためには円錐の展開図を理解している必要があります。
底面の半径r、母線がLの円錐の展開図は以下のようになっています。
側面部分は扇形になっているのです。
この扇形の面積を求めることができれば側面積がわかります。
「半径Lの円の面積」×「扇形の面積の割合」として求めてみましょう。
この扇形の弧の長さは底面の円周と等しいため\(2πr\)です。
一方、半径Lの円の円周は\(2πL\)です。
これより扇形の割合は
「2πr/2πL」、つまり「r/L」です。
したがって求める側面積は
\(πL^2×\frac{r}{L}=πrL\)
以上より表面積は
底面積+側面積
\(=πr^2+πrL\)
\(=πr(r+L)\)
となります。
この式は一般の円錐について当てはまる公式です。
公式を覚えても良いですが、この公式は意味を考えることが難しいので、「表面積=底面積+側面積」というのも覚えておきましょう。
円錐の体積・表面積の公式を使う練習問題
実際に問題を解いて公式の使い方を確認しましょう。
問題1
底面の円の半径が5、母線が13の円錐があるとき、この円錐の体積・表面積をそれぞれ求めよ。
問題1の解答・解説
まずは体積から求めます。
体積の公式は「1/3×底面積×高さ」で求めることができましたね。
しかし、ここでは高さが与えられていません。そこで高さを求めていきます。
円錐の頂点から垂線を下ろし、その垂線を含む平面で断面図を作ると以下のようになります。
直角三角形が現れたので三平方の定理を利用しましょう。
三平方の定理より、高さが12であるとわかります。
よって求める体積は
\(\frac{1}{3}π・5^2・12=100π\)
だと求めることができます。
次に表面積を求めましょう。
表面積の公式は\(πr(r+L)\)でしたね。
母線と高さを間違えて代入しないように注意しましょう。
\(πr(r+L)=π・5(5+13)=90π\)
表面積は90πだと求めることができました。
おわりに
以上のように公式を利用して体積・表面積を求めることができます。体積の公式の証明に関しては難易度が高く問われることは決してないため覚える必要はありません。
また、円錐の体積や表面積は、他の立体図形と組み合わせて問われることもあります。
様々な問題に対応するためにも公式を覚えて基本的な問題を必ず解けるようにしましょう。