【3分で分かる!】一次関数の意味・用語・グラフの書き方をわかりやすく

はじめに:一次関数について

一次関数は、中学2年生で習う単元です。

一次関数は名前自体聞き慣れていないのと、いろんな要素が絡んでくるのとで、苦手の単元だという人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は一次関数とは何か、一次関数に関係する用語、グラフの書き方について説明していこうと思います!

これを読めば、複雑な一次関数の知識が整理されると思います。

ぜひ最後まで読んでください!

一次関数とは?

まずは一次関数という用語の説明をしたいと思います。

多くの人は一次関数と言われれば、「\(y=ax+b\)」「直線」を頭に浮かべるのではないでしょうか?

問題を解く分にはそれで良いと思います。しかし、「なぜ一次関数と呼ぶのだろう?」と思ったことのある人はいませんか?

そこで、応用として言葉の意味を解説しようと思います。

一次関数という言葉は、「一次」と「関数」という言葉でできていますね。

まず「一次」ですが、これは\(x\)の右上についている数字(指数とも言います)の最大値が\(1\)であるということを表しています。

また、言い換えると次数が\(1\)であるということを指しています。

参考

次数とは単項式において掛け合わせた変数(基本的に\(x\)であることが多い)の個数を表す用語です。

また、\(x^1\)は\(x\)と表され、\(1\)は省略されます。したがって次数が\(1\)のときは変数(ここでは\(x\))の右上には何も書きません。

指数が変数の右上につくのは\(2\)以上の数字のときです。

同様に次数が\(2\)である関数を二次関数、\(3\)である関数を三次関数…といいます。

次に関数ですが、中学数学の中の定義だと「2つの変数において、一方の変数の値を決めると、それに伴って他方の変数の値も決まるような関係」のことを指します。

わかりにくいので具体的にいうと、よくいう「\(y\)は\(x\)の関数である」とは、「変数\(x,y\)が\(x\)の値を決めると、\(y\)の値も決まるような関係にあること」を表しています。

これで一次関数の説明を終わりますが、中学生にとってはまだ難しいと思いますので、難しくて理解できなかったという人は、やはり一次関数は\(y=ax+b\)、直線であると割り切って覚えておくのが良いでしょう。

一次関数に関連する用語

実は一次関数が何かわかっても、一次関数に関連した用語も理解しないと問題はうまく解けないことが多いのです。

そこで、一次関数に関連してよく出てくる用語を総ざらいしてみましょう!

変化の割合・傾き

まずは変化の割合・傾きという用語です。

変化の割合について軽く確認しておきます。

変化の割合とは一次関数\(y=ax+b\)において\(x\)の値を変化させたときにどれくらい\(y\)の値が変化するのかを調べ、その\(y\)の増加量を\(x\)の増加量で割ったものでした。

変化の割合についてもっと知りたいというという人はこちらを参照してください。

【3分で分かる!】変化の割合とは?意味やその求め方をわかりやすく

2020.08.07

一方で傾きとは一次関数において\(x\)が\(1\)増えたときに\(y\)が変化する量のことを表しています。

一次関数において、変化の割合と傾きは同じことを指しています。

より具体的には一次関数\(y=ax+b\)の\(a\)のことです。

ではなぜそのような使い分けがあるのでしょうか?

一次関数においては両者は同じ意味ですが、使える範囲が異なります。

変化の割合は、一次関数のみならず、反比例、二次関数に対しても使うことができます。

しかし傾きは一次関数においてしか使えない用語です。

この違いに注意して使い分けるようにしてください。

比例・反比例

次は比例・反比例です。ここでは問いが1つだけあります。

「果たして、比例や反比例は一次関数なのか?」という問いです。

結論から言うと、比例は一次関数の一部、反比例は一次関数ではありません。

一次関数は\(y=ax+b\)と表されますが、比例の式は\(y=ax\)であり\(b\)、つまり切片がないのです。

ですので、比例は一次関数と全く同一のものではなく、一部という扱いになっています。

次に反比例については理由は中学範囲を超えてしまっているため、ここでは省略します。

とにかく反比例は一次関数ではないということだけ覚えておいてください。

変域

最後に変域です。変域は一次関数を習いたての人には少し難しい内容です。

変域とは「変数のとる値の範囲」のことです。

しかしこれだけではなんのことかさっぱりだと思いますので図を載せておきます。

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中学数学では、\(x\)変域、\(y\)の変域と言われたら「\(x\)の取りうる値の範囲」、「\(y\)の取りうる値の範囲」というふうに解釈しましょう。

ここまでの説明でわからなければ、練習問題に変域の問題がありますから、そちらでも確認してみてください。

一次関数のグラフの書き方

やっと、本題のグラフの書き方に入ります。

まずは概要を説明します。

まずは原点を通る一次関数\(y=ax(a \neq 0)\)のグラフです。

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\(a>0\)のときは右上がりのグラフ、\(a<0\)のときは右下がりのグラフを書きます。

次に\(0\)でない切片がついた一次関数\(y=ax+b(a \neq 0)\)のグラフです。

切片について知りたい人はこちら↓

【3分で分かる!】切片とは?切片の求め方、練習問題などについてわかりやすく

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こちらも\(y=ax\)のときとあまり違いはありませんが、原点を通らないことに注意です。

一次関数のグラフにおいて最大の特徴の1つは傾きです。

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図の中にもありますが\(a>0\)の時は\(a\)の値が大きくなるほど、\(a<0\)の時は\(a\)の値が小さくなるほどグラフの傾きは急になります。

これは、\(y=ax\)でも\(y=ax+b\)でも変わることはありません。

順番が前後したかもしれませんが、次にグラフの書き方を例を挙げて確認していきましょう。

例題

\(y=\displaystyle \frac{ 1 }{ 2 }x+2\)のグラフをかけ。

例題の解答・解説

グラフの書き方を簡単にまとめておきます。

グラフの書き方

  1. \(xy\)平面を書く。
  2. グラフを書きたい一次関数が通る点を\(2\) つ求めて\(xy\)平面にプロットする。
  3. その\(2\)点を通る直線を書く。(変域に注意)

②の\(2\)つの点はなんでも良いですが、\(x\)切片や\(y\)切片を求めるのが一般的です。

以上を押さえた上でグラフを実際に書いていきましょう。

\(xy\)平面を書く。

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グラフを書きたい一次関数が通る点を\(2\) つ求めて\(xy\)平面にプロットする。

今回は\(x\)切片と\(y\)切片を求めます。

\(x\)切片を求める場合は\(y=\displaystyle \frac{ 1 }{ 2 }x+2\)の\(y\)に\(0\)を、\(y\)切片を求める場合は\(y=\displaystyle \frac{ 1 }{ 2 }x+2\)の\(x\)に\(0\)を、代入します。

よって、\(x\)切片は\(-4\)、\(y\)切片は\(2\)であることがわかりました。

そこで、点(\(-4,0\))、(\(0,2\))を\(xy\)平面上にプロットします。

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その\(2\)点を通る直線を書く。(変域に注意)

変域ですが、今回は特に\(x\)にも\(y\)にも変域はないので、隅までグラフを伸ばして書きます。

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これでグラフの完成です。3ステップを覚えてくださいね。

一次関数の問題(グラフ)

最後に練習問題を解いて終わりましょう!

問題

\(y=\displaystyle \frac{ 1 }{ 3 }x+\displaystyle \frac{ 2 }{ 3 }(-2≦x≦4)\)のグラフをかけ。

問題の解答・解説

先ほどのグラフの書き方の3ステップに沿って解説していきます。

\(xy\)平面を書く。

これは先ほどのものと全く同じものをかけば良いので省略します。

グラフを書きたい一次関数が通る点を\(2\) つ求めて\(xy\)平面にプロットする。

注意

傾きや切片が分数になると、突然問題が解けなくなったり、グラフがかけなくなったりする人がいますが、することは基本的にいつもと同じなので、見た目に騙されないように気をつけてください。

今回も\(x\)切片と\(y\)切片を求めます。

\(x\)切片と\(y\)切片を求める場合は、グラフを書きたい一次関数の式にそれぞれ\(y\)に\(0\)を、\(x\)に\(0\)を、代入すればよかったのでしたね。

\(y=0\)を代入して\(x\)切片は\(-2\)、\(x=0\)を代入して\(y\)切片は\(\displaystyle \frac{ 2 }{ 3 }\)であることがわかりました。

そこで、\(xy\)平面上にこの2点(\(-2,0\))、(\(0,\displaystyle \frac{ 2 }{ 3 }\))をプロットします。

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その\(2\)点を通る直線を書く。(変域に注意)

あとは、(\(-2,0\))、(\(0,\displaystyle \frac{ 2 }{ 3 }\))を通る直線を書けば…と思った人は慌ててはいけません。

今回の問題にはおまけで何か条件がついていますね。そう、\((-2≦x≦4)\)です。

これが先ほど説明した「変域」と呼ばれるものです。\((-2≦x≦4)\)は\(x\)の変域です。

変域のない問題では、グラフは端までできる限り伸ばすのが原則です。

しかし、変域のある問題ではグラフをどこまで伸ばすかは問題の指示によります。

今回の問題を言い換えると「一次関数\(y=\displaystyle \frac{ 1 }{ 3 }x+\displaystyle \frac{ 2 }{ 3 }\)のグラフを\((-2≦x≦4)\)の範囲で書いてください」と言っているのです。

よって、最終的なグラフは下のようになります。

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最後に注意点ですが\(≦\)のときはグラフの両端に中黒の丸(●)を、\(<\)のときは中空きの丸(◯)を書きます。

これを忘れないように気をつけてください!

まとめ:一次関数のグラフと関連用語をマスターしよう!

いかがでしたか?

一次関数のグラフの問題1つで色々な問題のパターンを作ることができ、難易度も様々です。

でも、どんな問題にせよグラフの書き方の3ステップを覚えていれば怖いもの無しです。

グラフはなんども書いて練習し、また一次関数の関連用語もセットにして覚えるようにしましょう!




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