はじめに:扇形の面積と弧の長さ
皆さんは、もう円の面積や円周の長さは求められると思います。
ということは、半径\(30cm\)のピザの表面の面積は求められますね。では、ピザを16等分したうちの1ピースの面積はどうやって求めればいいのでしょうか?
今回はピザの1ピースのような、扇形の面積と、その弧の長さの求め方を紹介します。
最後には理解を深めるための練習問題もつけました。
ぜひ最後まで読んで扇形の面積と弧の長さの求め方をマスターしてください!
目次
扇形に関連する基本事項
まずは扇形の基本的なことを説明します。
扇形とは、円の2本の半径と円弧に囲まれた図形です。つまり、
こんな感じの図形です。扇に形が似ていますね。
扇形の弧と中心角と言われたら、以下の図の場所を指します。
扇形の面積の求め方・公式
それでは扇形の面積の求め方を考えてみましょう。
半円の面積は、もとの円の面積の半分になりますね。
同様に、円を6等分してできた扇形の面積は、もとの円の面積の6分の1です。
このようにして、面積を求めたい扇形はもとの円と比べてどれくらいの大きさなのか、を考えてみます。
上の図のように、扇形の面積は、もとの円の面積の\(360\)のうちの中心角の分、つまり\(\frac{(中心角)}{360}\)倍になります。
\[(扇形の面積)\]\[=(もとの円の面積)×\frac{(中心角)}{360}\]で求めることができるのです。
もとの円の面積は(半径)×(半径)×\(π\)で求められるので、
\[\style{color:red}{(扇形の面積)}\]\[\style{color:red}{=(半径)×(半径)×π×\frac{(中心角)}{360}}\]です。
扇形の弧の長さの求め方・公式
次に扇形の弧の長さを求めてみましょう。
半円の弧の長さはもとの円の円周の半分になります。
同様に、円を6等分してできた扇形の弧の長さは、もとの円の円周の6分の1です。
ここまででなんとなく分かったかもしれませんが、扇形の弧の長さの求め方は扇形の面積の求め方とほぼ同じ。もとの円の円周の長さの\(\frac{(中心角)}{360}\)になります。つまり、\[(扇形の弧の長さ)\]\[=(もとの円の円周の長さ)×\frac{(中心角)}{360}\]で求めることができます。
円周の長さは(半径)×2πで求められるので、\[\style{color:red}{(扇形の弧の長さ)}\]\[\style{color:red}{=(半径)×2π×\frac{(中心角)}{360}}\]です。
ここで紹介した公式をまとめておきます。
扇形の面積と弧の長さを求める練習問題
それでは練習問題で扇形の面積と弧の長さの求め方を確認しましょう!
問題1
半径\(6\)、中心角\(30\)度の扇形の面積と弧の長さを求めなさい。
問題1の解答・解説
公式に当てはめればすぐです。
\[(扇形の面積)\] \[=(半径)×(半径)×π×\frac{(中心角)}{360}\] \[=6×6×π×\frac{30}{360}\] \[=36π×\frac{1}{12}\] \[=3π\]
\[(扇形の弧の長さ)\] \[=(半径)×2π×\frac{(中心角)}{360}\] \[=6×2π×\frac{30}{360}\] \[12π×\frac{1}{12}\] \[=π\]
次は少し応用問題になります。
問題2
半径が\(2\)、弧の長さが\(π\)の扇形の面積を求めよ。
問題2の解答・解説
今回は中心角が分からないので、分かっている半径と弧の長さをもとに方程式を立てて中心角を求めます。
求めたい中心角を\(x\)とおくと、
\[(扇形の弧の長さ)\] \[=(半径)×2π×\frac{(中心角)}{360}\] \[=2×2π×\frac{x}{360}\] \[=π×\frac{x}{90}\]
弧の長さは\(π\)なので、方程式\[π×\frac{x}{90}=π\]が成り立ちます。
両辺を\(π\)で割って\[\frac{x}{90}=1\]
両辺に\(90\)をかけて\[x=90\]
となります。
あとは公式に当てはめて、
\[(扇形の面積)\]
\[=(半径)×(半径)×π×\frac{(中心角)}{360}\]
\[=2×2×π×\frac{90}{360}\]
\[=4π×\frac{1}{4}\]
\[=π\]
答えは\(π\)です。
まとめ:扇形の面積や弧の長さの公式を知らずとも、図で考えれば間違えない!
いかがでしたか?
扇形の面積や弧の長さの公式を覚えていなくても、もとの円を描いてみて、そのうちのどれくらいの割合かを意識して解けば難しいことはありません。
ぜひこの機会に解き方をマスターしてください!