こんにちは。
皆さんは、中心角と聞いたら何を思い浮かべますか?
どんなものかイメージできるでしょうか?
中3数学で習う、この中心角という単元は一見地味にみえて、高校でも意外とよく使われる単元です。とっさに出てきてはすぐには思い出せないのかもしれません。
中心角にまつわる定義はたくさんあり、どれも大切ですよ!
ということで今回は、中学・高校で習う中心角について網羅していきたいと思います。
最初に中心角の基本事項や公式の確認をして、次に公式を証明し、最後に練習問題を載せています。
新しく習う人も、忘れてしまって復習したいという人も参考にしてくださいね。
中心角とは?(円周角との違い・関係)
まずは、中心角って何?というところから始めていきましょう。
Wikipedeiaによると中心角とは、「弧の両端を通る2つの半径の作る角」のことらしいです。しかし、正直いまいちイメージがしにくいですよね。
そこで次はこの定義を、図を使いながら確認していきましょう。
図を使いながらであれば、定義の意味もわかると思いますよー。
- 円周上に、異なる2点をランダムで打つ
- この2点から円の中心に向かって、半径を引く
- ②の結果できた角のことを中心角という
ここで、ポイントなのは2つの点が異なる位置にあるということです。
もしこれを重ねてしまうと、そもそも中心角が作れないので注意してください。
中心角の作り方がわかったところで、もう一回先ほど定義を見てみましょう。
円の中心核の定義は、「弧の両端を通る2つの半径の作る角」でしたね。
この「2つの半径の作る角」のところは、②と③で確認した部分のことです。
また、「弧の両端を通る」とは、単純に円周(つまり弧)と半径が円周上で交点を持つことを指していると考えられます。
つまり①の部分を別の角度から表現した言葉と考えて良さそうです。
以上が中心角の簡単な説明になります。
ここからは、似た言葉である「円周角」も交えて、中心角との違いや関係を解説し、中心角をより詳しく理解していきましょう!
円周角とは?(中心角と円周角の違い)
中心角の時と同様に、まずは円周角とは何かについて検討していくことにしましょう。
またまたWikipedeiaによると円周角とは、「円周上の一点から他の二点に引いた二つの弦のつくる角」が定義です。
ですが、こちらもいまいちイメージが湧きませんよね笑
そこで、中心角のときと同様に図を使いながら、定義を理解していきましょう。
定義通りに図を作っていきます。
まずは、「円周上の一点から他の二点に引いた」の部分から
- 円周上の一点から他の二点に線を引く
- ①で引いた線が作る角が円周角となる
1つの赤点から、2つの青点に向かって線を引いたと考えてください。
では中心角と円周角の違いは何でしょうか?
これは同じ円に2つの角を並べてみるとよくわかりますよ。
図からもわかる通り、角は3点から作られていますが、中心角と円周角は2点が共通していることがわかると思います。
残りの1つの点が円の中心にあるときは中心角、円周上にあるときが円周角と呼んでいるというわけなのですね。
では次に中心角と円周角の関係について見ていくことにしましょう。
中心角と円周角の関係
最後に、中心角と円周角の関係ですが、これはとてもシンプルです。
中心角と円周角には、「円周角は中心角の半分になる」という関係があります。
これを円周角の定理と呼んだりもしますが、名称はさておき
円周角\(=\displaystyle \frac{ 1 }{ 2 }\)中心角
という関係が成り立ちます。
「何でそうなるの?」と疑問に思った人は、こちらを参照してください。
ここで注意なのですが、円周角には定理があっても、中心角には定理がありません。
中には円周角の定理を中心角の定理と勘違いしている人もいるようなので、注意が必要ですよ!
中心角を求める公式
次に、この記事のメインテーマである中心角の求め方の公式を確認していこうと思います。
おうぎ形の中心角の求め方の公式
まずは、おうぎ形の中心角の求め方から紹介していきます。
下の図のように中心角が\(x°\)、半径が\(r\)、円周が\(l\)のおうぎ形を考えます。
このとき、おうぎ形の中心角\(x°\)の求め方は、\[\style{ color:red; }{ x=\displaystyle \frac{ 180l }{ πr } }\]になります。
\(θ=180°\)ですからね。
円すいの中心角の求め方の公式
次に、おうぎ形とは少し異なった円すいについてみていきましょう!
下の図のように、半径が\(r\)、母線の長さが\(l\)、中心角\(x°\)の円すいを考えます。
この手の問題を考えるときは、展開図を使って考えることが必須です。
このとき、図中の中心角\(x\)の大きさは、\[\style{ color:red; }{ x=\displaystyle \frac{ 360r }{ l } }\]になります。
これは先ほどと同じです。
円すいの中心角は、底面の円の半径と母線の長さがわかっていれば求めることができると覚えておくと問題をすんなりと解くことができると思いますよ。
ということで、2種類の中心角の求め方をご紹介しました。
では、なぜそのような中心角の求め方の公式の証明を確認していきましょう!
中心角の公式の証明(おうぎ形、円すい)
おうぎ形の中心角の求め方の証明
では、まずおうぎ形の中心角の公式がなぜ成り立つか確認しましょう。
やり方は、おうぎ形の弧\(l\)を\(r\)、\(x\)を使って表すという方法です。
考え方のポイントは、半径が等しい扇形の弧の長さは、中心角に比例するということです。
つまり、おうぎ形の弧の長さに注目するのがポイントです。
しかし、これだとよくわかりにくいので、もう少し説明しますね。
まず、おうぎ形を作ったもともとの円を考えてみましょう。
次に、円の全周である\(360°\)のうち、
今求めたいおうぎ形は、もとの円のうち何度分を切り取ったものなのか?
という割合を考えます。
ピザとかを想定するとわかりやすいですね。
言い換えると、おうぎ形の弧の長さを求めるには、円の全周\(360°\)に対する中心角の割合という要素が必要になります。
以上のことから、おうぎ形の弧の求め方は\[l=2πr×\displaystyle \frac{ x° }{ 360° }\]になります。
そして、これを\(x\)について式変形をすることで証明は終了です。
\(l=2πr×\displaystyle \frac{ x° }{ 360° }\)より、\(x\)について整理して\[\style{ color:red; }{ x=\displaystyle \frac{ 180l }{ πr } }\]
これが、おうぎ形の中心角の公式の証明になります。
結構シンプルだと思いますが、円の弧の長さを求めるのがポイントです。
円すいの中心角の求め方の証明
では円すいの中心角についても、なぜ同じような公式が成り立つのでしょうか?
基本的な考え方は、おうぎ型のところで紹介したものと変わりません。
半径が等しい扇形の弧の長さは、中心角に比例するということを使います。
また、もう1つ円すいについて考えるときに押さえておかねばならないことがあります。
それは、底面の円の円周とおうぎ形の弧の長さが等しいということです。
このことより、方程式を作ります。何によって方程式を作るかというと、弧の長さです。
弧の長さを2パターンで表してイコールで挟むことで方程式を作ります。
底面の円の円周は、直径\(×π\)より\(2πr\)です。
一方で、おうぎ形の弧の長さは先ほど説明したように、\[2πl×\displaystyle \frac{ x° }{ 360° }\]と表すこともできました。
以上より方程式を作ってみると、\[2πr=2πl×\displaystyle \frac{ x° }{ 360° }\]になります。
これを\(x\)について整理すると、\[\style{ color:red; }{ x=\displaystyle \frac{ 360r }{ l } }\]になり、証明ができました。
公式は証明までしっかり覚えて覚えることで、忘れにくくなります。理屈まで理解することを心がけましょう。
では、最後にここまでで紹介してきた公式を使う練習問題に取り組んでみましょう!
中心角の公式を使う練習問題
それでは練習問題を解いてみましょう!
練習問題1
次のおうぎ形の中心角\(x\)を求めよ。
練習問題1の解答・解説
これは、公式に当てはめるだけで答えが出てきます。
おうぎ形の中心角を求める公式は\( x=\displaystyle \frac{ 180l }{ πr }\)でしたね。
これに当てはめて、\[ x=\displaystyle \frac{ 180×4π }{ π×9 }\]よって、\[\style{ color:red; }{ x=80 }\]が答えになります。
問題2
ある円すいが、下の図のように展開できたとする。
この時、この円錐の中心角\(x\)の大きさを求めよ。
問題2の解答・解説
こちらも公式に当てはめるだけです。
円すいの中心角の求め方は、\(x=\displaystyle \frac{ 360r }{ l }\)でしたね。
この公式に\(r=2\)、\(l=8\)を代入して、\[x=\displaystyle \frac{ 360×2 }{ 8 }\]よって、\[\style{ color:red; }{ x=40 }\]が答えになります。
中心角の求め方|まとめ
いかがでしたか?
中心角の公式は、地味そうに見えて意外とよく使う公式の1つです。
今回紹介した公式は、公式自体はもちろんのこと、その導出まで覚えるようにしてください。
万が一公式を忘れてしまっても、自分で公式が作れるくらいまでになっておくように学習していきましょう!
それでは〜。