目次
はじめに
みなさんは、英語を勉強する意味について考えたことがあるでしょうか?
多くの人が受験に必要だから、という理由で(場合によっては仕方なく?)勉強しているのではないでしょうか。
実際、人工知能の発達で機械翻訳の精度は、近年飛躍的に高くなり、英語を勉強する必要性が低下しているように思われます。
しかし、大学が受験科目として英語を受験生に課しているということが何を意味するのか、よく考えてみましょう。
それは、受験生が英語を身につけることには意味があると大学教授が判断しているということではないでしょうか。
では、その意味とは何なのでしょうか?
様々な考え方があると思いますが、この記事では、私の考える英語を勉強する意味を紹介します。
英語を勉強する意味①手に入る情報量が増える
なぜ英語を勉強すると手に入る情報量が増えるのか
英語は、第二外国語として使用する人の数も含めると、およそ10億人が使用している言語です。
世界の人口の7分の1を英語話者で占めることになり、さらに、約60カ国において、公用語としても使用されています。
国際連合やEUなど様々な国際機関や、地域連合においても公用語として定められており、世界でもっとも広く普及している言語といえるでしょう。
それらの多くの国や機関から、英語で書かれた情報が提供されるため、日本語と比べて非常に多くの情報が存在します。
したがって、英語を使用することでそれらの情報を手に入れることができます。
例として、コーヒーについてGoogleで検索してみましょう。
まずは、日本語で検索してみます。
4億4千件ほどヒットしました。一見、とても多くのサイトにアクセスできるように見えますが……
次は、英語で検索してみましょう。
なんと46億件もヒットしました!
英語では日本語に比べて10倍の量の「コーヒー」についての情報が得られることがわかりますね。
この例からわかるように、英語を使ってアクセスできる情報量は、日本語と比べ、遥かに多いです。
手に入る情報量が増えると、どう役立つのか
英語を理解できるようになっていれば、国際機関や外国から提供される一次情報(オリジナルで、手を加えられていない情報)を直接手に入れられます。
言い換えると、より正確な情報をより素早く手に入れることが出来るということです。
日本語でもいいではないかと思うかもしれませんが、翻訳されるまで時間がかかってしまうことや、翻訳や情報伝達の際にミスが生じる可能性があります。
そういったことを考慮すると、自分で直接情報を得られるというのはとても大きなメリットになると思いませんか?
それだけでなく、英語を使用する世界中の人々と交流することもできるようになります。
日本人だけと交流する場合と比べて、より多くの情報を得られるでしょう。
英語を勉強する意味②論理的な構成を学ぶ
なぜ英語を勉強すると論理的な構成が学べるのか
英語は文章の構成が日本語と大きく異なります。日本語は具体例や、譲歩的な内容を先に述べ、後ろの方で結論を提示する傾向があります。
一方で英語は、先に結論を提示した後で、具体例や理由を述べる傾向にあります。
結論から述べる英語のような文章の方が、より明確で論理的であり、わかりやすいですよね。
論理的な構成を学ぶと、どう役立つのか
受験においては、現代文の能力向上に役立つと考えられます。
現代文では主張、根拠、具体例などが、文章のどの部分にあたるか理解したうえで、問題を解くことが必要ですよね。
日本語と構成の異なる、英語の文章を読むことによって、よりそれらの区別を意識して文章を読むことができるようになります。
また、受験を終えても、論文やレポートなどは、英語と同じように結論から述べるという展開が良いとされています。
だから、英語の構成に慣れることができれば、大学の授業や社会においても、プレゼンテーションなどをする際に苦労しなくて済みますね。
英語を勉強する意味③文化の違いを知る
なぜ英語を勉強すると文化の違いを知れるのか
これは英語だけではなく、他の外国語にも当てはまることです。
しかし、高校生にとって最も身近な外国語が英語であるということを考慮して、英語のメリットとして紹介します。
言語は使用する人々の世界の捉え方、価値観、文化などを強く反映しているものです。
例えば、英語で「牛」を意味する単語は、cow、beef、oxなど様々な種類の表現があります。
これらがどのような区別で用いられているかと言うと、「食用かどうか」です。
一方、日本語では、「牛」とひとまとめにして表現しますよね。
これは、11世紀に起きた「ノルマン・コンクエスト」を見ていくことで理由がわかります。
「ノルマン・コンクエスト」は、ノルマン人によるイングランド征服のことで、これにより、イングランドにフランス語が流入していきます。
支配層であるノルマン人は、ノルマン・フランス語で「牛」を表す、boef(beefの語源)を用いました。
一方、被支配層である庶民層はゲルマン系の言語で「牛」を表す、cow、oxを用います。
こうして、現代の英語には2つの語源を持つ「牛」を表す単語が併存することになったのです。
他の例をみてみましょう。日本語で「兄」、「弟」と区別する兄弟の表現も、英語では「Brother」とひとまとめにしています。
これは、日本の儒教文化を見ていくと理由がわかりますよ。
儒教では、上下の別を重視する考え方があります。
この考え方から、兄弟の上下も別の呼び方をして区別する必要性が生じたのだと考えられます。
ここで見てきたように、言語には、一つ一つに単語を区別するかどうかの差異が存在します。
これらが存在するのは、区別を必要とする文化的、歴史的背景が存在していたからだと考えられ、文化の違いを知ることに繋がりますね。
文化の違いを知ると、どう役立つのか
多様化する今日の世界で、様々な文化を知り、理解することは非常に重要なことです。
海外の人たちと仕事をしたり、交流したりする際に、相手の文化を理解していないと、思い違いから思わぬ衝突が起きてしまう可能性があるからです。
英語など外国語の学習によって、日本語との物事の表現の仕方の違いを知り、背景にあるその言語を使う人々の文化を理解するきっかけができるでしょう。
おわりに
これまで受験に必要だから、という理由で仕方なく英語を勉強してきたという人もいると思います。
これらの「意味」を知ることで、さらにモチベーションを高めることができるのではないでしょうか。
受験勉強だけを目標にするのではなく、その先の人生の可能性を広げてくれるツールとして英語を認識してくれると嬉しいです!