【慶應生が考える】なぜ高校生は日本史・歴史総合を学ぶのか?日本史を勉強する意味

はじめに

日本史の教科書は分厚くて、苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、慶應義塾大学に日本史受験で合格した筆者が考える、日本史を勉強する意味を紹介します。

この記事を読んで、少しでも日本史の勉強に前向きに取り組み、勉強を楽しんでほしいです!

【慶應生が考える】なぜ日本史を勉強するのか?

【日本史を勉強する意味】①人生に必要な能力が身につく

日本史ではたくさんの知識をインプットする作業があるので、「記憶を定着させる力」を鍛えることができます。

新たな物事を学んでも、すぐに忘れてしまうようでは社会に出たときに困ってしまいますよね。覚えることは大変ですが、必ず意味があるので訓練することが重要ですよ。

また、大量の知識をインプットするために、情報を整理することが必要になります。

そのため、大学での勉強や社会に出てからも必要な「知識を整理する力」も身につきます。

インプットした知識を適切にアウトプットするために、情報を整理する訓練も行いましょう。

【日本史を勉強する意味】②将来の選択肢や考え方の幅が広がる

大学で日本史を専攻しなくても、日本史の知識が必要となるときがあります。

例えば、文学部の国文専攻や能・歌舞伎・狂言の芸能の分野で、日本史の知識が役に立つことが多いですよ。

さらに、日本史を知っていることで身近な場所や日本各地の旅行の楽しさが各段に増します。

例えば京都は、長年天皇が住まわれていたということもあり、歴史の重要な場所が沢山ありますよね。

京都の王道観光地である清水寺の仁王門は、別名目隠し門とも呼ばれるとても大きな門です。

高台にある清水の舞台から天皇のお住まいである御所が見えないようにするために、大きくなっています。

もし門が無ければ、清水から御所を見下ろせることになりますよね。

こうした背景を知ったうえでもう一度大きな仁王門を眺めると、天皇の権威を護るための門、という深い意味合いが感じられますよね。

日本史の知識は、試験や研究に有用なだけではなく、旅行などの楽しみ方を増やしてくれますよ。

【日本史を勉強する意味】③世界の人々と交流する基礎になる

海外の人は、日本独自の文化や天皇制に関心があるので、お互いの文化について会話する機会は多いです。

日本について語るときに、必ず日本史の知識が必要になります。

例えば、「日本ってどんな国?」と聞かれた時に、歴史を知らずに答えることは難しいです。

天皇制度の仕組みは日本特有なので、海外の人にとって興味深いテーマの1つです。

なぜ日本は男系天皇しか認めていないのか、そもそも天皇とは人々にとってどのような存在だったのか、といった素朴な疑問は日本史を学ぶことで少しずつ理解を深めることができます。

例えば、皇位継承を男系天皇しか認めていないのは、初代天皇であり日本を建国したとされている神武天皇の血筋を絶やさないためであるという解釈ができます。

もちろん女性が天皇に就いても血統は守られますが、仮にその女性天皇が皇族以外の男性と結婚すると、新たな王朝が始まることになりますよね。

他にも皇位継承に関する議論は多岐にわたります。

日本史を学んだからといって完璧な答えが得られるわけではありませんが、社会で議論されている事柄についての知見は得ることができますよ。

また、日本特有の文化についての背景知識が得られるので日本史は楽しいです。

例えば、国技である相撲は、古事記(712年)や日本書紀(720年)の中にある力くらべの神話や伝説に由来します。

その後、農作物の収穫を祝う祭りとして受け継がれてきました。

また、武士の時代には訓練として用いられたり、江戸時代には力士を職業と扱うようになったりなど、興味深い歴史的背景があります。

「相撲は昔は祭りの儀式で、歌舞伎と並んで国民的な人気を誇る伝統文化となりました。今も昔も迫力ある力士の動きが人気です。」などと海外の人に日本文化を深く紹介すれば、会話が広がるでしょう。

日本史を学ぶと海外の人とのコミュニケーションが楽しくなること間違いありませんね。

【日本史を勉強する意味】④歴史総合を学んでグローバル化社会に対応する

2025年より高校の社会科目で歴史総合が新しく必修科目として始まり、近現代について日本史と世界史に分け隔てなく学ぶことになります。

今まで世界史のみが必修でしたが、グローバル化への対応力をつけるため日本史と世界史を融合して知識を得ることが求められているという背景があります。

グローバル化が進む現代において、現代社会の成り立ち国同士のつながりを意識することは重要ですよね。

日本は、昔から朝鮮半島を始め各国との交流がありました。

日本がこれまでどんな国とどのような付き合い方をしてきたのか、といった背景知識を知ることは、これからの世界各国と日本の外交においてとても重要です。

そのため、歴史総合では今まで試験に出にくいため疎かにされがちだった近現代史国同士のつながりを重点的に学ぶことになります。

見直されている日本史の重要性を理解して、歴史総合を現代社会の成り立ちと国同士のつながりに着目して勉強してみてくださいね。

日本史の教科書の勉強方法はこちらの記事を参考にしてください!

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【慶應生が考える】日本史に向いている人はこんな人!

【日本史に向いている人の特徴】①漢字が好き

日本史に向いている人の特徴の1つ目は、漢字が好き・得意であることだと思います。

世界史と日本史に登場する固有名詞を建物名で比べてみると、例えば世界史にはサンティアゴ・デ・コンポステラ、日本史では平等院鳳凰堂、とカタカナと漢字の印象の違いが大きいですよね。

人物名では、世界史にはマルクス=アウレリウス=アントニヌス、日本史では蘇我倉山田石川麻呂。

カタカナの間違いよりも漢字の間違いのほうが気づきやすい・覚えやすい方に日本史はぴったりです。

また、日本史では同じ苗字の人物が連続して登場することが多いですよね。

そのため、人物名を苗字や名前の漢字を意識しながら暗記することができ、歴史を流れで覚えやすいです。

例えば徳川家では徳川家康、徳川秀忠、徳川家光、徳川家継、徳川綱吉…と家の文字が入る人が多いですね。

世界史は〇世…と数字で区別されることが多いのに対して、日本史は漢字の流れを意識して覚えられます。

人名はやみくもに暗記しようとするのでなく、イメージ画像やその人が成し遂げたことと漢字の並びを関連付けて整理しながら覚えると、記憶に残りやすいのでおすすめですよ。

【日本史に向いている人の特徴】②狭く深く学ぶことが好き

日本史は日本が主な舞台となるため、世界史に比べ登場する地理の範囲は狭いです。

その分政治・経済・商業・文化などを深く学ぶ必要があります。

とはいえ、同時代の世界の動き、例えば朝鮮半島の国名や主な事件、産業革命期のヨーロッパなど世界との関連を意識した学びも重要です。

日本の歴史を深く学びながら、世界も視野に入れて勉強する必要がありますよ。

おわりに

日本史はとにかく奥が深く、受験のためだけに学ぶのは勿体ないです!

身近な地域とゆかりのある人物や建物を調べてみるところから勉強を始めるのも良いですね。

日本史を学ぶことは決して無駄でもつまらないことでもなく、自分との関わりや地域の繋がりを楽しみながら勉強してほしいです。

地理を勉強する意味が気になる方はこちらの記事を参考にしてください!

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