薬学部志望の高校生へ 3stepで考える自分にぴったりの第一志望校の見つけ方

はじめに

みなさんは自分の第一志望校をどのように決めようと考えていますか。

私は、高校2年生のときに大学のイメージや受験科目、出題形式に囚われすぎないで学科の細かい部分を調べ、比較して志望校を決めました。

そうしたことで「その大学に行かないとできないこと」が見つかり、受験勉強のモチベーションも上がりました。

このように、いろいろな要素を考えた上で何が決め手となるかをはっきりさせると、後悔のない志望校選びができるはずです。

志望校決定にはたくさんの要素があり、何を重視するかで志望校は大きく変わります。

3stepで様々な視点から吟味して、自分に合った第一志望校を見つけてみてください。

情報は記事公開時のものです。また、記事中の情報は全ての大学に当てはまるわけではありませんので、詳細は各大学のHP等でご確認ください。

薬学部の構成について

薬学部は、薬学科と薬科学科の2つの学科から成ります。

薬学科

6年制で国家資格を持った薬剤師を育成する学科です。課程を終了して国家試験に合格すると薬剤師国家資格を取得できます。

薬について学ぶだけでなく、病院・薬局実習などの実務実習を通して医療従事者として働くための経験も積みます。

薬科学科

4年制で主に創薬研究者を育成する学科です。ほとんどの人は修士課程まで進み、研究者となります。医療現場での実務実習がなく、国家資格の取得はできないことが薬学科との大きな違いです。

第一志望校決定までの3step

step1:将来やりたいことを考える

薬学部では将来国家資格を取得するかしないかが学科の選択に大きく関わるため、まずは将来やりたいことを考えましょう。

大学卒業後の進路が明確になると学科だけでなく大学も決めやすくなります。

研究者として製薬関係の仕事に就く・行政機関で働く場合

研究者として働きたい人は、国公立大の薬学部、もしくは私立大の薬科学科が向いています。国公立大は薬の研究者の養成をメインにしているため、薬学科でも研究者を目指す人の割合が比較的高いのが特徴です。

また、私立大の薬科学科では国公立大と同様に研究者を目指す人がほとんどです。

薬剤師の国家資格をとり、病院や調剤薬局などで働く場合

薬剤師として医療現場で働きたいと考えている人は、国公立大・私立大ともに薬学科を目指しましょう。私立大の薬学科は特に卒業後、病院や薬局で働く人が多く、薬剤師国家試験の対策も充実している大学が多いです。

将来の進路がまだ決まらない人は……

薬学に興味はあるけれど、まだ具体的に将来の進路を決められない人も多いと思います。その場合は6年制の薬学科を目指すことがおすすめです。国家資格を取って研究の道に進むこともできるからです。

他にも、在学中に研究コースと臨床コースを選べ、どちらに進んだ場合でも6年制で国家資格を取れる体制を取っている大学が一部あります。

step2:国公立か私立かを決める

薬学部では特に、国公立と私立で必要な科目数や卒業後の進路など異なる点が多く、あとから国公立か私立かの選択を変えるのは大変なため、様々な視点から考えておくことが大事です。ここではいくつかのポイントに分けて大学ごとの違いを紹介します。

科目と出題形式から考える

国立大学はセンター試験(5教科7科目)二次試験(前期は英語・数学・理科2科目が基本)を受験します。二次試験は基本的に全科目記述式で、科目数は大学によって異なります。

センター試験で理科は2科目、二次試験の数学は数Ⅲまで必要な点が私立大とは大きく違います。

公立大学は国立大学と同様にセンター試験(5教科7科目)二次試験(英語・数学・化学が基本)を受験します。二次試験は基本的に全科目記述式で、科目数は大学ごとに異なります。

私立大学はほぼすべての大学の個別試験が英語・数学・化学(基本的に数学は数ⅠAⅡBまで)の3科目です。選択式の問題の場合が多いですが、大学や科目によっては記述式もあります。センター利用方式も個別試験と同じ3科目で受験できます。

しかし、東京理科大学は個別試験では数Ⅲまで、センター利用試験では国語も必要なので注意です。

募集人数と偏差値から考える

国公立大は2学科の募集人数が同じぐらい、または4年制の薬科学科の方が多いです。そのため、6年制の薬学科の方が入りにくく、偏差値は上がります。

募集方法は2パターンあり、2学科それぞれに定員を決めて募集する大学学科を分けずに薬学部として募集して在学中に学科分けがある大学があります。

後者の場合は成績で振り分けられることが多いため、国家資格を必ず取りたい人は前者の大学を受験することをおすすめします。

私立大は学科を分けて募集しています。募集人数は6年制の薬学科が薬科学科よりもかなり多いですが、偏差値も薬学科の方がやや高いです。これは薬学科を志望する人数の方が断然多いからです。

また、6年制の薬学科のみを募集している大学もあるため確認してみてください。

学費から考える

国公立大と私立大では学費も大きく異なります。国立は大学によらず一律の学費、公立も大学ごとの差は小さいですが、私立は大学によってかなり変わってきます。

以下は6年間または4年間でかかる学費の合計です。

  • 国立大学
  • (薬学科6年間)約350万円、(薬科学科4年間)約240万円

  • 公立大学
  • (薬学科)約370万円、(薬科学科)約250万円
    (大学のある地域の県民・市民だと入学金が10万円ほど安いです。)

  • 私立大学
  • (薬学科)平均約1144万円、(薬科学科)平均約700万円(かなり幅があります。)

自宅から通うか一人暮らしをするかで考える

全国に薬学部のある大学は非常に少ないため、自宅から通学できるかも重要な判断材料になるでしょう。

国公立大学は首都圏に東京大学と千葉大学のみととても少なく、全国に分散しています。国立大学は全国に14校、公立大学はなんと4校しかありません。

私立大学は首都圏や各都市に多く、地方には少なめです。全国には59校あります。

step3:学科を決め、具体的に大学について調べる

将来の進路について考え、国公立と私立の特徴を知った上で、学科と大学を決めていきます。

学科を決める

将来やりたいことをもとに志望学科を決めます。

しかし、同じ学科でも、国公立と私立では将来の進路や募集人数に違いがあるため、学科と国公立か私立かを別々に決めるのではなく、2つ合わせて考えることをおすすめします。

薬学部の場合は特に学科が将来の進路に直結しやすいため、慎重に選びましょう。

大学の情報を調べる

気になる大学はインターネットや塾が出している受験情報誌などで科目は受験可能かどうか、出題形式の対策はできそうかを確認します。

例えば、国公立大のいくつかの大学では理科の科目指定があるので注意が必要です。

また、入試の段階で薬学科と薬科学科を分けて募集するか、入学後に選抜なのかの確認も大事です。

私立大では科目ごとの配点を見てみるのも良いでしょう。

おわりに

いかがでしたか。行きたい大学は見つかったでしょうか。

気になる大学はオープンキャンパスへ行き、雰囲気も見てみましょう。

自宅から遠く、オープンキャンパスになかなか行けない大学はパンフレットを取り寄せて、いくつかの大学を見比べるのも良いですよ。

最終的には、将来の自分の行きたい進路に合った大学を目指すことが大事です。

進路が明確に決まっていなくても、「その大学でしかできないこと」を見つけましょう。

そうすることが、何よりも勉強のモチベーションになるからです。

大学入学がゴールではなく、入ってから自分のやりたいことが入学後にできるかどうかを意識して決めてみてくださいね。

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