はじめに
先輩たちの合格体験記。合格を掴んだ先輩の姿に憧れますし、読むとやる気が出ますよね。
ですが、ちょっと待って下さい。その合格体験記、本当に信じて大丈夫でしょうか?
「使える」体験談を見極めて、自分の受験勉強に役立てましょう!
すべての合格体験記が使えるわけじゃない?
まずは皆さんに、大切なことをお伝えします。
それは、合格体験記を読む目的は「いかに合格のための勉強の手法を真似するか」にあるということです。
合格までに何をどれくらい勉強すればいいのか・日々の生活にどう勉強を組み込むか、などを知り、自分の行動を変える、すなわち真似をすることができる体験記こそ有用なのです。
これから紹介するのは、真似しづらい=使えない体験記の特徴です。これに当てはまる要素がある体験記は、要注意です!
【注意すべき合格体験記の特徴①】具体的でない
合格体験記は先輩たちがうろ覚えで書いたり、受験生時代を思い出し高揚した気持ちで書くことがあり、具体性を欠いていることはしばしばあります。
しかし、せっかく読んでも「何年分」過去問を解いたのか、など具体的でないと真似できません。
せっかく良い勉強法だとしても、忠実に真似できなければ意味がなくなってしまうかもしれません。
例:「ひたすら頑張りました!」「問題集を何周もしました」
【注意すべき合格体験記の特徴②】失敗や反省点に触れていない
長い戦いである大学受験では、ひとつふたつの失敗は当たり前です。
しかし、志望校に合格したことは、本人にとって非常に喜ばしいこと。
後輩へ自分の経験を伝えるにあたり、いかに努力したか、どんな成果があったか、といったプラスの側面だけを知らず知らずピックアップしていることがあります。
学ぶべきポイントは、他者の成功体験よりも失敗や反省に隠されています。
【注意すべき合格体験記の特徴③】勉強以外の活動に言及していない
勉強のことだけが書いてある体験記も要注意です。なぜなら、先輩の実際の生活が見えないからです。
例えば、自分が3年生の夏休みまで運動部で活動しているのに、先輩が実は2年生で引退しているとしましょう。
当然、自由に使える時間は先輩の方が多いですよね。
生活スタイルが違えば勉強の優先順位や一日のスケジュールも変わってきます。
【注意すべき合格体験記の特徴④】地頭が良い
「勉強しなくてもできた」など元々の能力の高さは、1・2年では埋まりません。
また、受験勉強開始以前の勉強の積み重ねは、真似ができません。
こうした記述がある体験記は、「そんな人もいるのだな」と割り切って読みましょう。
例:「地理は共通テストだけだからほぼやらなかった」「物理は勉強しなくても点が取れた」
コラム:合格体験記がはらむ危うさ
「合格」という成功体験を読むにあたり、成功’と’失敗’が持つ性質に気をつける必要があります。
成功は個別的なもの、失敗は普遍的なものなのです。
ケアレスミスをすれば誰でも点数は下がりますが、掲載されている先輩と同じ道を辿ったからといって、確実に合格できるとは限りません。
例えば、試験当日に予期せぬアクシデントが起こるかもしれませんよね。完全に合格のための条件を合わせることは至難の技なのです。
ただし、条件を近づけることはできます。
苦手を克服し、過去問で安定して得点できるようにする。模試を受けて、場馴れしておく。
そして、自分の力で得た合格のための条件こそ、結果に多いに関わってくるのです。
合格体験記はこう役立てよう!
【合格体験記の使い方①】「これなら役立てられそう」という体験記を探す
先ほど挙げた特徴を避けて、「使える」体験記を見つけましょう。
ポイントは、お手本として勉強法を真似できるかどうか。
志望校が同じであったり、苦手科目が一致していたりと、共通点が多いと真似しやすく、望ましいです。
【合格体験記の使い方②】先輩の総勉強量を推定する
先輩が本番までに各科目を何時間勉強したのか、大体で良いので計算してみましょう。
受験勉強の開始時期や、1日のタイムスケジュールが参考になります。
時間を出すのが難しいのなら、使った参考書から勉強量を考えるのも手です。
1冊の参考書に何周取り組んだのか・過去問には何年分取り組んだのかもチェックして、どのくらい勉強すればよいかイメージしてください。
【合格体験記の使い方③】自分と先輩の実力差を検討する
先輩の勉強量が分かったところで、現時点での自分との差を考えます。
そのためにも、まずは自分の実力を把握しましょう。
今までの模試や期末試験の結果を振り返り、苦手な分野がないか、基礎力は身についているかなどをチェックします。
実力が分かったら、自分と先輩との実力差(勉強量の差)を検討しましょう。
【合格体験記の使い方④】計画を立てる
自分と先輩の実力差が分かったら、その差を埋めるために勉強計画を立てましょう。
大切なのは、具体的に何をやるのかを考えること。
例えば「2月に英語文法の参考書を1冊やる」という目標を立てたら、ページ数を日数で割って1日に進めるべきページ数を算出します。
予定を立てる時は予備日を設けておきましょう。
【合格体験記の使い方⑤】実行する
勉強計画まで立てられたら、あとは実行するだけです。コツコツと日々のノルマを達成していきましょう!
体験記には「先輩の一日のスケジュール」が載っていることがあるので、上手な時間の使い方を知るためにも参考にしましょう。
おわりに
正しく使えば、合格体験記は強い味方です。
先輩と自分の実力差を埋める期間が必要なのも考慮して、体験記は早いうちに読んでおきましょう。
うまく活用して計画通り勉強すれば、あなたの合格体験記が掲載される日が来るはずです!
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