はじめに
志望学部を1つに決められなくて悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
そんなみなさんにおすすめしたいのが、北海道大学(以下「北大」と表記)の総合入試と東京大学(以下「東大」と表記)です。どちらも大学入学後に学部を決めることができます。
この記事では、北大総合入試と東大の比較を行い、2校の選び方まで解説します。
大学に入学してから学部を選びたい方はぜひこの記事を読んで、北大総合入試や東大の受験を検討してみてくださいね!
北大の総合入試と東大の概要
北大の総合入試の特徴:総合入試合格者だけが学部選択できる
北大には学部から独立した総合教育部があり、入試形式に関わらず全1年生が所属します。
この総合教育部こそが、北大の初年次教育における共通教育の充実を実現する要となっていますよ。
総合教育部の修了後に、総合入試合格者だけが学部を選択することができます。
入学後に学部ごとに学ぶ内容を細かく確認してから学部選択を行うことで、未成熟な学部学科選択によるミスマッチの解消が実現されています。
なお、北大は前期後期ともに入試が実施されますが、総合入試は前期日程のみで実施されています。
総合入試ではなく学部を選択して受験すると、総合教育部修了後に学部を選択することなくそのまま進級します。
※出典: 北海道大学「総合入試」案内
東大の教養学部前期課程の特徴:入学者全員が教養学部生になる
東大では教養学部という1つの学部が、伝統的なリベラルアーツの実施による生徒の適応力・人間力の涵養のために、1・2年生の教養教育を担っています。
東大入学者は全員2年間教養学部に所属し、文理を問わず幅広い学問を身に着けます。
学部選択は全員が対象で、入試時の成績とは関係なく前期課程での成績順に希望学部に内定していく仕組みです。
なお東大の入試は前期日程のみでの実施になっていますよ。
北大総合入試と東大教養学部前期課程の相違点
【北大総合入試と東大の違い】①北大理系の入試には選抜群がある
北大総合入試と東大の違いの1点目は、入試形式です。
北大総合入試の理系には、選抜群とよばれる数学と理科の中の1科目の配点が高くなる方式があります。
それぞれ数学・物理・化学・生物の配点が高い選抜群と配点に偏りがない選抜群があり、得意科目を活かすことができます。なお入試の際に選んだ選抜群は学部選択には関係がありません。
一方東大では科目間で配点に差をつけずに、文系と理系で一律同じ試験を行っています。
文科一類から三類、理科一類から三類があり、科類ごとに合格点が異なります。東大では文理ともに3つの入試の枠が存在するということです。
※出典: 国公立大 2023年度入試難易度予想一覧表 「北海道地区」・「関東・甲信越地区」
【北大総合入試と東大の違い】②東大のほうが学部選択に参加する人数が多い
北大総合入試と東大は、学部選択にも違いがあります。
先述の通り、北大では学部選択の自由があるのは総合入試合格者だけで、学部選択に参加する人数は、文系は約100人、理系は約1000人です。
文系よりも理系のほうが総定員に占める総合入試定員の割合が高いですね。
一方東大では、3000人強の全学生が参加するため、北大よりも圧倒的に多数の人が学部選択をすることになります。
学部別入試入学者には学部選択権が無い北大とは異なり、東大には推薦入試入学者にも学部の選択に参加する権利は存在します。
また、学部選択に至るまでの年数にも、北大では1年、東大では2年と差がありますよ。
【北大総合入試と東大の違い】③東大のカリキュラムには持ち出し科目がある
北大総合入試と東大は、専門科目の学び方などのカリキュラムにも違いがあります。
北大ではコアカリキュラムと呼ばれる教養科目や外国語科目の授業の他に、専門教育の基礎となる科目として実験などの授業が行われます。
こうした1年次の基礎科目を土台に、学部移行後に専門科目を学んでいくことになりますよ。
一方東大では、基本的に前期課程の2年間、教養科目に集中して学びます。
そして進学選択後の2年次の秋から、学部からの「持ち出し科目」が開講されて専門科目の勉強が始まります。
北大総合入試と東大の選び方
【北大総合入試と東大の選び方】①入試との相性を考える
北大総合入試と東大のどちらを受験するか迷ったら、まずは自分と入試の相性について考えてみましょう。
偏差値だけではなく、入試の形式や配点などにも目を向ける必要があります。
北大総合入試理系の選抜群では、相対的に得意科目の配点が増えて、苦手科目の配点が減るという大きなメリットがありますよね。
しかし、受験者全員がその科目を得意とするハイレベルな戦いを強いられ、重点科目での失敗は絶対に許されません。
一方東大の入試科目は北大より多く、配点に科類間での偏りがないため、1つの科目の試験で失敗したとしても、他の科目での成功により取り戻せる可能性があると言えます。
このような入試の性質以外にも、問題形式との相性などをよく見極めるとよいでしょう。
【北大総合入試と東大の選び方】②入学後の学び方を考える
次に、入学後の学び方について考えてみましょう。
先ほどから説明した通り、北大では総合教育部修了後、2年次から専門的な内容を学習できます。
一方で東大では学生が2年間教養学部に所属するので、どうしても専門科目を残りの2年間で学ぶことになってしまいます。
すると、前期課程は進学選択のための勉強で忙しく、後期課程も専門科目を高い濃度で学ぶためにハードな学習に追われる人もいます。
教養教育を大事にしながらも専門科目への熱意も高いという人は、北大を選ぶと良いかもしれません。
また、東大では全員が希望する学部に進学するための好成績を取らなくてはいけない一方で、北大では総合入試合格者のみが好成績の維持に気を使うという違いがあります。
大学では高校と違って内容が難しかったり、教員により成績の付け方が違ったりして、好成績を取るのが大変です。
自分だけが成績に過敏になるのではなく、周りも勉強に積極的な人が多い方が良いと思う人は、東大を選ぶと良いかもしれません。
【北大総合入試と東大の選び方】③大学の魅力を考える
学部別入試の特徴と同じくらい、大学自体の魅力も大切ですよね。
北大に進学した知人は、地理を活かしたフィールドワークや北海道の美味しいお寿司が大好きだと語っていました。
私は東大に通っていて、学ぶ熱意の高い学友と切磋琢磨する環境が魅力だと思っています。
このように、大学にはそれぞれに魅力がたくさんあります。大学選択をする際は、必ず大学ごとの魅力を考えるようにしましょう。
おわりに
北大の総合入試と東大、色々学んでから学部を決めたい受験生にとってはどちらも魅力的ですよね。
入学後も行きたい学部に行くために継続的に勉強することが求められ、学ぶ環境としてはどちらも素晴らしいと言えるでしょう。
今回はそんな2校について、様々な観点から比較しまとめてみました。
2校の違いを理解して、自分が望む最高の大学生活を手に入れてくださいね!