理系学部に入ると留学は本当に難しい?明治大学農学部から文系学部への留学体験記

はじめに

「理系学部に行きたいけれど留学もしたい」と考えている高校生はいませんか?

実は、日本の理系学部から海外に留学するのは難しいと言われることがあります。

この記事では、農学部からマレーシアの観光学部に一年間留学した筆者が、なぜ理系学部から留学するのが難しいと言われているのかを深掘りしたり、理系学部から留学する方法を紹介したりします。

ぜひ最後まで読んでくださいね。

筆者のプロフィール

最初に筆者のプロフィールを紹介します。

  • 高校生の時に、大学生になったら英語の学習のために長期留学したいと考える
  • 明治大学農学部生命科学科に入学
  • 2年生と3年生の間で大学を休学し、民間の留学プログラムであるICCコンサルタンツ主催のIBPプログラムを利用して1年間マレーシアの大学に入学
  • マレーシアの大学では観光学部に所属し、文系科目であるイベントマネジメントを専攻する
  • 2023年3月に留学を終え、4月からの新年度に明治大学農学部の3年生に戻り、卒業研究に取り組む予定

そもそもなぜ理系の留学は難しいと言われるのか

【理系の留学が難しい理由】①留学する余裕がない

理系学生の留学が難しいと言われる一番の理由は、留学をする時間的余裕がないからです。

理系学生は必修科目が多かったり、研究室に入って卒業研究に取り組む必要があったりと、文系学生に比べて自由に使える時間が少ないです。

一方、留学するためには、英語の資格試験で必要なスコアを取ったり、留学資金を用立てたり、出願書類や各種書類の準備、航空券・保険の手配などやることは膨大で、その一つ一つに時間がかかります。

そのため自由時間が少ない理系学生は、英語の勉強をしたり、留学資金のためにアルバイトをしたりすることが文系学生より大変なのです。

さらに、卒業研究の際には1年〜2年続けて研究を行う必要があり、その期間の留学ができないことが多いのも留学が難しくなる理由の一つです。

理系の学生生活について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてみてください。

研究に忙しい?京大生と阪大生を例にみる理系学生の大学生活の実態

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【理系の留学が難しい理由】②留学の機会が少ない

理系学生が留学に行きづらい二つ目の理由は、理系学部に設置されている留学プログラムが少なく、理系学生向けの留学があまり活発に行われていないからです。

例えば、文系学部には異文化理解などを目的とした留学プログラムが豊富にあります。

一方、理系学部向けの研究室見学やフィールドワークなどを目的とした留学プログラムはあまり見かけないし、渡航できる国の数も限られています。

筆者の場合農学部に通っていたため、交換留学先は農学の勉強を目的としたタイに行くプログラムだけと少なかったです。

英語が学びたい筆者にはこのプログラムが魅力的に思えず、民間の留学プログラムを選択しました。

【理系の留学が難しい理由】③文系に比べ留学中の学習の難易度が高い

理系の留学先の大学で単位を取得するのは、文系の留学先に比べて難易度が高いと言われています。

理系の学習内容には専門用語が多く登場し、日本語ですら理解するのが難しい内容なのに、英語で理解するのはさらに難しくなるため、留学先で成果を上げるのが大変です。

また、日本での専攻と同じ内容を留学先で学ぶ場合であっても、日本語で学んでいた専門用語を一から英語で覚えなおすのでかなりの労力が必要になりますよ。

私が理系学部から留学した方法

【理系学部から留学する際のポイント】①留学を見据えて学部学科を決める

理系学部から留学する際のポイントの一つは、高校生の時に進路を決める時点で留学を見据えた学部学科を選ぶことです。

例えば、理系学部でも卒業研究が必修ではない学科があったり、必修科目が比較的少なめな学科があったりします。

また、留学先で取得した単位が卒業単位として認められるなど、比較的留学に寛容な大学もあります。

高校生の時に留学をしたいと思っている人は、志望校を決める際に大学の留学に関する制度をよく調べておくと、大学生になった時に留学が実現しやすくなりますよ。

筆者の場合、志望校を決める際に留学を見据えて必修科目が少ない学部学科を選び、自由時間を留学準備に当てられるようにしていました。

おかげで1年生と2年生の期間で英語の勉強に取り組み、留学資金も十分に稼げました。

さらにレベルの高い海外進学を目指す人はこちらの記事も参考にしてくださいね。

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【理系学部から留学する際のポイント】②休学する

長期留学の場合は、休学して留学するのがおすすめです。

休学するメリットは、留学中は留学先の勉強に集中できることです。

休学しない場合、留学中に日本の大学の単位を取得したり、就活を始めたりする必要があり、留学生活だけに集中できず、日本での大学生活も忙しくなります。

休学する場合、留学中は留学先の勉強に集中し、留学前後で単位を取得したり、就活に取り組んだりと留学生活や日本での大学生活に余裕があります。

筆者は、3年生に進学する前に休学したため、就活を始める前に留学先で自分を見つめる期間を作ることができとても満足しています。

休学をする間は、在籍料として大学に対して半年10万円程度を納める必要があります。

休学することで卒業が遅れるというデメリットはありますが、就活で休学がマイナスに受け取られることはあまりなく、むしろプラスに評価されることが多いですね。

一方、どうしても大学を4年間で卒業したいという方はこちらの記事を参考にしてみてくださいね。

長期留学する場合は休学も視野に入れてみてはどうでしょうか?

【理系学部から留学する際のポイント】③民間のプログラムを利用する

理系学生の留学が難しい理由として、理系学部に設置されている留学制度があまり多くないことを挙げましたが、その場合、民間のプログラムを利用するのも一つの選択肢になります。

大学の制度以外にも民間の留学プログラムをよく調べてみると、留学の選択肢が広がりますよ。

民間の留学プログラムは学校のプログラムに比べて渡航できる国数が多く、インターンボランティアなど語学の勉強以外も経験できるのが大きな特徴です。

インターンというのは、企業で実際に働いて、その企業の働き方を知ったり、場合によっては給与がもらえる場合もあります。

筆者が参加した留学プログラムでは3か月の長期インターンが必須でしたし、さらに授業内でボランティアも体験しました。

また、民間のプログラムの方が奨学金が豊富なこともあります。

しかし民間のプログラムだと大学の授業外での留学になるため、卒業単位として認可されづらいのがデメリットとして挙げられます。

民間の留学プログラムのメリットとデメリットを自分に合わせて考えられると良いですね!

【理系学部から留学する際のポイント】④留学と卒業研究の時期をずらす

理系学生が留学する場合、留学と卒業研究の時期をずらすのが大きなポイントになります。

研究室に入室し卒業研究が始まるのは大体3年生〜4年生なので、1年生〜2年生の間は比較的留学に行きやすいと言えます。

一方、研究室に入室してから留学に行こうとすると、研究を一度中断する必要があるため卒業研究に影響する恐れがあります。

筆者の大学では、3年生から研究室に入室する必要があったので、3年生になる前に留学を終える計画を立てました。

【理系学部から留学するポイント】⑤留学先では文系学部を選ぶ

留学先で勉強についていけるか心配という方は、留学先で文系学部を選んでみてはどうでしょうか?

実は、留学先でも日本と同じ専攻を選ぶ人はあまり多くありません。

筆者は農学部から観光学部でしたし、留学先での友人も工学部から経営学部に留学していました。

筆者も当初は留学先で理系の勉強を続けたいと考えていたのですが、留学先の大学に農学部がなかったため、一番興味のあった観光学部に進むことにしました。

日本で勉強していた内容とは全く異なっていましたが、自分の専攻が二つになるため将来の選択肢が広がるだろうと思って文系学部を選びました。

理系学部から文系学部に留学した結果、それぞれの勉強内容が相互に役立つことはほとんどなかったです。

しかし、文理両方の専攻を持つ学生が珍しいため他の学生や先生にすぐに覚えてもらえたり、留学先で必修だった長期インターンの幅も広がったりなど留学中はメリットを感じることが多かったですね。

特に観光学部のイベントマネジメントの授業では、グループワークやボランティアなど授業自体が現地の大学生と交流する場になるので、イベントマネジメントを専攻して良かったなと思うことが多かったです。

理系学部から留学するメリットデメリット

理系学部から留学するメリット

ここからは筆者自身が感じたメリットデメリットを紹介していきます。

理系学部から文系学部に留学して一番良かったことは、全く異なる授業形式を体験できたことですね。

日本の大学の授業形式は講義を受けて勉強してテストを受けるという流れですが、マレーシアで受けた授業形式は全く違いました。

筆者が取っていた授業では、グループでイベントを企画し、企画内容についての提案書を提出し、さらにプレゼンで企画内容を先生に伝えるという形式でした。

先生の許可が下りたらやっとイベントを実行に移すことができます。

座学よりも実学が重視される授業を経験して、社会に出てすぐに通用する能力が学べたと思います。

実践的な授業は日本の大学、特に理系学部の授業ではあまりなかったため、全く異なる授業形式で学べたのはとても貴重な経験になりました。

理系学部から留学するデメリット

もちろん理系学部から留学する際のデメリットもあります。

筆者が実際に感じたデメリットは、日本の学生生活に必ずしも役立たないことを勉強する必要があることです。

海外の文系学部に留学して、日本の大学で全くやっていなかった簿記を必修授業として受けたことが本当に大変でした。

普段の授業だけでは全く理解できなかったため、テキストを見て復習したり、それでも分からないところはYouTubeで日本語の解説動画を参考にしたりして無事に単位を取得できました。

英語で簿記の授業を受けたため、なんとなく簿記の概念は理解できたものの、専門用語は英語で覚えているし、海外と日本で簿記の形式が少し異なるので、日本の学生生活にはあまり役立たないと思います。

おわりに

理系学部に入ると留学は難しいと思われがちですが、自分なりの工夫と選択で長期留学にもチャレンジすることができます。

大学生になったら絶対に留学すると決めている人でなくても志望大学、志望学部を決める際にどの大学なら留学しやすそうかという視点をもってみてはどうでしょうか?




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