はじめに
受験生の皆さん、併願校は決めていますか?
大学入試は普段と異なる緊張感で試験を受けたり、体調や運次第では残念な結果になってしまうことがあります。
そこで試験慣れや併願先で合格を勝ち取ったという自信を持つためには併願先を決めておくことは重要です。
この記事では併願先の決め方について詳しく解説します。
併願先を迷っているという人や、まだなにも考えていないという人は、ぜひ最後まで読んで併願先を決める参考にしてください。
併願校を選ぶ上で知っておきたい基礎知識
併願校を決めるのは10~11月の時期
併願校は受験勉強に本腰を入れる10月〜11月に、学部・学科も含めて決めておくのが良いでしょう。
実際に出願をするのは12月中旬ごろからですが、センター試験前後はかなり時間的な余裕がないので、まだ時間にゆとりのあるこの時期に、早めに併願校を決めておくことが重要です。
併願の試験形態について
私立大学の試験形態は主にセンター利用入試・個別日程入試・全学部統一入試・推薦入試の4つがあります。
それぞれの特性を十分に理解して、自分にあった入試を選べることが私立大学受験の魅力ですね。
センター利用入試 | センター試験の点数を参考にして合否が決まる入試。わざわざ大学の受験会場まで行って受験せずに済む。 |
個別日程入試 | 学部ごとに異なる試験日程や科目で行われる入試。推薦入試に対して一般入試ともいう。 |
全学部統一入試 | 全学部同じ日程で行われる入試。一回の受験で複数の学部や学科を受験できるところもある。 |
推薦入試 | 上3つの入試よりも受験日程が早い。公募制推薦、自主推薦などがある。 |
併願校の試験日程に注意!
センター利用入試や全学部統一入試、個別日程の学部別入試などによって、試験日程が異なることにも注意しなければなりません。
詳しくは各大学の入試要項をご確認ください。
ちなみに、例えば明治大学文学部の2017年度入試では、推薦入試が11月5日、全学部統一試験が2月5日、学部別の個別日程による一般選抜が2月13日に行われていました。
併願校を決定するステップ
step1:自分にとっての併願校のレベルを把握しよう
自分の学力と大学の難易度を考えて、併願校は安全校・実力相応校・挑戦校の3つに大別されます。
安全校 | 模試では常にA判定が出ている大学。もしセンター試験を受けるのなら、センター利用入試で受験するのがおすすめです。 |
実力相応校 | 主に模試ではB判定が出ている大学。センター利用入試では、受かる確率はさほど高くないので、一般入試で受験することをメインに考えましょう。 |
挑戦校 | 主に模試でC判定以下のものが出ているところを指します。「判定は悪いが、どうしてもそこに行きたい!」という強い気持ちがあるのなら、受験することを考えましょう。 |
自分にとっての安全校・実力相応校・挑戦校を決める時は、河合塾の「栄冠目指して」などの、各大学で要求されるセンター試験での得点率が掲載されている冊子を参考にしましょう。その時に、目安としてセンター模試の偏差値を見て、自分の偏差値-5〜-10のところを安全校、自分の偏差値-5〜±0のところを実力相応校、自分の偏差値±0〜+3のところを挑戦校と設定します。
step2:浪人について考えよう
「浪人はしたくない。でもあの大学になんとしても行きたい……。」こんな葛藤を持つのは受験生の常。
浪人する覚悟はあるかどうかは、併願校を決める上で、非常に重要な要素となります。
保護者の方ともしっかり話し合いましょう。
浪人してでも第一志望の大学に行きたい場合、併願校をなるべく最小限ですむようにします。
安全校・実力相応校を第一志望の大学の試験の練習として受験してみたり、1つはいずれかの大学に合格しておくことで、第一志望の大学の受験の際に精神的に落ち着けるといった戦略が考えられます。
浪人はしたくないという場合は、併願校をなるべく多く、確実に抑えられるように受験します。
安全校はもちろんのこと、自分が行きたいと思う実力相応校・挑戦校を多めに受験して、第一志望の大学に失敗してしまっても、納得して進学先が決められるようにするといった戦略が考えられます。
step3:日程を確認しよう!
step1,2から、併願校として出願する安全校・実力相応校・挑戦校の候補がだいたい決まったら、出願締切日、入試日、入試会場、合格発表日、手続締切日を入試要項などで確認しましょう。
併願校を決める際は、安全校→実力相応校→挑戦校の流れになるよう計画するのが良いでしょう。
いきなり挑戦校を入れてしまうと、試験が難しくて焦ってしまったり、思うように力が出せなくなってしまったりする可能性があります。なるべく始めに安全校を受験し、入試の雰囲気に慣れるべきです。
また、3日以上連続で試験を入れてしまうと、疲れて実力が出せなくなる恐れがあるので、そこも注意が必要です。
手帳・カレンダーなどに大学・学部・入試形態について記入して、自分の受験スケジュールが一目でわかるようにしましょう。
難関大学合格者の併願の例
合格サプリ編集部員の併願例を見てみましょう。(赤文字は現在通っている大学)
国立大学と私立大学を併願する例
第2志望:慶応大学 法学部 (不合格)
国立大学と私立大学を受ける併願例です。
おそらく最も負担のかかる併願例ではないでしょうか。
国立大学のセンター試験と二次試験の勉強をしなければいけない他、私立の勉強もしなければいけません。
ただでさえ国立大学は受験科目が多いので、現役生にはかなりの負担になりそうです。
同じ大学内の、様々な学部を併願する例
第2志望:早稲田大学 教育学部 (合格)
第3志望:早稲田大学 人間科学部 (不合格)
第4志望:上智大学 文学部 (不合格)
第5志望:立命館大学 産業社会学部 (センター利用で合格)
第6志望:明治大学 経営学部 (合格)
国立大学の前期試験は、一つの大学・学部しか受けることが出来ません。
しかし私立大学はいくつでも受けることが出来ます。
竹さんのこの例では、早稲田大学に行きたいという思いから、3つの学部を併願していますね。
また、他にもセンター利用を使って合格を勝ち取っている大学もあります。
様々な大学の、似た学部を併願する例
第2志望:慶応大学 理工学部(合格)
第3志望:早稲田大学 基幹理工学部 (合格)
第4志望:慈恵医科大 医学部 (不合格)
第5志望:東京理科大 理工学部 (合格)
やすさんは工学部系に進みたかったということがこれから分かります。
このように、併願するにしても、大学にただ合格すればいいという訳ではなく、自分の興味分野に沿って何らかの一貫性を持たせている人もいます。
同じ大学で同じ学部の、様々な学科を併願する例
第2志望:早稲田大学 文化構想学部 (合格)
第3志望:早稲田大学 国際教養学部 (合格)
第4志望:上智大学 文学部 新聞学科 (合格)
第5志望:上智大学 文学部 英文学科 (合格)
第6志望:早稲田大学 文学部 (不合格)
mitsukiさんが合格サプリに入ったのは文章を書いたりすることに興味があったからだそうなのですが、大学受験も興味分野で受験していることがわかりますね。
面白いのは、最終的に第2志望だった文化構想学部ではなく、第3志望の国際教養学部を進路に選んでいる点です。
最後まで悩んだ結果、留学に行ける国際教養学部を進路として選んだそうです。
また、上智大学は同じ学部でも学科ごとに試験を受けることが出来ます。
その制度を利用し、mitsukiさんは文学部の中でも二つの学科を受験していますね。
センター利用で併願する例
第2志望:早稲田大学 政治経済学部(センター利用で合格)
第3志望:早稲田大学 法学部 (センター利用で合格)
しばいぬさんの特徴は、併願のほとんどをセンター利用で合格している点です。
センター利用とは、単純にセンター試験の点数だけで合否を決める試験のことです。
そのため、一つ合格すれば、自動的に他の学部でも受かることが出来るのです。
もっとも効率が良い(?)受験の仕方と言えますね。
入試を受けなくて済むため、第1志望校だけの勉強を出来るという点でとても楽ですが、その分センター試験で高得点を取る必要があります。
わざわざ併願しなくてもいいような成績なのに併願してくる例
第2志望:慶応大学 理工学部(合格)
第3志望:早稲田大学 先進理工学部 (合格)
第4志望:東京理科大 理工学部 (合格)
第5志望:防衛医科大学 医学部 (合格)
何といとぅさんは5つも大学を受験しておきながら、不合格を経験しなかったというかなり珍しいタイプでした。
第一志望に絶対受かるだろ!っていう成績の人でも、併願してきます。
全受験生の敵といっても過言ではないでしょう。(笑)
(ちなみに防衛医科大学は試験日程が秋頃なので、医学部志望でない受験生でも力試しに受けるという人が一定数います)
どれだけ実力があっても、体調や運の要素で一つくらいは残念な結果になるのが普通です。
事実僕は併願校に落とされてしまいましたし・・・。(僕の場合はただ実力不足だったからですが)
逆にいうと、受験生の皆さんは、併願している学校に落ちたからといって落ち込まないように!
おわりに
いかがでしたか。
今回紹介した人たちは併願数もかなり多かったですが、実際は3~4校程度の受験が多いと思います。
また、10人のうち1人程度は、併願せず、第1志望校のみを受験する人もいます。
どちらがいいのかは人によって違うでしょうから「これだ」という回答はありませんが、是非自分に合った併願プランを練り上げて下さい。