はじめに
日本で唯一の女子医科大学である東京女子医科大学。
この記事では、女子医大ならではの魅力と、入手しにくい試験対策を解説していきます。
【在学生に聞いた!】東京女子医科大学の魅力
【東京女子医科大学の魅力】①立地の良い環境で女子校ならではの教育を受けられる
東京女子医科大学は近年校舎や病棟が新しくなり、立地や施設面で学びやすい環境が整っているのが魅力です。
さらに校舎が新宿にあり、周辺には飲食店が多いので、授業の空きコマに学外に出てランチを楽しむことができるのはよいですよね。
4年生までは授業や実験が一つの校舎で完結するので授業ごとの移動距離が少なくて済むのも魅力の一つです。
また、東京女子医科大学は女子校であるので女性ならではの視点で医学を学ぶことができます。
解剖実習での力仕事など、他大学では男子が担当することが多いですが、その作業も経験することができます。
出産などの女性特有のイベントを踏まえたキャリア形成をサポートする教育体制が整っているのは魅力的ですね。
他の大学とは異なり、東京女子医科大学は女性の教授が多く、ロールモデルが身近にいることで、学生は自身の将来像を描きやすいようです。
【東京女子医科大学の魅力】②早稲田大学と授業・研究で協力している
東京女子医科大学は、同じく新宿にキャンパスがある早稲田大学と、授業、教育面で連携しています。
東京女子医科大学の学生は、早稲田大学のオープン科目(大学が提携している他大学の生徒に公開している授業科目)を受講することができ、幅広い教養を身につけることができます。
東京女子医科大学のキャンパス内には、早稲田大学との共同研究施設であるTWINSと呼ばれる建物があります。
TWINSでは、生命科学の基礎研究や、医療工学の研究が盛んに行われています。
一部のフロアでは、実験室間が壁で仕切られていないオープンラボの形式をとっており、研究者や学生同士の交流が盛んに行われています。
学部生でも希望すれば早稲田大学との共同研究施設TWINSに出入りし、早期から医学研究を行うことができるのも東京女子医科大学の魅力の一つです。
【東京女子医科大学の魅力】③低学年の内から医学研究をするチャンスがある
東京女子医科大学では、3年次後期に研究プロジェクトが設けられており、学生は臨床、基礎研究それぞれ自分の興味のある分野への医学研究のアプローチを学びます。
三週間に渡り行われる研究プロジェクト中は、通常の授業が一切行われないため集中して研究を行うことができます。
研究活動は、3年次後期より早く始められたり、より深化させて行なったりすることができ、本人の努力次第では、研究結果を論文にまとめることも可能です。
多くの大学では基礎医学の研究が目立ちますが、女子医大では臨床医学の研究も盛んに行われています。
研究プロジェクトの配属先は50以上ある豊富な研究部署の中から選択することができるため、自分の興味のある分野を選択しやすいです。
【東京女子医科大学の魅力】④担任制度や小グループでの活動で濃い経験を積める
東京女子医科大学では、最初の3年とそのあとの3年間をそれぞれ基礎医学と臨床の教員が学生の担任を努めます。
生徒を長い間指導するので、個人の性格に即したきめ細やかな指導をしてもらうことができます。
授業や実習を担当する先生の中には、様々な医療分野の第一人者の方や、医療行為を行う際の基準である、ガイドラインを執筆するような著名な先生方がおり、名医とはどのようなものなのかを、身をもって知ることができます。
また、授業では6~8人での小グループでの活動が盛んに行われています。
小グループでは、課題文が与えられ、学生が議論を通して、問題点を見つけ自己学習をすることによって、問題の解決を図る活動を主に行っています。
インプット中心の通常の授業に加えて、このようなアウトプット中心の授業があるので、知識の定着がよくなりますよね。
加えて、課題解決へのアプローチを実践することによって、将来医師に必要なスキルである臨床推論力を身につけることができます。
実習面では、低学年のうちから、外来付き添い実習や病棟看護実習・手術見学など、臨床医学に触れる機会が設けられており、医学を学ぶ自覚を養うことができます。
高学年になっておこなわれる臨床実習では、多くの関連病院や附属病院で実習を行うので実践的な知識や貴重な経験をすることができます。
大学病院では、学生のうちから心臓や、腎臓などの臓器移植の現場を見学できます。
心臓移植をできる施設は日本で11箇所のみなので、移植手術を見学できるのはとても貴重な機会です。
例えば、夏休みを利用して東京から離れた地域の診療所へ研修に参加する機会があり、そこでは、他大学との交流を行うことができますよ。
東京女子医科大学の一般入試の試験対策
東京女子医科大学の一般入試:学科試験
東京女子医科大学の一次試験では数学、英語、理科2科目、適性検査、小論文が出題されます。さほど難しい問題は出題されていません。
一次試験に合格するための倍率は、例年2〜4倍で、問題の得点率としては50〜60%をとる必要があります。
学科試験の試験時間はそれぞれ60分で、配点は各教科100点の均一配点です。
小論文と適性検査の配点は公開されていません。
英語は読解問題が中心で、分量が多いので、スピード感を持ってとり組むことが重要です。
どの科目も問題数が多くないので途中点が大きいと予想されます。
そのため、最後まで諦めずに解くことが大切です。
女子医を受験する人のほとんどは他大学の医学部を併願しているので、そちらの対策をしていれば試験問題に十分に対処することができるでしょう。
東京女子医科大学の一般入試:適性検査と小論文
東京女子医科大学の一般入試で適性検査と小論文の対策はしておくべきです。
小論文は受験生の身近なテーマに関して自分の考えを述べる形式をとっています。
例えば、骨髄移植のドナー登録をしようとしている兄の行動に対する意見を書く形式が2021年度に出題されました。
また、適性検査は170問程度出題され、性格診断の問題やイラストを時系列順に並び替える問題などが出題されます。
問題数が多く、小論文とまとめて解答するので、ペース良く回答して小論文を書く時間を確保することが求められます。
適性検査の対策としては、SPI無料学習サイトなどを活用し、実際の問題に触れておくことが大切です。
SPI無料学習サイトの解説などでもよく言われることですが、「どちらかといえば当てはまる」などの曖昧な回答は、優柔不断と捉えられるため避けるべきです。
東京女子医科大学の一般入試:二次試験の個人面接試験
東京女子医科大学の一般入試の二次試験は10分程度の個人面接試験が課されます。
面接官は三人ほどで、面接内容は医師志望理由はもちろんのこと、女子校にちなんだ質問をされます。
例えば、
「結婚し子供を持つことと医師を続けることのどちらかしか選べないのならどちらを選ぶか」
「女子医大が女性を支えるために行なっている取り組みを知っているか」
「女性医師と医師不足の関係についてどう考えているか」
などの問題が出題されています。
また、状況や絵を見て吹き出しにコメントを入れる形式の問題も出題されています。
質問例としては、
「ケーキ屋に行ったらちょうどケーキが売り切れていた。あなたは店員になんと言葉を返すか。」
「コンサートで、前の人の帽子が邪魔でライブに集中できない。あなたはどうするか。」
などの出題がされ、自分で条件設定や場合分けをし、多角的なものの見方を求められます。
東京女子医科大学の推薦入試
東京女子医科大学の推薦入試の試験内容は面接試験、小論文、集団討論、適性検査の4種類です。
面接試験は一般面接と変わらず、医学部の志望動機や、女子校を選択したことについて質問されます。
アドミッションポリシーやチュートリアル教育など、大学を理解しているかどうかも聞かれるので、事前によく調べておくことが大切です。
集団討論は、一枚のテーマが書かれた紙を渡されてそれに関して6人のグループで議論する形式がとられています。
リーダーや書記などに立候補するのは良いことですが、自己主張が強すぎるとかえって悪い印象を与えてしまいかねないので注意しましょう。
小論文は800字を40分以内で書き上げることを求められます。
時間制限がとても厳しいので、過去問の演習を通して時間以内に書き上げられるようにしておきたいです。
適性検査は、濃度計算などの簡単な算数の問題や文章題が50問程度出題されます。
SPI学習サイトに加えて、一般入試の過去問にも目を通しておくと良いでしょう。
おわりに
東京女子医科大学の魅力を発見できましたか?
女子医の受験に興味が出た方は、この記事や赤本を参考に、試験対策を頑張ってください。