はじめに
理系学生というと、
「研究ばかりしていて遊ぶ時間がなさそう」
「バイトをする暇はあるの?」
など、 忙しそうというイメージを持つ人が多いと思います。
では、実際はどうなのでしょうか?
今回は、京都大学と大阪大学の学生に、4年間の大学生活の様子について聞いてみました。
どこを探しても載っていない、理系大学生のリアルな情報をお届けします!
理系大学生の生活を徹底調査!(忙しさや勉強内容など)
京都大学 農学部 Yくん(一人暮らし)
1回生はどのように過ごされましたか?
とにかく自由な時間の多さにびっくり!
高校時代の想像を超えました。(笑)
その結果、時間をうまく使いきれずダラダラすることが多かったです。
理系の学生は、1、2回生が比較的楽で、3、4回生は研究に多くの時間を割かれます。なので1回生の頃は週に4日くらい、バイトをしていました。
理系とはいえど自由な時間は多かったのですね、2回生はどうでしたか?
「ほぼフリーター」な生活でした(笑)
理由は、授業数自体が週4コマ程度だったことが1番大きかったです。
(それすらほとんど行ってなかったですが)
学生団体でチャリティー活動。テニスサークルでは幹部として運営。アルバイトでは大好きな服に囲まれて。
「学校外ではこんなに楽しいコトが山ほどあるのかー!」
と、外の世界に夢中でした。
一見遊んでばっかりのようですが、実は主体的に考え行動することが多かった日々。
「どうすればサークルに多くの人が参加してくれるか、各自が楽しめるか」を念頭に、「今の問題点を分析」→「対策を考え、実行」と毎日奮闘していました。勉強とはまた違う意味で、頭も体も全力で使っていました。
遊びの中にも頭を使う機会は多いですよね。さすがに3回生からは忙しくなったのではないでしょうか?
週5日実験なので、アルバイトやサークルに行く時間は大幅に減りましたね。
それでも週2日くらいで鍋パなどをして遊び、レポート提出前は徹夜をしていました。(笑)
実験についてもう少し言うと、広く浅く、学科内のほとんどの分野を網羅しました。
ここでの経験から、自分が興味のある分野を見つけ出すという感じです。
具体的には、糖類の有機化学合成・唾液酵素の反応速度測定・ネズミの解剖・食品の粘度測定などを行いました。
合成..解剖..粘度..なるほど。4回生になるとどうなりましたか?
とにかく、研究室にどっぷりです。
更に2回生でサボりすぎたツケで、単位を取るのにも必死でした。(笑)
研究室では、各自研究テーマをきめて、毎日それに関するデータを集めます。
僕の場合は「柑橘類に含まれる、がん予防成分」について調べています。
3回生の実験と1番違うのは、実験プロセスを自分で決められるという点。
証明に必要なデータを考え、それを導き出すプロセスを仮定して、実行していく。
これを全て自分で決められるという点に、単なる単純作業と違うやりがいを強く感じます。
4年生になると大学生活充実してきますね。休日はどうでしたか?
「昼はサークルのイベントでBBQやボーリングなどで、夜は飲み会」もしくは「1日中バイト」という生活が基本ですね。
思いっきり遊ぶor稼ぐって感じです!
ただし4回生からは、実験の都合によって土日も研究室に行きます。
(うちの研究室では、基本的には土日は休みです)
研究室によってルールが違い、土曜日も1日中研究なんてところも多いです。
土日も研究するところもあるのですね!最後に一言お願いします!
遊びすぎた時期(2回生)もあり、決して自慢できるような大学生活ではありません。
ただ、その時期の経験は、今の自分の価値観を発見・形成する上で必要不可欠であったと感じます。
何故なら「夢中」になって、打ち込んでいたから。
僕の場合はテニスサークルの運営にとことん打ち込みましたね。
やらされていた勉強から解放され、「自分は何をしているときに楽しいか」を考えたりもした。僕にとっては貴重な時間でした。
大学生活は自由な反面、本気になれることを見つけることがとても重要だと感じます。
皆さんも大学生になったら、「夢中」になれることを、探してくださいね。
大阪大学 基礎工学部 Oくん(実家から通い)
1回生はどのように過ごされましたか?忙しかったでしょうか?
授業も多く、ほとんど毎日1〜4限まであってバイトをする時間はあまりなかったのですが、大学生になると飲み会やら旅行やらサークルのイベント(クリパや学祭、合宿等)で、何かとお金がいるので、バイトはしっかりやっていました。
ただ、稼いだ傍から使っていくので、あまり貯蓄はできなかったです。
授業も1限始まりだったので22時、23時には家に帰れるようなバイトを選んだりと、授業と両立していました。
何をやっても新しいことだらけで色々なことがしたくて、様々な種類のバイトをしました。
大学生活には何かとお金がかかりますよね。2回生はどのように過ごされましたか?
サークルの運営が代変わりして、サークル中心の生活でした。
毎朝新歓のビラ配りがあったり、サークルの練習メニューを仕切ったり、イベントの出し物をみんなで相談して考えたりとかして、サークルの同期とはほぼ毎日顔をあわせたりしていました。
この時期は考えるということが多かったです。
特に「人に楽しんでもらうために自分は何ができるのか」ということが難しかったです。
さらに幹部に選ばれ、サークルのテニスを引っ張っていく立場になったので、少しでもうまくなるために授業をさぼって、テニスの練習ばかりしていました。
そのせいで単位を落とすこともしばしばありました(汗)
この頃から授業のサボり癖もついていきましたね。でも、バイトもしっかりしていました。
空いている時間っていうのはほとんどなかった気がするくらい充実していました。
2年生がサークル運営の中心になることが多いですからね。3回生も同様に充実されていましたか?
3回生になると実験だらけの毎日です。
安易に化学系を選択したことを少し後悔したりもしましたが、上手くいけば実験は意外と楽しかったです。
ただ、レポートがしんどい。実験には予習が必要なので、毎日机に向って勉強するということを習慣づけられました。
それでもサークルの幹部の仕事も夏までは残っていたので、サークルにはずっと行っていましたね。
そして、夏の大会で勝つためにテニスの練習もずっとしていました。もちろん授業を抜け出してです。(笑)
忙しい中で学業と遊びを両立させたのですね、4回生はどうでしたか?
4回生になって研究室に配属されてからも実験づけの毎日です。
もちろん土曜もあります。そして朝から晩までです。
日々行っている実験は化合物を合成して、それを使ってまた新しいものを作ろうという感じです。
実験方法も3回生の時のように用意されているものでなく、自分で論文を調べてそれをもとに考えています。
失敗したら方法を変えて、何とかしてほしいものを作ろうというスタイルです。
一応ですが、これも世界最先端の研究の初歩で、ゆくゆくは化学雑誌に論文を載せれるようにがんばっていきたいなぁと思っています。
ただ、今まであまり勉強していなかったつけがまわってきて覚えることがたくさんあるため、理解できないことが多くて苦労しています。
休日はどのように過ごされていましたか?
サークルの人とテニスしたり、バイトしたり、車でどこか遊びにいったり、小旅行いったりとか基本的にたっぷり遊んでました。
バイトは遊ぶためのお金を稼ぐために必要最小限くらいしかしてなかった時期もあります。
高校の時との一番の違いは車があるかないかですね。
車を運転するようになって、色々な地域に行きました。見知らぬ場所に行く楽しみがありましたね。
4回生になってからは日曜日が唯一の息抜きの日になったので、しっかり遊んでリフレッシュして来週に備えます。
休日はやっぱり遊びメインになりますね。
最後に一言お願いします!
振り返ってみて思うことは、もう少し色々な事に手を出しておけばよかったなと思うことです。
僕の場合はサークル活動中心の生活でした。
もちろん、サークル活動を通して得られた経験や同期、そして先輩後輩はかけがえのないもので、僕自身色々なものを吸収できました。
それでも、他の事に手を出していればまた違った満足感があるんだろうなと思います。
一つのことに夢中になるのもいいですが、現状に満足せずにもっと色々な楽しみを探すのも大事だと思います。
大学生活は長いようで短いので楽しみ方も自分次第です。
たくさんの人がいて様々な選択肢があると思うので、みなさん自分の選択を大切にして下さい。
おわりに
理系大学生のリアルに迫った二人のインタビューはいかがだったですか?
理系とは言え、おふたりともバイトをしたり、サークル活動を楽しむ余裕はあったようですね。
また、学年が上がるにつれて研究もより専門的になって、やりがいがあることがわかりますね。
この中で、理系を志される皆さんも、勉強と遊びが両立した大学生になれると良いですね。