【3分で分かる!】関数の増減と増減表の書き方をわかりやすく

はじめに

今回は関数の増減表の書き方について解説します!

増減表は、関数のグラフを描くときや方程式をグラフを使って解くときなど、様々な場面で必要になります。

最後には理解を深めるための練習問題も用意しました。

微分・積分はセンターでも必ず出題される分野ですが、苦手な人も多いです。

ぜひ最後まで読んで増減表をマスターしましょう!

増減表とは

増減表とは、関数の値がどのように変化するかを表したものです。

たとえば、\(f(x)=x^3-3x\)の場合、増減表は、


です。

実際、グラフは
増減表
このようになっているので、増減表の通りに関数が増えたり減ったりしていることが分かります。

この表に出てくる\(x=1,-1\)は、\(f'(x)\)の符号が正から負、負から正に変わる点で、このときの\(f(x)\)を極値といいます。

極値はグラフの山の頂上か谷底となり、山の頂上になる極値を極大値、谷底となる極値を極小値といいます。

\(f'(x)\)が連続な時、実用的には\(f'(x)=0\)となる点を求めれば極値を求めることができます。
ちょうど\(f'(x)\)の符号が変わる点では\(f'(x)=0\)となるはずですからね。

また、\(f(x)\)は
\(f'(x)\gt 0\)の部分では増加し、
\(f'(x)\lt 0\)の部分では減少します。

増減表の書き方

それでは増減表の書き方を詳しく説明していきます。上で紹介した\(f(x)=x^3-3x\)の場合を例に解説しますが、書き方は二次関数でも三次関数でも三角関数でも同じです。

【増減表の書き方STEP1】\(f'(x)\)を求める

まずは\(f(x)\)を微分します。

例に出した\(f(x)=x^3-3x\)の場合、微分すると\[f'(x)=3x^2-3\]となります。

導関数の求め方について知りたい方は以下の記事をご覧ください。

【3分で分かる!】微分の計算のやり方・導関数の意味と求め方をわかりやすく

2021.10.27

【増減表の書き方STEP2】\(f'(x)\)の符号の変化を調べる

STEP1で求めた\(f'(x)\)の符号の変化を調べます。

\(f'(x)=3x^2-3=3(x+1)(x-1)\)

\(f'(x)\)は\(x=-1\)と\(x=1\)で\(x\)軸と交わる下に凸の放物線なので、

\(x\lt -1\)、\(1\lt x\)では\(f'(x)\gt 0\)
\(x=-1\)と\(x=1\)では\(f'(x)=0\)
\(-1\lt x\lt 1\)では\(f'(x)\lt 0\)

となります。

【増減表の書き方STEP3】増減表の枠組みを作る

まずは縦に3マス書き、上から順に「\(x\)」「\(f'(x)\)」「\(f(x)\)」と書き入れます。

次に一番上の行を左から順に、以下の順で書きます。

①・・・
②\(f'(x)=0\)となる\(x\)で最も小さいもの
③・・・
④\(f'(x)=0\)となる\(x\)で二番目に小さいもの
⑤・・・
(以下、解の個数だけ繰り返し)

今回の\(f(x)=x^3-3x\)の場合、次のようになります。

[\(x\)の定義域に制限がある場合]
たとえば\(0≦x≦2\)のように、定義域に制限がある場合は、増減表の両端は定義域の両端になります。

増減表の一番上の行は左から順に、

①定義域の下限値 ※なければ不要
②・・・
③\(f'(x)=0\)となる\(x\)で定義域内にあって一番小さいもの
④・・・
⑤\(f'(x)=0\)となる\(x\)で定義域内にあって二番目に小さいもの
⑥・・・
(以下繰り返し)
○・・・
○定義域の上限値 ※なければ不要

たとえば今回の\(f(x)=x^3-3x\)にもし定義域が\(0≦x≦2\)と設定されていたら、このようになります。

【増減表の書き方STEP4】増減表の枠を埋めていく

まずは\(f'(x)\)の段から埋めていきましょう。

STEP2で求めた通り、\(f'(x)\)の符号は

\(x\lt -1\)、\(1\lt x\)では\(f'(x)\gt 0\)
\(x=-1\)と\(x=1\)では\(f'(x)=0\)
\(-1\lt x\lt 1\)では\(f'(x)\lt 0\)

になります。これを書き込むと、

次に\(f(x)\)の行をうめます。

\(x\)が具体的な値のときは、対応する\(f(x)\)の値も求めます。

ここでは、
\(x=-1\)のとき\(f(x)=2\)
\(x=1\)のとき\(f(x)=-2\)
ですね。

次に、
\(f'(x)\)が正の部分には増加を表す\(\nearrow\)(右上矢印)
\(f'(x)\)が負の部分には減少を表す\(\searrow\)(右下矢印)
を書き入れてください。

これで増減表の完成です!簡単でしょう?

増減表の練習問題

それでは問題を解いて増減表を書く練習をしましょう。

問題1

\(f(x)=x^2-2x\)の増減表を作りなさい

問題1の解答・解説

STEP1:微分すると\(f'(x)=2x-2\)です。

STEP2:\(f'(x)=2x-2=2(x-1)\)は\(x=1\)の前後で符号が負から正に変わります。

表をうめていけば、以下のような増減表ができます。

次は定義域に制限がある場合も練習しましょう。

問題2

\(f(x)=x^2-2x\)(\(0≦x≦1\))の増減表を作りなさい

問題2の解答・解説

STEP2までは問題1と同じです。

定義域を考えると、増減表は以下のようになります。

定義域の下限値の部分の\(f'(x)\)は、右隣の欄と同じくマイナスなので記入しません。

増減表作りは関数の問題を解く基礎の基礎!

いかがでしたか?

導関数が求まれば増減表の書き方はそれほど難しくないので、ぜひ練習して使いこなせるようにしてくださいね。




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