はじめに
受験生の多くが苦手とし、放置してしまいがちな古典。
しかし、他の教科との兼ね合いもあって、古典なんかに多くの時間をかけられない…
でも、実はそんな古典、特に漢文には時間をかけずに無駄ななく効率を良く勉強できる方法が存在するのです!
今回は、そんな漢文の最強の勉強法を学年順に紹介して行こうと思います!
自分の学年に合った学習方法を参照してくださいね。
目次
最強の漢文学習法:1、2年生
漢文学習法:1年
高校に入って、初めて本格的に勉強を始める漢文。
何から手をつけてよいかわからない…という人も多いのではないでしょうか?
まず、1年生における漢文は「基礎的な知識を押さえ、漢文が読める土台を作る」といった位置付けです。
なので、初めから読めないと「授業についていけない」とか「テストでいい点が取れない」という訳ではないのです。
初めは誰しもが漢文なんて雰囲気でしか読めません。母語じゃないのですからね。
授業でも、返り点に始まり、使役や反語などの文法事項や漢文における重要人物などを学習していくと思います。
全てこれらは、漢文を実際に読むということの準備体操をしているのです。
では、何を勉強すればよいのでしょうか?
基本的には、学校でやっている文法事項を復習すればよいです。
予習などをする必要はありません。
勉強時間自体も、授業があったその日の夜に30分ほど、ノートを見直すくらいでよいと思います。
しかし、この復習さえも怠ってしまうと、後々かなり苦しむことになりますので、最低限授業の復習はやりましょう。
文法を一通りやり終えると、授業でも少しずつ漢文の文章を読んでいくと思います。
一番初めに扱う文章は、今も使われる「漁夫の利」という言葉の元ネタなどの超有名な文章が多く、読みやすいものを選んでくれているはずです。
ここでの漢文の勉強は、「これまでに習った文法が実際の文章にどのように使われてるか」を確認することだと思います。
「ここの表現は、あのとき習ったものだ!」と思ったら、すぐにノートに書き込んでおきましょう。
復習するときにとても役立ちますよ。(ノートの取り方については、のちに説明します。)
漢文学習法:2年
2年生になると、ある程度の文章ならば一人で読めるようになり、入試レベルの文章は授業の中で理解できることが目標です。
勉強時間は、学校の復習と1週間に1、2時間の演習時間を確保できれば良いと思います。
ある程度、自分なりの勉強法が確立している時期だと思いますが、少しだけアドバイスをしておきます。
まず、1年のときに学習した知識が抜けていないかどうかを確認してみてください。
さすがに、テキストに戻って全部復習とは行かないと思うので、文章を読んでいく中で、忘れていたというようなものだけに絞ってテキストに戻って確認するのがオススメです。
そして、とにかくたくさんの文章に触れるようにしてください。
そのときに「筆者が最も言いたいことは何か?」や「それを読者に伝えるために筆者がどのような方法を使っているのか?」に注目して読むと入試対策になります。
最後に1、2年生の漢文の勉強についてまとめておきます。
漢文の勉強法:テスト勉強編
最後に、テストの勉強法です。1、2年生共通するので、まとめて解説します。
高校生は、漢文というか国語のテスト勉強の仕方がわからないという人が多いです。
基本的に、「テスト範囲になっている文章のノートを見直す」というのがメインの勉強です。
しかし、「面倒」とか「眠くなる」、「勉強した気になれない」など様々な意見がこのやり方には寄せられます。
では、どうするか?
「テスト範囲になっている文章を、もう一回ヒントなしで読んでみる」という方法で解決できます。
それで、読めれば問題なし、読めなければ十分でないという判定を自分に下すことができます。
また、読むことができれば「初見ではまったく読めなかった文章が、読めるようになっている」という自信にも繋がりますね。
読むことができなければ、ノートに書いている内容や訳をもう一度確認して、数日後やテスト直前に再度確認してみましょう。
とにかくテストまでに、「自分で文章を理解し、読めるようになってある」ことが大切です。
目安ですが、テスト2週間前に一回、1週間前に1回、テスト前日に1回やれば完璧でしょう。
テスト勉強は、教科書の脇にノートを置いて、適宜ノートを見ながら本文を覚える勢いで内容理解をしていきましょう。
本文の内容を覚えてしまっても、まったく問題はありません。
なぜなら、新しい文章をこれから読むときに「ここの構文は、あの時やったやつと同じだ!」ということが起こりやすくなり、別の文章の内容もすっと入ってきやすくなります。
その場限りの暗記でない限り、文章を覚えてしまうのは大いに良いことです。
学校のテストは授業メインなので、教科書とノートで十分です。
また、模試に対しては対策の必要性はありません。
受けた後に復習を徹底するようにすれば良いです。
最強の漢文学習法:3年生
3年生の漢文の学習は、授業の復習というよりは、問題演習を自分のペースでやっていくことが必要です。
最終的に、センター過去問は20年分解ければ良いと思います。
正直高3になると、漢文にかけている時間はあまりありません。
なので、2年生までに漢文があらかた読めるようになっておく必要があります。
もし、3年生になっても基本が完成していないならば、最優先で基礎に戻りましょう。
基礎がしっかりしていない状態で、問題演習をしても大して力が付かず、共通テストには対応できません。
基礎は大丈夫という人は、早速センター・共通テストの漢文を解きましょう。
3年生の一学期までは、共通テスト漢文単体で15分以内で解きましょう。
二学期以降は、古文と合わせて30分、最後は現代文も合わせて80分で解きましょう。
なぜ分けているのかというと、二学期以降は時間配分にも注意しながら解く練習をするべきだからです。
逆に一学期は時間配分を気にせずにじっくり解きましょう。
共通テスト漢文は最終的に10分以内に解けるようになると理想です(もちろん満点狙いです)。
二次試験がある人は、二学期以降は志望校の過去問も同時並行で解くとgoodです。
ただし、何度も言うようですが漢文にあまり時間をかけられません。
問題演習の中で、最大限吸収するようにしましょう。
最強の漢文:ノートの取り方編
漢文の学習は、ノートが大きな鍵を握っています。
どのようなノートを取れば良いのかを、私の高校時代のノートを使って紹介していきます。
(字が汚いのは、ご容赦ください汗)
二種類のノートの取り方を紹介します。
漢文の文法(句形)のノート
ノートをまとめるポイントを挙げていきます。
- 句形はその意味だけでなく、どのように使うのかを書く。
- 構造が似ているものは対比して書く。
- その句形の使われている有名なフレーズを残す。
- その時代特有の意味を持つ漢字は、特に強調して書く。
- 同じ句形で使われる漢字は、全部書いておく。
- 1つの言葉に複数意味のあるものは、そのとき使われたものでない別の意味も書いておく。
そして、実際のノートがこちらになります。
(字が汚くて大変申し訳ないです…雰囲気だけ味わってください汗)
実際のノートの中でこれらのポイントが意識されている所に番号を振っています。
改善の余地がありまくりのノートですが、一応参考までに載せておきました。
自分のノートで足りなかったと思う部分があったら、取り入れてみてくださいね。
漢文の文章のノート
次に漢文の文章をどのようにノートにとっていくかを説明していきます。
こちらもまとめるポイントを挙げていきます。
- 有名な思想家が出てきたら、字(あざな)やどの時代にどんな思想を持っていた人かまとめておく。
- 対比はしっかりと押さえる。
- その文脈でしか持たない意味は、しっかりと明示しておく。
少しポイントが少ないので、補足しておきます。
漢文といっても、漢文と漢詩に大きく分かれると思います。
普通の物語の漢文などでは、日本語訳がいかにできるか、何が起きているかをきちんと把握できているかが重要です。
しかし、漢詩の場合は文章の日本語訳は、あまり重要ではありません。
そもそも普通に漢詩を読んでも理解することはできません。
漢詩は字数に制約がある関係上、1文字1文字に多くの意味を含意させています。
したがって、字面の意味だけでなく、その裏に隠された真の意味をつかむことで理解が進みます。
普通の漢文をノートに取る際は、日本語訳をがっつりしていけば良いです。
しかし、漢詩は1文字1文字の意味を対比や筆者の思想などの知識を使って理解できるようなノートにしてください。
例として、漢詩「春望」のノートをお見せしたいと思います。
(何度もいいますが、雰囲気だけ味わってください…)
こちらも何かヒントになることがありましたら、参考にしてくださいね。
おわりに
いかがでしたか?
漢文は、やらなくても点数が取れる教科ではありません。
漢文は、1年の段階から少しずつ力をつけていく教科です。
研究者にならない限り、入試でしか使わない漢文ですが、入試の合否に地味に効いてくる教科です。
もし、他人よりも一歩遅れてしまっているならば、急いで基礎に戻って確認をしましょう。
漢文はやれば点数が取れる教科です。
入試本番までに、しっかりと、効率よく対策をしていきましょう!