はじめに
この記事では、3分で古文で得点UPを目指すためのコツを学ぶことができます。
問題読解に必要なポイントを三つ紹介するので、是非読んでいってください!
目次
読解に必要なポイント①主語を把握する
主語を正確に理解することは文全体の意味を把握するうえで極めて重要です。
古文では主語が省略されることが多いため、主語を推測するためのコツを2つ紹介します。
主語を推測するコツ①助詞から見分ける
主語が変わる可能性がある助詞「を」「に」「ば」「ども」「が」「とも」の6つを暗記しましょう!
『鬼婆どもが共に』と覚えてください。
ただし、これらの助詞が使われたからといって必ず変わるわけではないので注意してください。
文脈からの判断が大切になります。
(例文)
「風の吹くを、ただ音のみ聞こえたり。」
→主語が「風」から「人物」へ
「月の光を見つけども、袖に涙落つるばかりなり。」
→主語が「月の光」から「涙を流す人物」へ
「僧が経を唱ふとも、耳をふさぎて逃げ去りぬ。」
→主語が「僧」から「経から逃れようとする人物」へ
主語を推測するコツ②敬語表現から見分ける
尊敬語・謙譲語・丁寧語の特徴から、動作がどの方向に向かっているかを考えるのがポイントです。
尊敬語:動作の主体が高い地位の人物(主語)
謙譲語:動作の対象が高い地位の人物(目的語)
丁寧語:話し手が聞き手に対して丁寧に表現している場合
(例文)
「仰せらるること、まことにありがたきことなり。」
*「おっしゃることは、まことにありがたいことです。」
「仰せらるる」は尊敬語なので、主語は高い地位の人物となります。
前後の文に登場する人物のうち「殿」や「帝」などの位の高い人物が主語にふさわしいでしょう。
「仰せのままに仕え奉りぬ。」
*「おっしゃる通りにお仕え申し上げました。」
「仰せ」は高位の人物の命令を指すため、前後の文に登場する「殿」「帝」「貴人」などの身分の高い人物が主語になると推測することができます。
「奉りぬ」は謙譲語のため、行動をしたのが『話し手』または『その従者』であることが推測できますね。
読解に必要なポイント②和歌の読解
和歌は物語や文章の中でその核心部分を伝える役割を果たしていることが多いです。
和歌を正確に理解することで、文章全体のテーマや登場人物の心情、さらには場面の背景を深く読み解くことができます。
以下では、和歌を理解するためのコツを2つ紹介していきます。
和歌理解のコツ①形式(5・7・5・7・7)の分解
和歌の上の句と下の句の間には、論理的な関係や情緒的な飛躍があります。
上の句と下の句のつながりを意識することで、和歌の全体像をつかみやすくなるのです。
(例)
【上の句と下の句で反実仮想をつくるもの】
逢ふことの 絶えてしなくば なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし
*「会うことが全くなくなってしまうくらいなら、中途半端に会ってしまって、人をも自分をも恨むことにならない方がよかったのに。」
上の句で「逢うことがまったくなければ」という仮定を述べた後、下の句で「こんなに苦しい思いをして人を恨んだり、自分を責めたりすることもなかっただろう」と仮定に対する予想を述べています。
【上の句と下の句が対比関係にあるもの】
春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ
*「春の夜の夢のように儚い手枕のことで、無意味に広まる評判が惜しまれる。」
この歌では、上の句で述べられる春の夜の儚く短い夢と、下の句で述べられる恋愛によって生じる名誉の喪失が対比されています。
「春の夜の夢」は短く、実体のないものとして描かれ、それに対し「かひなく立たむ名(価値を失う評判)」は、夢のような儚い行為の代償として現実に起こりうるものとして歌われています。
和歌理解のコツ②修辞の理解
和歌では、掛詞・縁語・序詞・比喩といった修辞法が多用されます。
和歌が伝えようとしている内容を誤解しないためにも大切な要素です。
ただし、読解に和歌独特の象徴性や感覚的な表現が直接的な意味理解に結びつかない場合もあるので注意してくださいね。
掛詞:一つの言葉が複数の意味を持つ。
掛詞によって多義的な解釈が可能になり、和歌の隠された意図や情趣を引き出すことができます。
例:君待つと 我が恋ふる間に 我が宿の すだれ動かし 秋の風吹く
「待つ」と「松(木)」が掛けられています。
縁語:一連の関連語を用いて情景を描写する。
特定の語に関連する言葉が用いられることで、和歌全体のテーマや情景が補完されるため文脈を深く理解できます。
例:渚こぐ あまの小舟の 綱手かけ 絶えなば絶えね ながらへばまた
恋の続けるか終えるかの葛藤が「綱」「絶える」などの縁語で表現しているのです。
序詞:特定の言葉を導き出すための前置き。
問題として「この序詞が導いている部分はどこか」と問われることがあるので頻出するものは覚えておきましょう!
例:白露の消えなば消えぬ秋の風
「白露の」で「消えなば消えぬ」を導き出しています。
「白露」が儚さを暗示しており、命の短さを表現しているのです。
読解に必要なポイント③係り結び
文の論理構造や強調部分を明らかにし、文意を正確に把握するための手がかりとなります。
まずは係助詞と結びの形をセットで覚えましょう!
ここでは、読解に活かせる係り結びを利用して読解する際のポイントを4つご紹介します。
ポイント①強調されている部分に注目し、文全体の意味をつかむ。
係助詞は文意を強調したり注目すべき部分を示したりする役割を持ちます。
強調される箇所を意識することで、文意がクリアになりますよ!
例:疑問の場合(「や」「か」)
『これや、いかでか知るべき』
*「これをどうして知ることができようか。」
「や」が疑問の係助詞で、ここでは「これか?」という疑問を表しています。
ポイント② 逆説や疑問のニュアンスを理解し、文の意味を読み取る。
例:逆説の場合(「こそ」)
『春こそ来たれ、花は未だ咲かず』
*「春は確かにやって来たけれど、花はまだ咲いていない。」
係助詞「こそ」が逆説的な意味を持つため、ここでは春が来たことに反して花が咲かないという状況が対比されているのです。
ポイント③文脈を考慮し、係助詞の効果を正確に解釈する。
係り結びの解釈は、文脈に大きく依存します。
文の前後や物語の流れを考慮し、係助詞が何を強調しているのか、何を疑問視しているのかを推測することが重要です。
例:詠嘆の場合(「や」)
「これや、世の常ならむ。かくまで美しき月を見ることは。」
*これが世の常であろうか。これほど美しい月を目にすることが。
前半の文だけを見ると「疑問」なのか「感嘆」なのかが曖昧です。
しかし、後半の「かくまで美しき月を見ることは」という文脈があることで、月のあまりの美しさに日常的なものか疑っていることがわかります。
ポイント④語順に注意し、係結びの位置を確認する。
助詞と結びつく動詞や形容詞を見極めることが、解釈を正確にするためのポイントですよ。
「人こそ言へ、わが心の如くはあらじ。」
*人は何と言おうとも、私の心のようではないだろう。
この例では、「人こそ」が強調され、「言へ」(何を言おうと)の後に続く部分が「わが心とは違うだろう」と結びついています。
しかし、語順を入れ替えると「こそ」が係る位置が不明確になり、正確な結びを見失う恐れが出てきます。
おわりに
いかがでしたか?
今回の記事で紹介した読解のコツ3つがあなたの古文の得点UPに少しでも貢献できたら幸いです!