はじめに
過去問を古い方・新しい方のどちらから解くべきか迷っている受験生へ!
この記事では筆者の実体験を交えながら、過去問の進め方・過去問を軸にした戦略の立て方を紹介します。
是非読んでいってください!
目次
過去問は古い方からやるのがオススメ
①出題傾向の変遷を把握することができる
年々、大学の試験問題において重点が置かれる部分は変化します。
単なる知識量よりも知識を活用する能力が求める現代社会の傾向に対応して、「思考力・判断力・表現力の重視」「知識の応用力・総合力を試す」ことに重きが置かれるようになりました。
新しい方から解いてしまうと出題傾向をとらえるのは難しくなります。
古い過去問の方が出題傾向が基本的な内容に重点を置いている場合が多いです。
知識量をはかるために、問題が広範囲を網羅し、基礎力を試す構成である可能性が高いためです。
過去問を古い方から解くことで、「知識量をはかるために作成された試験問題」から「知識を活用する能力をはかるために作成された試験問題」への変化を時系列的に追うことができます。
(例)現代文
[古い出題]熟語や慣用表現が問われる、大問数が多い
[新しい出題]記述問題が大問につき二つ以上ある、文章だけでなく資料を踏まえて解く問題がある
思考力や表現力が必要になる問題が増えています。
過去問を進める中で、「どの知識が長期的に重要視されているか」「どの範囲が最近重視され始めたのか」の両方を分析することが可能です。
頻出テーマや問題パターンを時系列で整理することで、復習を効率化することができます。
②基礎から積み上げることができる
上記でも説明したように、古い過去問は、形式が単純で、基礎的な問題が中心です。
一方、近年の問題は、形式が複雑なのに加え応用的な内容を多く含むため、先に取り組んでしまうとつまづきます。
難しい問題に直面して挫折する体験をたくさん積んでしまうとメンタルにも響いてきます。
難易度が低めな古い過去問を解いて成功体験を得て、徐々に自信をつけ無理なくレベルアップしていきましょう!
また、形式が単純な古い方から解くことで、その大学の出題傾向を体系的に理解しやすくなるほか、基本的な計算や知識の応用法を段階的に学ぶことができます。
過去問を軸にした戦略
共通テストの過去問は夏から!
基礎が定着していない内に過去問を解いたところで、結果はついてきません。
夏までに基礎的な知識や問題の読解力を高めて、実力を固めておきましょう。
いざ過去問に取り組む段階になったら、10年分解きましょう。
数をこなしながら、解いてすぐに復習を繰り返すのがポイントです!
はじめは点数が出なくても、徐々に上がっていく感覚を得られます。
ただし、共通テスト直前に実力試しとして解く問題を残すために10年分のうち6年分くらいを目安に解き、4年分ほどは残しておきましょう。
10年分全てを夏の段階で解いてしまうと、直前に感覚を忘れてしまいます。
(予定の立て方の例)
二次試験の過去問は10月から
共通テストの過去問を解き、試験という形式に慣れてきた頃に二次試験の対策を始めましょう。
各大学の試験問題は、形式がある程度定まっていて総合的に学力を測る共通テストの問題と違い、個性があります。
大学ごとに欲しい生徒像が異なるためです。
少し遅めの10月に解きはじめる理由は、基礎固めがようやく終わった直後に二次試験の応用的な問題を解いても伸びにくいためです。
この時期に解くのは第一志望と第二志望の大学の問題だけにしましょう。
第一志望は10年分、第二志望は5年分以上(最大10年)を目安にしてください。
傾向を掴むために、こちらも復習を忘れずに!
どちらも必ず最新の問題2年分は残してください。
この時期では、第三志望以下の大学や併願・滑り止め予定の学部の過去問はまだ解きません。
秋頃は、自分の行きたいという思いが強い大学・学部の問題を優先的に解き、問題に慣れる経験を積むことが大切です。
この時、共通テストの過去問は解かず、二次試験の過去問演習に集中しましょう!
そのためにも、共通テストの過去問演習は必ず一通り10月までに終わらせてくださいね。
(予定の立て方の例)
12月は切り替えが大切
共通テストが近づいてきたタイミングで、残しておいた4年分の共通テスト過去問を解きましょう。
二次試験の問題とは全く形式が異なるため、はじめは戸惑うと思います。
4年分残した理由は、半分で感覚を取り戻し、最新の2年分で実力試しをするためです。
最新の問題は共通テスト3日前にやりましょう!
前日に解かない理由は、悪い結果だった場合気持ちが落ち込んでしまい、本番に響いてしまうからです。
三日前に解けば、残った時間でどこが駄目だったのか復習をすることができ、補填するための勉強をすることができます。
1月後半からスイッチを入れ替えよう
共通テストが終わったら、二次試験に切り替えましょう。
ここから、第三志望以下や併願・滑り止め予定の学部の問題を解き始めます。
第三志望は5年を目安に解きましょう。
併願・滑り止め予定など現在の実力で合格しそうな場合であっても3年分程は解いてください。
甘くみて、「解かない」なんてことはしないようにしましょう。
過去問を解かなかったために実力を出し切れず、模試では合格範囲内であった大学に落ちてしまうことはざらにあります。
「受かる」と思っていた大学に落ちてしまうと、自信が削がれ、その後の受験に響きます。
過去問を数年解き、傾向を軽く把握するだけで受験を有利に進められますよ!
第一志望や第二志望の問題で残していた2年分は、それぞれ試験の五日前と三日前に解くのがオススメです。
時間が余ったら、前に解いて一番点数が低かったものを再度解いてみましょう。
実力が伸びていると実感でき、成功体験を積むことができます。
おわりに
いかがでしたか?
過去問の進め方や、過去問を軸にした受験戦略があなたの受験の参考に少しでも役に立てれば幸いです。