はじめに
私は、もともと薬学部を目指していたこともあり、そこまで化学に対する苦手意識はありませんでした。
教科書に載っている公式を丸暗記して、問題集の解法を覚えてしまえば大体の問題は対応できると思っていました。
しかし高2の冬になって、模試の問題が難しくなると途端に思うように得点が取れなくなりました。
楽観的だった私は、もう少し勉強すれば点数も取れるようになるだろうと、特に何の対策も講じないまま時が過ぎ、ついに、あの高3の夏の東大模試を迎えました。
全く手ごたえもなく、返却された模試の結果を見ると、化学の点数は60点中たったの5点、全体の判定もE判定でした。
解法が解けない以前に、問題の意味すらも分からないという絶望的な状態でした。
さすがに危機感を抱いた私は、同じ大学を目指す友達にアドバイスを求めました。
そのアドバイスのおかげで5割近く得点できるようになり、本番でも大きく足を引っ張ることなく東大に合格することができました。
今回はその勉強法を紹介したいと思います。
目次
【化学大逆転の勉強法】①教科書を読んで公式や現象を理解する
私にとって一番大きな課題は、初見の問題に対応できないことでした。
易しめの問題は、公式に当てはめたり解いたことのある問題の解法を模倣したりすることで解くことができますが、問題の難易度が上がり、見たことのない問題に出会ったとき、私は解法の糸口が全く掴めなくなっていました。
これまでの勉強暗記型が誤りであったことに、気付いたのです。
そこで、私は思い切って、それまで使っていた問題集を解くのを一端やめ、もう一度はじめから教科書を読みなおすことにしました。
高校三年生のこの時期に問題集を解くのをやめるというのは、私にとって大変な決断でした。
しかし、基礎を徹底的に固めるために、問題集ではなく、教科書に重きをおくようにしたのです。
すると、それまで丸暗記していた公式や現象も、教科書や授業の板書ノートを見返してみると、きちんとそこには理由があることが分かりました。
また、一度全部学習してから読み返すと、それまで断片的に学んでいたことがつながり、ぐんと理解が深まったように感じました。
【化学大逆転の勉強法】②解説を熟読しながら問題の解き方を学ぶ
次に私は問題演習に取り掛かりました。
それまで学校で配布された『セミナー化学Ⅰ+Ⅱ(第一学習社)』を繰り返し解いていましたが、より実践的な入試問題に慣れる必要があると感じ、秋ころから『重要問題集 化学Ⅰ・Ⅱ(数研出版)』を解き始めました。
この問題集を使って良かったところは、解説が詳しく、また、問題に対する解説だけでなくそれに関する周辺の知識も掲載されているところです。
私は、問題を解く時には、問題を解くこと以上にこの、解説を熟読することを大切にしました。
解けた問題も、解けなかった問題も、どうしてそこでその公式を使うのか、問題文中のどこからそれが判断できるのか、問題の解き方というよりそこに至るまでの考え方を意識しながら解き進めていきました。
この問題集のもう一つの良いところとして、この一冊だけで化学Ⅰ・Ⅱのほとんど分野が網羅できるところです。
重要問題集と赤本だけで合格を目指す戦略に
時期的にも余裕はなかったので、この問題集を早く終わらせて他の問題集に手を出すのではなく、この問題集と赤本だけで合格を目指すという戦略を取りました。
一周目はオレンジ色、二周目は緑色、三週目は青色、と色分けをして印を付けながら、解けない問題は解けるようになるまで繰り返していきました。
同時に、解いた日の日付を余白にメモしていくことで、ペース配分の目安にもなりました。
問題集を一通り解き終わったのは11月の終わり頃でした。
この頃になって、ようやく、解法をただ暗記していたころよりも、実力が付いたように感じました。
おわりに
こうして私は、60点中5点だったあのころから、30点近くまで点数を伸ばし、E判定から逆転合格を果たすことができました。
私が自分の高校時代を振り返って思うことは、「受験勉強で大切なのは知識を詰め込むことではなく、理解して使い方を学ぶこと」ということです。
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当初の私は、解法さえ覚えれば解けるようになると、ただそれだけを信じて勉強していましたが、それでは必ず限界があります。
みなさんも、解法丸暗記型の勉強法ではなく、きちんと理解しながら勉強を進めてくださいね。