面倒な英作文添削はChatGPTにやらせよう

はじめに

皆さん、和文英訳自由英作文を書いたあとは復習できていますか?

なかなか自分では間違いに気づけない、でも周りに添削を頼める人はいない……。

そんなあなたに、ChatGPTを活用した英作文添削の方法を紹介していこうと思います。

ChatGPTを使った添削のメリット・デメリット

【ChatGPT添削のメリット】①無料で何回でも添削してくれる

世の中、有料の英作文添削講座は数多く存在します。

しかし、一般的には利用料として月5,000〜8,000円程度かかってしまいます。

また、月ごとの添削回数に制限があり、修正後のフィードバックが得られないことも……。

でも、ChatGPTなら基本的に無料で添削してもらえます!

利用回数制限もないため、「問題を自力で解く→添削してもらう→修正する→もう一度添削してもらう→……」という流れを繰り返すことで英作文のコツが身についていきますよ!

【ChatGPT添削のメリット】②気兼ねなく添削を依頼できる

やっぱり人間たるもの、添削してもらう相手が人だとつい遠慮してしまいます。

特に、学校の先生など身近な人にお願いする場合、相手の時間も限られていることもあり、添削提出をためらうようになりがち。

でも、相手が機械なら何も気にしなくて済みます!

初歩的なミスでも機械的に指摘してくれるため、文法・内容に自信がなくても恥ずかしがることなく、気軽に依頼できちゃいます。

しかも、深夜でも休日でもいつでも提出・即時返却可能。書いたことを忘れないうちに即復習できるのもメリットですよ!

【ChatGPT添削のメリット】③添削方法をカスタマイズできる

実は、大学受験・資格試験のための添削サービスはそれほど多くありません。

一般的な英文添削サービスといえば、英語論文、スピーチ原稿などの長文校正が大半です。

また、大学受験向けのサービスであっても、自分で用意した過去問など規定の教材以外は受け付けてもらえないこともしばしば。

ChatGPTなら、設問形式ごとに合った添削方法を自分で指定できちゃいます!

特に自由英作文では、文法・語法ミスはもちろん、わかりにくい接続や表現も訂正してくれます。

特に、”take a bath”、”put up an umbrella”など、英語のコロケーション(連語)はネイティブの感覚がないとなかなかわかりません。

【ChatGPT添削のデメリット】添削ミスには気づきづらい

そんなChatGPTによる添削にもデメリットが。

それは、添削そのもののミスに気づくのは困難だということ。

万が一文法の訂正ミスがあれば、誤って覚えてしまう危険性もはらんでいます。

ただし、一般にChatGPTのような生成AIは、学習データの多い英語が得意とされています。

そのため、適切な聞き方をすることで、文法添削ミスはぐっと減らせます。

一方、内容添削は接続や理由付けなどに明らかな誤りがあっても指摘されないなど、どうしてもミスが発生しやすく、注意が必要です。

ChatGPTの添削を絶対視せず、あくまでも一つの手段として使用しましょう!

心配であれば、ChatGPTによる添削を経た上で、身近な人に再度添削を依頼するのも一つの手です。

おすすめのプロンプトと特長

プロンプトとは?

プロンプトとは、例えば「英単語テストを20個ランダムに作成して」など、ChatGPTに対する命令や質問のことです。

重要なのは、できるかぎり詳細かつ理解しやすい文章にすること。

というのも、プロンプトの書き方次第で出力が大きく変わってしまうためです。

特に、内容の正しさが求められるときは慎重に書く必要があります。

今回のおすすめのプロンプトの例では、ChatGPTがどのような役割なのか、何を出力するのかなどを事前に細かく設定してあるため、そのままコピペすればOKですよ!

【おすすめのプロンプト】使い方

2024年6月現在で最も高性能なGPT-4oを使用するため、OpenAI公式ページのChatGPTを使いましょう。

GPT-3.5やGPT-4などの旧バージョンではやはり添削ミスが目立ちます。

より精度を高めるために最新バージョンを使うのを強くおすすめします。

使い方は、プロンプト例をコピーし、設問文と自分の解答を入力するだけ。

とっても簡単ですね!

【おすすめのプロンプト】①和文英訳

和英作文を添削してほしい時に実際に入力するプロンプトの例です。

(課題文)・(解答)の部分に、問題自分の解答を入力してください。

# 命令
あなたは、非英語話者の生徒に英語を教える教師です。
生徒はCEFR B1レベルの英語を学習しています。
あなたの役割は、生徒がより良い英語の文章を書けるよう丁寧に指導することです。
以下の条件の指示に従ってください。

# 条件
生徒は、日本語の課題文を英訳する課題が与えられています。
以下の4つを別々に出力してください。添削のコメントは日本語で出力してください。
1.【文法添削】解答に含まれる、単純な文法、語法、単語、スペルのミスのみを訂正してください。どの部分を、なぜ、どのように訂正したのかがわかるように訂正してください。
2.【表現添削】解答に含まれる、不自然な言い回しやコロケーションを、自然な表現になるよう訂正してください。どの部分を、なぜ、どのように訂正したのかがわかるように訂正してください。
3.【内容添削】設問の内容と解答の内容が合致していない場合は、それを指摘して、訂正してください。ない場合は、指摘する必要はありません。
4.【添削結果】以上の添削結果をまとめた、修正後の文を作成してください。「元の解答 → 修正後の文」という形式としてください。

ただし、以上の訂正はすべて生徒の英語のレベルの範囲内とし、難単語や複雑な文法、語法は必ず避けてください。

(課題文)
(解答)

ポイントは、添削の英文レベルを変えられること。

ここでは「CEFRレベル」を指定すると明確でわかりやすいと思います。

CEFRとは、外国語の学習段階を示す共通の指標のことです。英検など資格試験で目にしたことのある人も多いと思います。

大学受験ならB1~B2レベルが目安です。何回か添削してもらう中で自分のレベルに合うよう調節しましょう!

和文英訳についてはこちらの記事も併せてご覧ください!

【例題でわかる英作文対策】東大生の教える和文英訳の書き方のコツ

2018.11.15

では、実際の添削例を見てみましょう!

【文法添削】
“is”を”was”に訂正(過去形に合わせるため)。
“so bad”を”bad”に訂正(”so”が不要)。
“could not neither”を”could neither”に訂正(”not”が不要)。
“dries”を”dry”に訂正(不定詞の原形に合わせるため)。
“or”を”nor”に訂正(”neither”との組み合わせ)。

【表現添削】
“bad yesterday, that I could neither”を”bad yesterday, so I could neither”に訂正(因果関係を明確にするため)。
“spent the day doing without anything”を”spent the day doing nothing”に訂正(自然な表現にするため)。

【内容添削】
設問の内容と解答の内容は一致しているので、内容の訂正は必要ありません。

【添削結果】
元の解答 → The weather is so bad yesterday, I could not neither dries my laundry or go out, so I spent the day doing without anything.

修正後の文 → The weather was bad yesterday, so I could neither dry my laundry nor go out, and I spent the day doing nothing.

このように、文法→表現→内容と指摘され、理由も簡潔でわかりやすくなっています。

【おすすめのプロンプト】②自由英作文

自由英作文を添削してほしい時に実際に入力するプロンプトの例です。

こちらは、(課題文)・(指定語数)・(解答)の部分に、問題指定された語数自分の解答をそれぞれ入力してください。

# 命令
あなたは、非英語話者の生徒に英語を教える教師です。
生徒はCEFR B1レベルの英語を学習しています。
あなたの役割は、生徒がより良い英語の文章を書けるよう丁寧に指導することです。
以下の条件の指示に従ってください。

# 条件
生徒は、日本語の課題文に対して、英語で自分の意見を述べる課題が与えられています。
以下の5つを別々に出力してください。添削のコメントは日本語で出力してください。
1.【体裁添削】解答の語数を数え、指定語数の20%以上の過不足があれば指摘してください。
2.【文法添削】解答に含まれる、単純な文法、語法、単語、スペルのミスのみを訂正してください。どの部分を、なぜ、どのように訂正したのかがわかるように訂正してください。
3.【表現添削】解答に含まれる、不自然な言い回しやコロケーションを、自然な表現になるよう訂正してください。どの部分を、なぜ、どのように訂正したのかがわかるように訂正してください。
4.【内容添削】設問の内容と解答の内容が合致していない場合は、それを指摘して、訂正してください。ない場合は、指摘する必要はありません。
5.【添削結果】以上の添削結果をまとめた、添削結果を作成してください。「元の解答 → 修正後の文」という形式としてください。

ただし、以上の訂正はすべて生徒の英語のレベルの範囲内とし、難単語や複雑な文法、語法は必ず避けてください。

(設問文)
(指定語数)
(解答)

自由英作文は意見を述べたり、会話文をつくったり、状況を説明したり……と設問が多種多様。

こちらのポイントは、そんないろいろな設問形式に対応できること。

また、併せて語数チェックもしてくれます。なにげに便利なポイントです。

自由英作文についてはこちらの記事も併せてご覧ください!

【東大生直伝】自由英作文で他の受験生に差をつけるための簡単なテクニック3選

2021.12.27

では、実際の添削結果を見てみましょう!

「政府は使い捨てプラスチック製品の使用を禁止すべきか。2つ以上の具体例を用いながらあなたの意見を75語程度の英語で述べよ」という設問に対するサンプル解答を添削してもらいました。

【体裁添削】
解答の単語数は77単語です。指定語数の75単語から20%以内(60〜90語)の範囲内なので、問題ありません。

【文法添削】
“often use” → “often used” (時制の一致)
“when I went” → “when I go”(時制の一致)
“plastic straw” → “plastic straws”(複数形の一貫性)
“if they will be banned” → “if they are banned”(条件文における現在形の使用)
“to the convenience store” → “to a convenience store”(冠詞の修正)
“convinience” → “convenience”(スペルミス)
“if we will follow” → “if we follow”(条件文における現在形の使用)

【表現添削】
“I hate the feeling touch of them” → “I dislike the way they feel”(より自然な表現
“if they are banned, it will be a problem when I suddenly go shopping” → “if they are banned, it will be a problem when I go shopping suddenly”(自然な語順
“if we follow the rule to dispose of them” → “if we follow the rules for disposing of them”(より自然な表現

【内容添削】
特に矛盾点や論理的でない部分は見当たりません。
プラスチック製品の禁止についての2つの具体例として、ストローと袋の例を使用しています。

【添削結果】
(修正前)I often use plastic straw when I went to the fast food shop, but I think we should keep using plastic straws because paper straws are soft and I hate the feeling touch of them. We should continue to use plastic bags because if they will be banned, it will be a problem when I suddenly go shopping to the convinience store without eco bag. If we will follow the rule to dispose of them, it will be no problem.
(修正後)I often used plastic straws when I go to fast food shops, but I think we should keep using plastic straws because paper straws are soft and I dislike the way they feel. We should continue to use plastic bags because if they are banned, it will be a problem when I go shopping suddenly to a convenience store without an eco bag. If we follow the rules for disposing of them, it will be no problem.

こちらも段階を踏んで指摘してくれ、理由も明確です。

文法添削についても、想定していたポイントはすべて正しく指摘してくれました!

しかし、内容面では解答一文目中のやや違和感のある”but”の使い方は指摘されず……。

また、「紙ストローの感触が苦手→プラストローの使用を続けるべき」という、あまり論理的でない部分についても指摘がありませんでした。

やはり、内容添削についてはなかなか苦手な様子。

このように、添削してもらう際は特性を十分理解した上で使用しましょう!

おわりに

いかがでしたか?英作文の添削を気軽に依頼できる先生が手に入りましたね!

受験だけでなく、英検など資格試験でも必要になる英作文

ぜひこの方法を使って得意にしていきましょう!




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