模試の復習を制す者が受験を制す!東大生が教える模試の復習法 

東京大学への数学 2017―実戦模試演習(大学入試完全対策シリーズ).jpg

なぜ模試を受けるのか?

学校で年に数回必ず模試を受けている人や塾のマーク模試を毎月受けている人など、高校生の皆様のほとんどが模試を受験していることと思います。

そもそもどうして模試を受けるのでしょうか。

そのメリットは大きく分けて次の4つです。
①限られた時間とある程度の緊張状態の中で試験を受ける練習になる。
②「次の模試までに数学ⅡBを完璧にする」というように、模試をペースメーカーとして勉強を進められる。
③得意分野と苦手分野を明らかにし、今後の学習の戦略を立てることができる。
④良問をゲットし、自分だけの問題集を作ることができる。

このうち、③と④は模試の受験終了後に行うものです。しかし皆さんは模試を受けて終わり、にしていませんか?模試は受けることにももちろん意味がありますが、復習によって100%活用したことになります。模試を誰よりも正しく利用すれば、成績は爆発的に伸びます。そこでこの記事では具体的な模試の利用方法について説明します。

スポンサーリンク

模試を復習するタイミング

模試の復習は、最低でも「その日・1週間後・直前」の3回行いましょう。

その日:まずは自己採点をし、間違えた理由を徹底的に分析する

模試を受けた日は、今日はもう何もやらなくていいような気持ちになルこともあると思います。しかし、模試を受けたその日に必ず第1回目の復習をしましょう。

まず最低限やらなくてはならないのは自己採点です。どんなに疲れていても、これだけは必ずやりましょう。マーク形式なら帰りの電車で何科目か終わらせられると思います。

ここで自己採点をする理由は、本番で解けなかった問題を忘れないうちに確認することで「解けなくて悔しい」という感情を忘れないようにするためです。悔しい、という強い気持ちは勉強を続けるうえで大きな原動力となります。

また自己採点をしている時間は勉強時間ではないので、次の日以降に回してしまうと貴重な勉強時間を奪うことになります。テストで疲れて帰ってきた受験日の夜に自己採点は行うべきです。そして、自己採点が終わったら模試ノートを作ります。この模試ノートについては後で詳しく言及します。

1週間後:解き直しノートを作る

次の復習は1週間後です。模試はたいてい土日に行われるので、次の土日は丸々模試の復習日としましょう。まず、その日までに用意しておくものは間違えた問題のコピーです。これを使って模試の解き直しノートを作成しましょう。

作り方の詳細については次の項目で説明しますが、注意点は、ノートを綺麗に書くことに注力するのではなく、自分の間違えたところや苦手分野がパッと見て分かるようなノートづくりを目指すということです。字を綺麗に書いたり色使いに拘ることは時間の浪費に繋がります。

このノートの目的は、直前期に効率よく苦手範囲を復習できるようにすることです。多少字が汚くても構いません。ノートを作ることよりも、作ったノートを何度も見直すことが大切です。

直前:本番と同じ時間割で全て解き直す

模試の最後の復習は直前期に行いましょう。この時は間違えた問題だけではなく、全ての問題を時間を計って解き直します。本番と同じ時間割で解くと受験のリハーサルになります。

一度やった問題ではリハーサルにならないのでは、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、直前期には、一度解いたことがある問題をやることで、スムーズに解ける自分に自信を持ち、問題を解くリズムを掴む、ということも大切です。

また、一度やったことがある問題だからと言って完璧にできるとは限りません。知識にヌケモレがないかを同じ問題を解くことで確認し、忘れていた事項については徹底的に復習しましょう。また、解き終わったら必ず模試の解き直しノート及び模試ノートでその模試に該当する部分を全て見返しましょう。

 模試解き直しノートの作り方

それでは、以下教科ごとにノートの作り方について説明します。

英語

解き直しノートに書くべき事項は、優先順位から言うと文法問題>長文問題>自由英作文問題です。さらに、模試全体を通して知らなかった単語を全てリストアップすると良いです。

まず文法問題ですが、文法は英語学習の基礎であり絶対に間違えてはいけないものです。模試で分からない、あるいは忘れていた文法があったら、その問題及び解答と解説を書いて終わるのではなく、自分が持っている文法問題集のどこにその分野があるかページ数を必ず記入しましょう。理解が不十分な単元である可能性が高いので、徹底的に復習をする必要があります。

次に長文問題については、問題文をコピーして貼り、構造が分かりにくかった文については構造分析を行います。1文1文和訳する必要はありません。そして間違えた問題について、和訳だったら自分の解答が模範解答に比べてどう劣っているか、注意すべきポイントはどこだったのかを記入します。

内容一致問題は文中のどこに根拠があるかをマークします。そして、間違えの選択肢について、どこがNGであるか必ず理由を記入します。正解の選択肢だけを確認するのではなく、必ず誤りの選択肢についても何が不正解なのかを根拠と一緒に述べられるまで完璧に理解しましょう。

また、長文問題の設問番号の左上にボックスを5つ作っておき、1回音読するごとにチェックマークを記入できるようにしましょう。全体を5回音読すると、読みながら自然と頭の中に英文の意味が入ってくるようになり、問題文の理解度が格段に上がります。また、英文を読むスピードを掴んで早く読めるようにもなります。

自由英作文問題については、自分の解答と模範解答を併記しておきましょう。その際、自分の解答は模試が返却される前に先生に添削してもらうと良いです。さらに模範解答とつきあわせて自分の解答を確認し、どう書けば良かったかなどの反省点を記入しましょう。模範解答の中で自分のものにしたいと思った表現については、リストアップして次に英作文を書く時に積極的に利用しましょう。

国語

解き直しノートを作るおすすめの科目は古典です。問題文を手でノートに写すことが理想ですが、時間に余裕がない場合はコピーして貼ります。古典が苦手な人は、1文ずつ丁寧に品詞分解や単語の意味調べを行い、全てを現代語訳しましょう。漢文なら書き下し文まできちんと記入します。

こういった手間のかかる作業こそ、基礎固めには重要です。古典が苦手な人は、まず初見の文章を読んだ時にその意味が8割理解できるようになることを目標にしましょう。そのために、初めのうちは必ず細かい文章の分析を行ってください。

古典が得意で文章の意味は分かったが問題が解けなかった、という人は、まず知らない単語だけをピックアップしてまとめ、その後間違えた設問についてどこに答えの根拠があったのかを問題文中にマークします。この作業を繰り返すとどんな接続詞の後に答えの根拠が来やすいかが分かりやすくなります。

また、記述問題なら模範解答を見ながら加点要素を確認し、それがどの部分に書かれているかをマークしていきます。この作業によって、答えの要素をどこから拾ってどのように繋げれば良いかが見えてきます。

数学

  
数学は、完答できなかった問題に限らず、完答できたが記述の仕方に欠陥があった問題についても必ず解き直しノートを作りましょう。ノートを作る前に、1から何も見ないで解けるようになるまで復習します。

その後、1問につき見開き1ページを目安にし、左ページには問題のコピーを貼ります。その下に問題を解く流れを簡単に記入しましょう。この作業は、脳内で解法を体系的に整理して問題を真から理解することにつながります。次に右ページには模範解答を記入します。

ここで大切なことは、解答冊子を丸写しするのではなく、何も見ないで1から自分の手で再現する、ということです。そして自分なりに100%の解答を作ったら解答冊子と見比べて、直すべき箇所を赤ペンで修正します。この赤ペンの部分は、何度も復習したにも拘らず間違えた箇所なので、ノートを見直した時に真っ先に目に入るよう、目立たせる工夫をしましょう。

その後、自分で作った模範解答に、本番で作った自分の解答は何が足りなかったかを書き込みます。明らかに減点対象となる記述の欠陥は致命的なので、マーカーなどで目立たせましょう。完答できなかった問題については、どこから解けなかったかとなぜ解けなかったかを自分なりに分析して記入します。

社会

社会科目は暗記事項が多いので、度忘れして解けない問題が増えます。しかし、これを「単なる度忘れ」と楽観的に捉えてしまうことは危険です。なぜなら、理解があやふやであることに変わりはないからです。

社会科目で間違えた問題については、その正誤に関わる情報だけではなく関連情報もノートに書き加えましょう。例えば「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」が書けなかった時に、その名前と簡単な解説を書き加えるだけではなく、地図ではどの位置にあるのかや、他のキリスト教の聖地についても調べて記入しておきます。

また、自分が1番よく使う参考書や問題集の何ページにその用語関連の情報や問題が載っているか、ページ数を記入しておくと後でスムーズに復習することができます。

記述問題に関しては、数学と同じように問題をコピーしたらその下に解答の指針を記入します。ここでは指定語句や記入すべき事柄をどの順番で使用するかを大まかに書いて、論述の流れを確認しましょう。その後、本番で自分が作った解答を再現したものと模範解答を併記し、自分の解答に何が足りなかったかを書き加えます。

社会科目の論述では、要素を記述する順番も大切です。例えば、2地域の比較問題ならば、前半で1地域について記述して後半でもう片方の地域について記述する方法と、1地域のある要素について書いたらその直後にもう片方の地域でそれに対応する要素について書く、という方法の2つがあります。どちらが適しているかは問題によって異なるので、模範解答を見ながらそのような「要素の順番」についても分析しましょう。

理科

理科は生物や化学の無機分野のように暗記色が強い科目と、物理や化学の有機分野のように計算色が強い科目があります。前者は、社会科目のように間違えた問題だけでなくその関連事項についても調べて詳しく記入しましょう。

後者は、数学のように解答の指針と自分で作った完璧な模範解答を書き、本番の答案で何が足りなかったか、どの部分の記述が鍵であるか、そして解けなかった問題については解けなかったか理由も書き加えます。

模試ノートでコンディションや成績を管理する!

以上までで模試の解き直しノートの作り方について説明しました。それと同時に作ると良いのが「模試ノート」です。模試の解き直しノートは、その名の通り分からなかった問題や分野をまとめるものであるのに対し、模試ノートは模試の点数や当日のコンディション、時間配分や解いた順番などを管理するものです。

作り方の一例ですが、1回の模試につき見開き2ページを目安にし、1番初めのページには模試の成績表が返却された後にそれをコピーしたものを貼ります。その次のページには受験時のコンディションを記入します。例えば、「会場が暑くて薄着で行かなかったことを後悔した」「昼食以降眠くなってしまった」「3時間目以降集中力が途切れた」などです。

それ以降は、科目ごとにどんな時間配分及び順番で解いたら成功 or 失敗したか、を記入し、最後に受験直後の感想を書きます。ここでの感想は嬉しいや悔しいなどの感情に任せて書きましょう。特に悔しいという感情を書き留めておくことは、今後勉強を続けていく上で自分を奮い立たせる原動力となるため重要です。「計算ミスで5点落とした、次は絶対に計算ミスをしない!」というように、自分の気持ちを正直に書きましょう。

このノートのポイントは、模試の受験日に記入するということです。特に時間配分や解いた順番などの細かい情報は、日が経つと忘れてしまいます。記憶が新しいうちに詳細に書き留めておくことで、自分にとって最適なストラテジーが見つかります。自分の中で確固たるやり方を持っておくことで、自信を持って本番に望むことができるでしょう。

また、このノートを見返せば模試ごとの成績の推移が一目で分かります。自分の成績の波を客観的に捉えることで自分の今の立ち位置を把握し、今の自分に何が必要なのかを理解することができます。

模試の復習を制す者が受験を制す!

ここまで、模試の復習についてノートを使用した方法をメインに説明してきました。冒頭にも書きましたが、模試は復習をすることで100%活用したことになります。模試の復習を徹底的に行うと、自分の苦手分野、つまり集中的に取り組むべき分野が明確になり、その後の勉強の見通しが立ちます。

また、何度も見返して愛着が湧いたノートは、今までの自分の努力を信じて前向きに本番に向かうことを後押しするお守りのような存在になります。自分だけのノートを作り、模試の復習を賢く完璧に行って受験を制覇しましょう!