はじめに
受験生の皆さんは受験勉強として第1志望校の対策を当然しますよね。
しかし、偏差値的には受かる見込みがあり、センター試験や第1志望校の対策で忙しい中で併願校の対策をする必要はあるのでしょうか?そして、対策が必要だとすればどのように行えば良いのでしょうか?
この記事ではそうした疑問を解決すべく、併願校対策をすべき理由と具体的な併願校対策の方法について説明しています。
ぜひ参考にしてみてください!
目次
第1志望対策だけでなく、併願校対策もすべき理由
まず併願校対策をする必要があるのかという疑問についてですが、結論から言うと併願校の対策は必ずするべきです。
その理由は、併願校であっても大学によって問題には特徴があり、ぶっつけ本番ではそれに対応できずに落ちてしまう可能性があるということです。
ある大学を併願校として受験する場合、その学校を第1志望校として徹底的に対策をしてきている受験生と合格を争うことになります。
例えば、日本史の試験で近現代史のみが問われ、それもかなり細かいところまで問われる大学があるとします。当然その大学が第1志望の受験生は近現代史の勉強にかなりのウェイトを置きます。
しかし、併願校として何の対策もせずに臨む受験生は、満遍なくそれなりの日本史の知識を持った状態で試験を受けることになります。
このような場合を考えると、併願校として受験する大学に確実に合格できる保証は決してないということがわかりますね。
もし、合格できるはずだと思っていた併願校に合格できなければとりあえず「合格」を確保しておくためという併願校を受ける意味がなくなってしまいます。
そうなると第1志望校を受験するときに「もしここで合格できなければどこにも行ける大学がない」という不安な気持ちを持つことになり、必要以上に焦ってしまったり神経質になりすぎてしまったりするかもしれません。
また、併願校の対策をすることは第1志望校の対策にもなり得ます。
ずっと第1志望校の問題だけを解いていると確かにその形式に慣れることはできますが、突然問題の形式が変わったときに対応できなくなります。
ですから、様々な形式の問題に触れられるという意味で併願校対策を行うことは重要であると言えます。
それでは、ここからは併願校対策として何をすれば良いのか、またいつから、どれくらいすれば良いのかということについて説明していきます。
併願校対策としてすべき3つのこと
ここでは併願校対策としてするべき3つのことについて説明していきます。
基本的には第1志望校の勉強
併願校対策ですが、基本的には第1志望校の勉強をしましょう。第1志望校の方が全体的に見れば問題が難しいはずなので、多くの場合はそれが併願校対策になります。
入試では難しい問題を解くことも確かに重要ですが、それ以上に合否を分けるのは基本的な問題を確実に得点できるかどうかということです。
これは第1志望校においても併願校においても変わらないので、基本事項の徹底というのは受験勉強としてどの大学を受験するにしても共通しています。
そのため、まずは第1志望校の勉強をしながら基礎的な問題を確実に解けるようになることを目指しましょう。
少なくとも2年分は併願校の過去問を解く
第1志望校の勉強が併願校対策にもなるとはいえ、大学によって問題の配点や形式に違いがあるため、それだけでは十分ではありません。
併願校の対策として、最低でも2年分は過去問を入手して解いてみましょう。
ここで確認すべきことは問題の形式、自分がどれだけ解けたか、合格点と自分の点数の差の3つです。
問題の形式を把握することの重要性は言うまでもないでしょう。問題の形式が第1志望校の問題とあまり変わらないのであれば特別な対策をする必要はありませんが、もし大きく異なるという場合には何か対策をする必要が出てきます。
ちなみに最低でも2年分というのは、ある年だけ問題の傾向が変わる、ということもあり得るからです。傾向が変わった特殊な年の問題だけを解いて、それがその大学の問題の形式だと思ってしまっては正確に傾向をつかめたとは言えません。
次に自分がどれだけ解けたか、を確認するためにしっかり解答(解説)を読みましょう。解答解説を読むことで新しい知識を得ることができ、それが今度は第1志望校の対策になるかもしれません。
自分がどれだけ取れたかを把握した後はその年の合格最低点(公表されていない場合は例年の合格するために必要なおおよその得点率)と自分の点数を比べてみましょう。
2年分解いた上で、余裕を持って合格点を越えることができていた場合はそれ以上併願校の対策をする必要はありません。第1志望校の勉強に集中しましょう。
一方、合格ラインギリギリ超えたという場合や超えられなかったという場合は何か対策を取る必要があります。
単にその大学特有の問題に対応できなかっただけであれば、その対策を始めれば大丈夫でしょう。
しかし、もしそうではなく単純に学力が足りないという場合は、ひとまず第1志望校の対策を中心に勉強を進め、解ける問題が増えてきたらもう1度併願校の過去問に挑戦するという方法をとるべきです。
併願校の問題に際立った特徴があればその対策をしておく
過去問を数年分解いた上で併願校の問題に際立った特徴があるようであれば、その対策をしましょう。
はじめの例で用いたように、近現代史がかなり細かいところまで問われるというような場合は近現代史の勉強をする、というように第1志望校の対策だけでは十分ではない知識を補填するというイメージで取り組みましょう。
もちろん大切なのは第1志望校に合格することなのでここにあまりに時間をかけすぎてしまうのは賢明ではありません。
1〜2問しか出題されないというような特殊な問題のために、何時間も対策するというのはやめておきましょう。
併願校の対策はいつからすればいい?
ここでは、併願校の対策をいつからすればいいか説明していきます。
高3秋の時点で第1志望校の対策が進んでいる場合
高3の秋の時点で基礎が固まりすでに第1志望校の対策が進んでいる場合は、秋の段階からはじめましょう。
とは言っても、あまり力を入れて対策する必要はなく、過去問を1〜2年分解く程度に留めておき、それ以上の対策はセンター後にするようにしましょう。
もし余裕があるようであれば、併願校の特徴的な問題の対策を少しずつ始めるのもありです。
ただしあくまで第1志望校の対策が優先であることを忘れないようにしてください。
高3の秋の時点ではまだ第1 志望校の対策を始められていない場合
高3の秋の時点でまだ基礎が固まっておらず、第1志望校の対策を始められていないと言う場合は、基礎固めと第1志望校の対策が優先なので、センター試験が終わってから始めることになります。
対策できる時間は少なくなりますが、焦って併願校の対策をして第1志望校の対策が十分にできないようでは元も子もないですよね。
対策を始めてからは、できるだけ少ない時間で合格点を取れるような勉強をすることを心がけるようにしましょう。
併願校の対策はどれくらいすればいい?
では一体どれくらい併願校の対策をする必要があるのでしょうか。
ここでは筆者が東大、早慶生を中心とした大学生に、「併願校の過去問を何年分解いたか」ということについてアンケートをとった結果を紹介します。
Q.併願校の過去問を何年分解きましたか
グラフから分かるように、ほとんどの人が5年分以下と回答しています。
あくまでも第1志望校の対策を重視していることが多いことがわかりますね。
筆者も併願校の過去問を何十年分も解く必要はなく、2〜5年分を解くのが妥当だと考えます。
また、過去問を解いた上で併願校特有の問題の対策をするときも、あまり完璧にしようと思わず、その問題にそれなりに対応できる程度で十分でしょう。
もしその大学特有の問題が占める割合が大きく、対策に時間がかかるという場合、第1志望校の対策の時間がその分だけ少なくなります。
第1志望校と併願校で傾向が全く異なる大学を志望するのは、非常にリスクが高いということを覚えておきましょう。
最後に
いかがでしたか?
併願校を受ける理由としては「受験の雰囲気に慣れる」というのもあると思いますが、やはり合格を勝ち取れなければ落ち込んでしまうものです。
第1志望校に届かなければぜひ通いたいという併願校の場合には、言うまでもなく気を落としてしまうでしょう。
ですから実力的には十分に合格できるはずの併願校受験で失敗せず、万全の状態で第一志望校の入試に臨めるよう、ぜひこの記事を参考にして対策を行ってみてください!