はじめに
大学に進学した後、学費や生活費などの多くのお金が必要になることはほとんどの人が理解しています。一方で進学する以前の、大学入試を受験するためにかかる費用に関してはあまり意識されていません。いざ受験するとなって予想外の出費の大きさに驚いてしまうことも。
そこで、本記事では受験料や宿泊費、交通費などの受験にかかる費用を具体的にまとめています。自分が受験するときにはどれくらいのお金がかかるのか、大まかにでも考えてみてください。
また、受験にかかる費用を抑える方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
大学受験にかかる費用の総額
まずはじめに、大学を受験するのにかかる費用が総額でどれくらいになるのかの一例を計算した結果を紹介します。
センター試験、国公立大学2校、私立大学3校を受験する場合
約243000円
センター試験5教科に加えて遠方にある国公立大学の前期と後期で2校、私立大学で実力相応校2校、安全校1校の3校を受験するパターンです。安全校はセンター利用入試で受験し、国公立の前期で合格し後期は受験しなかったと仮定しました。
この金額は願書代、センター試験、国公立大学、私立大学の受験料と交通費・宿泊費を合計したものです。ではここからはその内訳について詳しくみていきましょう。
大学入試の受験資格を得るためにかかる費用
受験自体にかかる費用としては具体的に願書を請求する費用とセンター試験、大学に払う受験料があります。ここではそれぞれを具体的にみていきます。
願書を請求するのにかかる費用
センター試験、大学の個別試験に出願するためにはまず願書を手に入れなければなりません。そこであまり大きい額ではありませんがお金がかかる場合があります。
まずセンター試験ですが、基本的に現役生は高校がまとめて請求しているので考える必要はありません。一方、浪人生は自分でセンター試験を利用する大学の窓口で受け取るか全国学校案内資料管理事務センターなどに請求して郵送してもらう必要があります。郵送してもらう場合、送料を含めて1部あたり215円と手数料がかかります。
次に大学の個別試験ですが、国公立大学と多くの私立大学は願書そのものは無料です。しかし願書を手に入れるにはセンター試験の願書同様大学の窓口に行くかweb上で取り寄せる必要があり、web上で取り寄せた場合は送料と手数料がかかります。(送料まで全て無料の場合もあります。)一部の私立大学では願書が有料で、最大で1000円前後かかる場合もあるので、請求する際には有料なのか無料なのかを一度確認しておくようにしましょう。
現在ではインターネット出願を採用している大学も多く、紙の願書を手に入れなくても出願できることがあるので積極的に利用しましょう。
センター試験・国立大・私立大の受験料比較
センター試験・国公立大学・私立大学の受験料をまとめると以下のようになります。
試験の種類 | 受験料 |
センター試験 2教科以下 | 12000円 |
センター試験 3教科以上 | 18000円 |
国公立大学 | 17000円(一部の大学は除く) |
私立大学 医学部以外 | 30000~35000円程度 |
私立大学 センター利用入試 | 15000円程度 |
私立大学 医学部 | 60000円程度 |
大学の個別試験の受験料は一律ではないので、自分の受験する大学の受験料がいくらなのかを調べておきましょう。河合塾の大学入試情報サイトKei-Netのようにそれぞれの大学の受験料が一覧となっている便利なサイトもあるので活用してみてください。
受験料の振込時期とその方法
基本的に受験料は出願書類に必要となるため、出願前に払い込みます。
センター試験の受験料の払込は例年9月の初め頃から10月の初め頃までです。受験案内に付いている「払込書」に記載されている銀行・郵便局の窓口で受験料を払込みます。「日附印」が押された払込書を出願書類に添付する必要があるので、受験料の払込にATMを使用しないように気をつけなければいけません。
私立大学は大学によってバラバラなので一概には言えませんが、1月の半ば頃から2月の初め頃にかけて出願が行われることが多く、受験料の払込もその時期です。ただしセンター利用入試は出願締め切りが早く、センター試験前に出願しなければならないこともあるので注意が必要です。
国公立大学は全ての大学、前期・中期・後期全ての日程の出願期間が同じで、1月の終わり頃から2月の初め頃までです。それまでに受験料を払い込みます。
私立大学・国公立大学ともに基本的にはセンター試験の振込方法と同じように振り込みます。
大学入試の受験料を抑える方法
①センター利用入試を活用する
多くの私立大学ではセンター試験の点数のみで合否を決めるセンター利用入試を取り入れています。ほとんどの場合一般受験するのと比べて受験料が半額程度になっているので、上手く使えば受験料をかなり抑えられます。
ただし、センター利用入試は一般入試で合格するよりも高い学力が求められることが多く、合格するのは簡単なことではありません。センター利用入試に出願するかどうかは自分のセンター試験の点数(見込み)と相談して決めるようにしましょう。
②各大学の受験料割引制度を利用する
私立大学では、同じ大学の複数の学部を受験するときは2つ目の学部からは受験料が割引・免除となったり、インターネットで出願すると受験料が安くなったり、と様々な受験料割引制度を設けています。
自分が受ける予定の大学ではどんな割引制度があるのかを調べてみて、積極的に活用しましょう。
大学入試を受験する際にかかる宿泊費・交通費
遠方の大学を受験する場合には受験料だけでなく宿泊費・交通費もかかることを忘れてはいけません。日程が離れていて何往復もしなければならない場合や、親もついて行くとなるとかなり大きい金額になることもあります。
宿泊費・交通費の目安
宿泊費・交通費については住んでいる地域と受ける大学の位置によってかなり異なります。
例えば大阪から東京の大学を受験するとなると新幹線で大阪から東京を往復で25000〜30000円程度、大学に近い都心の東京のホテルに1泊で10000円程度かかります。これらの費用は工夫次第で安く抑えることもできますが、安心して受験に臨めるようにする事を考えると少し高くなりますね。
宿泊費・交通費は受験する大学の数だけかかります。また、受験が2、3日続く場合には余計に宿泊費がかかってしまいます。
このようにそれぞれの受験する大学の所在地や数、住んでいる地域などによってかなり変わってくるので、自分が受験する際にはどれくらいの費用がかかるのか、考えてみてください。
宿泊費・交通費を抑える方法
①地方試験場で受験する
多くの国公立大学、私立大学が遠方に住む人の受験にかかる負担を減らすためにキャンパスの所在地以外のいくつかの都市でも受験できる地方試験場を設けています。
例えば、2018年度の入試において明治大学はキャンパスがある東京・神奈川以外にも札幌・仙台・名古屋・大阪・広島・福岡を含めた全国8ヶ所のいずれかで受験することが可能でした。
地方に住む受験生にとっては、わざわざ東京まで行く必要がなく移動費を安く抑えられるのでいい制度ですね。
②センター利用入試を受験する
受験料を抑える方法であげたセンター利用入試ですが、大学まで試験を受けに行く必要がないということで宿泊費・交通費も一切かかりません。合格できれば本当に費用を抑えられる入試方式なので、利用を考えてみてください。
繰り返しになりますが、センター利用入試は募集枠が少なく難易度がグッと上がることには注意する必要があります。
おわりに
いかがでしたか。
受験にかかる費用について何も考えずにたくさんの大学に出願してしまうと、受験するだけで何十万円もかかってしまうこともあります。入学金や授業料のために準備していたお金を受験するのに使わざるを得なくなってしまうことも。
そんなことにならないよう、早いうちから自分が受験する際には受験料と交通費・宿泊費が総額でいくらくらいになるのか見当をつけておきましょう。