はじめに
理系受験生のみなさん、理科科目は何をとるか決めていますか?
理科科目には物理・化学・生物・地学の4科目がありますが、多くの理系受験者は物理・化学を選択するのではないでしょうか。
そんな中で今回取り上げるのは、理系受験者の中でも選ぶ人が少ない生物についてです。
今回は生物選択で実際に受験した筆者が、生物選択のメリット・デメリット、また生物選択に向いている人について紹介していきます。
私は生物を選択して良かったと感じているので、どの科目を選択するか決まっていない人や、生物がどのような科目なのか気になっている人にもぜひ生物選択の良さを知ってもらいたいです。
目次
生物選択のメリット
生物選択をすることにはどのようなメリットがあるのでしょうか?実際に生物で受験した経験を踏まえて3つ紹介します。
メリット①:試験で大失敗しにくい
まず1つ目のメリットは、試験で大失敗しにくいという点です。
生物の試験の多くは論述形式で出題されるため、完答できなかったとしても途中過程を踏まえたうえで部分点をもらえることが多くあります。
つまり論述問題で部分点をコツコツ積み重ねて知識問題で確実に点数を取ることで、点数をある程度取ることができますよ。
また出題されるパターンが限られており、1度理解すれば解ける問題が多いので点数が大崩れしにくいです。
私は初見の問題をなくすという意識で模試や過去問を多く解き、知っている解答のパターンを増やしていました。
メリット②:複雑な公式を用いた計算問題がない
理系科目といえば、複雑な公式を用いてたくさん計算して……というイメージがありませんか?たしかに物理・化学は計算が多いですよね。
私は物理基礎を履修した時に複雑な計算の多さに絶望し、物理は向いていないと感じたため絶対に取らないと決めました。
しかし生物では計算が必要な場面が限られています。そのため試験でよく出る計算の仕組みをきちんと理解すれば、簡単な四則計算を使うだけで答えを導き出せるということです。
また理系を選択すると数Ⅲや化学など負担が大きい科目が多いので、少しでも計算から解放されたい理系受験生におすすめです。
メリット③:各単元が独立している
勉強をするうえで「1つの単元につまずいたせいで次の単元も分からない!」という体験をしたことがある人もいるのではないでしょうか?
例えば化学は理論化学を理解しないと無機化学・有機化学が理解できなかったり、数学は因数分解で上手に式変形をしないと先に進めなかったりということが起こりますよね。
一方生物は、DNAなどの遺伝について学ぶ単元、光合成などの代謝について学ぶ単元のように内容がセクションごとに独立しています。
他の科目と比べ各単元の関連性が薄いため、1つの単元につまずき連鎖して分からなくなる、ということが少ないです。
そのためここからやらなければいけないという単元は特にありません。つまり受験に頻出な単元や、興味のある単元から自由に取り組んでもよいということです。
生物選択のデメリット
ここまでメリットのみを挙げてきましたが、もちろん生物選択をすることによるデメリットも存在します。そのデメリットを3つに分けて説明します。
デメリット①:定期試験や簡単な試験では高得点争いになる
メリット①であげた通り、生物は試験で大失敗しにくいため、きちんと勉強した人はかなり高い点数を取ってきます。
また「生物が好き・得意だから選択した」という人も多いので、特に範囲が限られている定期試験や難易度が低い試験では本当に高得点争いになります。
しかし国立二次試験のようにレベルが高い問題では、初めて聞かれるようなことや難しいことも聞かれて思考力が問われるため、高得点を取れる人はかなり少ないです。
だからもし、難しい試験で点数が思ったように取れなくても安心して取り組んでください。
デメリット②:生物対策できる講座や参考書が少ない
選択する人が多い物理・化学は、有名な塾や出版社が監修した優良な参考書が多く売られていたり、志望大学に特化した講座が開講されたりするため充実した対策を取れると思います。
しかし生物は選択している人が少ないので、参考書や講座も他の科目に比べて少なく、自分に合った講座や参考書を見つけられないことも……。
私自身も、自分の受験に特化した生物の講座や参考書をなかなか見つけられませんでした。
そのため学校の授業・教科書・過去問・模試のみを利用して受験に臨むことになりましたが、十分に対策することができました。
自分にあった講座や参考書があるに越したことはありませんが、学校での演習でも十分に対策できます。
ぜひ学校の教科書や模試等を活用し、基礎知識や記述の対策を行いましょう!
デメリット③:進路が限られる
この「進路が限られる」という点が、生物選択をするうえで1番大きなデメリットだと私は感じています。
例えば、工学系や物理・化学系を専攻する学部の場合、受験科目に物理・化学が指定されることも多いです。
そのため少しでも工学系の学部に行きたいと思っている人は生物を選択するのは避けた方が良いでしょう。
また一部の大学では名前に生命が含まれていたり、入学後に生命科学系を学んだりするような学部でも物理・化学選択のみ受験が認められ、生物では受験できないことがあります。
科目選択後に受験できないことが発覚……ということがないように、志望大学や受ける可能性のある大学が生物選択でも受験できるかをしっかり確認しておきましょう!
生物選択に向いている人
ここまでメリット・デメリットについて語ってきましたが、果たしてどのような人が生物選択に向いているのかを紹介していきます。
生物選択に向いている人①:生物が好きな人・生物に興味がある人
得意・不得意ももちろん大切ですが、生物が好きという気持ちは勉強に行き詰った時にとても重要になってきます。
私は生物を勉強しているときに、複雑な生命現象がたくさん出てきて心が折れそうになることがありました。
しかしそのような時も「生物が好き・もっと学びたい」という意欲が大きな原動力となり、諦めずに受験を乗り越えることができました。
また「農学部・理学部生物学科・医学部に入りたい!」というように、生物方面のことを大学でやりたいと決めている人にもおすすめです。
生物選択に向いている人②:想像力が豊かな人
生物には覚えることがたくさんあります。
そんな生物を理解するためには、教科書に載っている複雑な生物現象を頭に入りやすいようにイメージできる想像力がカギになってくると思います。
実際に私は細胞や遺伝子などを擬人化し、かみ砕いて理解するという方法で勉強していました。
免疫の単元で出てくる細胞たちや、代謝の単元で出てくる酵素反応を擬人化やキャラクター化して想像することで、分かりやすくかつ親しみやすく理解することができます。
やり方は様々ですが、このように想像力を生かして理解するのはおすすめです。
生物選択に向いている人③:読解力に長けている人
生物は暗記さえすれば点が取れると思われることが多いですが、それは間違いです。
国立の二次試験や難関私大の生物の問題は論述問題が主流で、問題文が長く初めて見るような設定の問題が出てくることも度々あります。
このような問題の前提条件を理解するためには、問題文を落ち着いて読解できる力が必要になります。
複雑な計算が苦手だから理系は不安という人にとっては、身構えずに取り組みやすい科目だと思います。
国語の得意・不得意は関係ありません。あくまでも落ち着いて正確に文章を読む力が問われるという意味なので安心してくださいね!
おわりに
いかがでしたか?
生物選択にはさまざまなメリット・デメリットがあります。
人によって向き不向きがあると思うので、自分の得意分野や志望大学の出題傾向、入試情報をしっかり照らし合わせて理科科目を選択していきましょう!