はじめに
2021年度、早稲田大学では入試改革が行われ、いくつかの学部で入試方式が変更されました。
中でも政治経済学部は、共通テストの受験が必須化され、学部独自の総合問題が導入されるなど大幅な変更がなされましたね。
過去問が1年分しか無い中、対策を立てるのに苦労している受験生も多いのではないでしょうか?
今回は、2021年度の早稲田大学政治経済学部一般入試を受験した筆者が、新入試の特徴と対策法を紹介します。
目次
早稲田政経新入試の特徴
早稲田政経新入試の特徴①:共通テストでは差がつきにくい
早稲田政経の新入試では、共通テストと独自試験の2つの得点を合計して合否を判定します。
共通テストの点数はそのまま反映されるのではなく、4科目の点数が各25点に圧縮され、100点満点に換算されます。
4科目のうち、外国語、国語、数学 IAの3つが必須科目です。
残りは
- 地理歴史から1科目
- 公民から1科目
- 数学II・数学B
- 理科基礎から2科目もしくは理科から1科目
のいずれかを選択する形となっています。
点数が圧縮されることや、受験生のレベルが総じて高いことから、共通テストではあまり点差が開かないため、独自試験の結果が合否を分けます。
ただ2021年度の受験者の数学 IAの平均点は、74.847点とあまり高くなかったので、数学が得意な人は少し有利だと言えるかもしれません。
早稲田政経新入試の特徴②:学部独自の総合問題は問題文が長い
政経の独自試験は1科目のみで100点満点、試験時間は120分と早稲田大学の一般入試の中でも最短の試験です。
データ分析問題(45点)、読解総合問題(40点)、英作文問題(15点)の3問構成となっており、マーク式問題と記述式問題の両方が出題されます。
共通テストで点差が開かないこと、独自試験のマーク式問題も正答率が高いことから、記述式問題で高得点を取れるかが合格の鍵になります。
またデータ分析問題と読解総合問題は、他の入試と比べても問題文が非常に長いです。
そのため早稲田大学を併願校として受験する国公立大学志望者も、独自試験の時間感覚を掴むために1度は過去問を解くのがおすすめです。
2021年度のデータ分析問題は、本文が約3500文字に加えて図表が10個、読解総合問題は1988語と、旧入試と比べてもかなりの長文でした。
2021年度はデータ分析問題が日本語で、読解総合問題が英語で出題されましたが、2022年度以降は逆になる可能性もあります。
早稲田政経が第一志望の学生や、過去問を解くだけでは不安な学生は、政治経済学部が公開しているサンプル問題も解くと良いでしょう。
2022年度以降の受験生に向けて、早稲田大学入試センターの公式ホームページで2021年度の独自試験の解説がアップされています。
是非チェックしてみてください。
また2021年度は見送られましたが、英語外部試験の活用が検討されているので、こまめに大学の公式ホームページを確認してくださいね。
早稲田政経新入試の特徴③:得点目標は8割以上が望ましい
2021年度入試の合格最低点は200点中151点でした。
しかしこれは約75%得点できれば合格できるということではなく、いくつか注意点があります。
まず政治経済学部の入試では、得点調整が行われます。
独自試験は平均点(2021年度は60.23点)を大きく下回ると、点数が大幅に引かれる可能性があります。
最低でも独自試験で6割は得点するべきです。
共通テストも科目ごとに得点調整が行われますが、そもそも各科目の配点が低く、大幅な加点・減点はないのであまり気にする必要はありません。
また入試方式が大きく変更された年は合格最低点が低く、その翌年は合格最低点が高くなる傾向があります。
そのため2022年度以降に受験する皆さんは、合計で8割以上得点することが望ましいです。
早稲田政経新入試の問題別対策
早稲田政経新入試の対策①:【データ分析問題】論述問題を意識して読む
データ分析問題は45点満点で、マーク式問題と論述問題が出題されます。
最初に論述問題を確認し、それを意識しつつ読み進め、マーク式問題の箇所までたどり着いたらその場で解くのがおすすめです。
問題数が少ない分1問の配点が大きいので、マーク式問題は間違えないようにしましょう。
ただ論述問題を解く時間が足りなくなるといけないので、答えに迷う問題があれば、一旦一番正解に近そうな答えを選んで次に進むべきです。
論述問題には決まった正解はありません。
しかし本文と図表に基づいた回答をしなければいけない上、200字〜300字程度で書かなければいけないので、自ずと書く内容は限定されます。
そのため、論述内容が思い浮かばないという心配はあまりしなくて良いです。
論述問題は簡単に下書きを作り、本文や図表と矛盾していたり論理が飛躍していたりしないかを確認してから解答を作成しましょう。
過去問が少なくて不安な人や、入試までまだ時間があるが感覚を掴みたいという人は、傾向の似ている慶応商学部B方式の論文テストを解いてみるのがおすすめです。
早稲田政経新入試の対策②:【読解総合問題】マーク式問題を確実に正解する
読解総合問題は40点満点で、マーク式問題と日本語による記述問題(空欄補充)が出題されます。
データ分析問題と同じように、最初に記述問題を確認し、マーク式問題は到達したらその都度解くのがおすすめです。
記述問題の解答の根拠になりそうなところに線を引きながら読みましょう。
記述問題は空欄補充形式であり、書く内容が明確なので心配はいりません。線を引いた箇所を参考に解答を作成すれば良いです。
設問自体の難易度は高くないので、この問題では満点を狙いましょう。
当てはまらない選択肢を選ぶ問題であっても、問題文は太字で書かれていないので、ケアレスミスに注意してくださいね。
2020年度以前の入試でも似たような問題が出題されているので、苦手な人は旧入試の過去問でも練習できます。
しかし文章が短く難易度が下がるので注意が必要です。
早稲田政経新入試の対策③:【自由英作文】日々の学習で英語力をつけておく
自由英作文は15点満点です。20分程度で書き上げて、残りの時間で見直しをするのがおすすめです。
この問題は与えられた文に対して、賛成・反対とその理由を述べるというごく一般的な英作文問題です。
語数の指定はありませんが、解答欄の大きさからすると、100語〜150語で書くのがちょうど良いでしょう。
1段落で書く・2つ以上の理由を挙げるなどの指示を読み飛ばさないように注意してください。
このような形式の自由英作文は高校の授業でも扱うので、英作文に苦手意識が無ければ特別な対策は必要ありません。過去問を解けば十分でしょう。
この問題では英語力が得点に直結します。日々の英語学習を怠らないことが大事です。
英作文が苦手な受験生はこちらの記事を参考にしてみてください。
おわりに
いかがでしたか?
マーク式問題を確実に得点すること、本文・図表から根拠を探して説得力のある文章を作成することを心がければ、ぐっと合格が近づきます。
これから早稲田大学政治経済学部を受験するみなさんが、対策を立てる際の助けになれば嬉しいです。