【3分で分かる!】有理数と無理数の違いと見分け方(練習問題付き)

【3分で分かる!】有理数と無理数の違いと見分け方(練習問題付き)

はじめに:有理数と無理数の違い・見分け方

有理数と無理数は数ⅠAの範囲でとても重要です。

今回は東京工業大学に通う筆者が、これから有理数と無理数の勉強を始める人にはもちろん、理解が曖昧で復習したい人にも分かりやすく有理数・無理数とは何か、また、その見分け方を解説します!

最後には有理数と無理数の見分け方を身につけるための練習問題も用意しました。

ぜひ最後まで読んで、有理数と無理数を完璧にマスターしましょう!

有理数と無理数の定義

有理数の定義

まずは有理数と無理数の定義を紹介します。

有理数は、整数と整数の分数で表すことのできる数です。

3や\(\frac{1}{2}\)などが例として挙げられます。(整数である3も\(\frac{3}{1}\)と表せるので有理数です。)

無理数の定義

一方、無理数は、整数と整数の分数で表すことができない数のことをいいます。

「分数で表すことが無理」なので無理数です。

実数の中で有理数でないものは全て無理数になります。円周率πや平方根\(\sqrt{3}\)などです。

有理数と無理数の見分け方

次に、つまずく人の多い「有理数と無理数の見分け方」を解説します。

整数や分数なら「有理数」、平方根\(\sqrt{3}\)や円周率πなら「無理数」ということはわかったと思いますので、ここで紹介するのは「小数」の見分け方です。

ここでは小数を2つに分けます。「有限小数」「無限小数」です。

有限小数とは、1.23のように有限で終わる小数のことです。つまり、小数点以下が有限にしか続かない小数のことをいいます。

無限小数とは、3.1415926535…のように無限に続く小数です。小数の中で有限小数でないものはずべて無限小数になります。

無限小数はさらに「循環小数」「それ以外」に分かれます。

循環小数とは、無限小数のうち、小数点以下のあるケタから先で同じ数字の並びが無限に続くもののことです。例としては1.25252525…など。

循環小数についての詳細は、以下の記事をご覧ください。

【3分で分かる!】循環小数とは?循環小数⇔既約分数への変換の仕方などをわかりやすく

2020.07.28

円周率π=3.141592…は無限小数ですが、同じ数字の並びは出てきませんので、循環小数ではなく、「それ以外」に分類されます。

フローチャート

小数における有理数・無理数の見分け方①:有限小数の場合

有限小数は、必ず有理数です。

たとえば、1.23について考えるとします。小数点以下が2桁なので、100をかけると123になりますよね。

1.23 × 100 = 123

両辺を100で割ると、

\(1.23=\frac{123}{100}\)

となり、123も100も整数であることから1.23は整数と整数の分数で表せました。よって1.23は有理数とわかるのです。

小数における有理数・無理数の見分け方②:循環小数の場合

結論から言うと、循環小数は有理数です。

例として、循環小数1.25252525…を分数で表してみましょう。

(1)まず、a=1.252525…とおきます。循環する数字の列「25」がはじめて終わるのは、小数第2位なので、この小数第2位までが整数になるように100をかけます。すると100a=125.252525…ですね。

(2)次に、小数点以下で循環する「25」以外の数字が出てくるか確認します。今回は小数点以下は25が繰り返し出てくるだけなのでそのままaでいいです。

もし1.32525…のように循環しない数字(この場合は3)が出てきたら、その3が整数になるように両辺に10をかけて10a=13.252525…とします。要するに、小数点以下を循環する数字だけにします。

(3)ここで(1)-(2)、つまり100a-aを計算します。

100a-a

小数点以下がきれいになくなって、99a=124が出てきました。両辺を99で割ると、\(a=\frac{124}{99}\)となります。このようにしてa=1.252525…が整数と整数の分数として表せました。

小数における有理数・無理数の見分け方③:それ以外の小数の場合

循環小数でない無限小数は無理数となります。

円周率π=3.1415926535…や、\(\sqrt{2}=1.41421356…\)も循環しない無限小数です。

【3分で分かる!】有理数と無理数の違いと見分け方(練習問題付き)

有理数と無理数を見分けるための練習問題

それでは問題を解いて有理数と無理数を見分ける練習をしましょう。

問題1

次の数が有理数か無理数か答えなさい。
\(\frac{1}{\sqrt{3}}\)

問題1の解答・解説

\(\sqrt{3}\)は循環小数でない無限小数でしたね。

1を無限小数で割ったらどうなるでしょうか。実はこれもまた、循環小数でない無限小数になります。

よって答えは無理数です。

問題2

次の数が有理数か無理数か答えなさい。
\(\sqrt{36}\)

問題2の解答・解説

ルートがついているので一見無理数のようにもみえますが、落ち着いて考えるとこれは整数の6ですね。よって有理数です。

問題3

次の数が有理数か無理数か答えなさい。
0.23456456456456…

問題3の解答・解説

これは小数第3位以降、456の並びが永遠に繰り返されるので、循環小数です。よって有理数となります。

ちなみに0.23456456456…を分数で表すと、

100000a-100a

より、99900a=23433の両辺を99900で割って、\(a=\frac{23433}{99900}\)です。

最後に:有理数と無理数は数学の基本!

いかがでしたか? 有理数も無理数も数学の基本です。しっかりマスターしましょう!

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2020.08.04



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