女子の割合が2割の東大|東大で学ぶ女子のリアルに迫る!

はじめに|東大には女子が少ない

東大を目指してみたい!という女子学生の皆様の中には、東大の女子率を不安に思っている人が多いと思います。
実際、東大において女子は全体の2割とかなり少数派です。

この記事では、そんな東大女子は普段どんな生活を送っているのか、女子に対して東大がどんな取り組みを行なっているのか、さらにどんな悩みを抱えているのか、などを実際に東大に通う女子学生が紹介し、東大女子のリアルに迫ります。

東大入学者の女子の割合

過去5年の推移から見る女子率

過去5年の女子率は以下のようになっています。

2013年: 18.2%
2014年: 18.5%
2015年: 17.8%
2016年: 18.9%
2017年: 19.8%

以上のように、東大の女子率は過去5年で2017年が最高とは言え、依然20%を下回る状況が続いています。女子がわざわざ東大に行くメリットはない、という過去の社会的風潮に基づいた考えを持つ人が今なお存在していることや、女子は浪人しづらいという風潮から安全校のみを受験する女子が多い、などが理由だと考えられています。

科類ごとの女子率(2017年度合格者)

次に、科類ごとの女子率を見てみましょう。2017年度は、以下のようになっています。

<文科>
文科一類:24.4%
文科二類:16.9%
文科三類:42.1%
<理科>
理科一類:7.5%
理科二類:21.7%
理科三類:19.4%

以上を見ると分かるように、文系では文科三類の女子率が全体の半分弱にまで迫っている一方で、経済学部への進学を希望する人が多い文科二類の女子率は20%にも届いていないという状況です。理科は最高でも20%強、と全体的に女子率は低いです。

【東大の取り組み】東大は女子率を上げようとしている!

今まで見たように、東大の女子率は約20%と非常に低く、これはハーバード大学やイェール大学の女子率が約49%であることを考えると世界の有名大学と比較しても極端に少ないことが分かります。

東大はこの男女比が、世界の有名な大学と比較された際にマイナスのポイントとなっているみたいです。

そこで、このあまりにも歪な男女比を改善させようと、近年東京大学は女子学生を増やす取り組みを行なっているのです。

取り組みその1:女子学生向け家賃補助

東京大学は、今年度から一人暮らしの女子学生に、月額3万円、年間36万円の補助を入学から2年間まで行うという家賃補助制度を導入しました。

対象は自宅から駒場キャンパスまで90分以上離れている女子学生で、条件は大学が用意するマンションに住むことです。所得制限はありません。

この制度によって「お金がかかる」「女の子なのに東京の大学に行く意味が無い」などの理由で周囲から東大受験を反対されることが多い地方の女子学生が少しでも東大を目指しやすくなり、少しでも女子率の向上につながることが期待されています。

取り組みその2:東大女子のためのオリエンテーション実施

「東大女子のためのオリエンテーション」通称「女子オリ」は、毎年合格発表後からクラス顔合わせまでの間にあたる3月下旬に行われるイベントです。東大OGの講演会、東大女子の先輩、そして新入生女子との交流を行うもので、先輩に様々な質問をしたり、入学前に友達を作って幸先の良い大学生活のスタートを切ることができます。

実際、私も女子オリに参加したことでたくさんの人と知り合うことができ、そこで出会った友達と身体検査や手続きを一緒に行い安心して大学生活をスタートできました。また、ここでたくさんの女子の先輩と連絡先を交換したことで、入学後もサークル選びなどで質問がある際に連絡をとることができました。

このように、女子オリは「女子が少なくて友達ができるのか」という心配を解消してくれるイベントの1つです。

取り組みその3:女子高生のための東京大学説明会

「女子高生のための東京大学説明会」は、東大を志望する女子学生及び保護者を対象に、東大の入試制度や進学選択についての説明や社会で活躍する女性による基調講演、及び現役東大女子学生を交えたパネルディスカッションなどを行うイベントです。2018年度の開催情報は以下のようになっています。

日時:2018年9月23日(日)13:00〜16:00
会場:東京大学駒場キャンパス
対象と定員:東京大学で学びたい女子高校生とその保護者(保護者の付き添いは1名まで)800名(先着順)
申込方法:Webサイトの申込フォームから申し込む

参考ページ:http://kyodo-sankaku.u-tokyo.ac.jp/activities/shingakusokushin/setumeikai2018-2.html

【東大女子の実態】東大女子の1日

東大文三女子K.Tさんの1日

東大で最も女子率が高い文科三類。それゆえ、文三女子は学内でもキラキラしているイメージを持たれています。そんな文三に所属する女子はどんな生活を送っているのでしょうか。今回は文科三類1年のに1日のスケジュールを伺いました。

1限(8:30~10:15):「ことばと文学Ⅰ」・・・目上の人に「よくできました」は言わない、などの日本語における普段意識しないルールなどについて考え、ディスカッションを行う授業です。

2限(10:25~12:10):「中国語一列」・・・教科書を使って中国語の文法を学びます。

お昼休み(12:10~13:00):渋谷で友達とランチ

3限(13:00~14:45):空きコマなので、話題のカフェに行っておしゃべりしたりして過ごします。

4限(14:55~16:40):「英語一列」・・・英語の本についてグループでディスカッションを行います。

5限(16:50~18:35):「ジェンダー論」・・・ジェンダーについて多角的な視点から学び、性差や男女共同参画社会などについて考える授業です。

放課後:部活動・・・運動会のフィギュアスケート部に所属しています。週2回、高田馬場のスケートリンクで練習しています。

このスケジュールを見ても分かるように、「真面目」「勉強しかしていない」というイメージを持たれがちな東大女子も、普通の大学生活を送っているのです。また文三だから他の人よりもキラキラした生活を送っている、という訳ではなく、講義中心の大学生活を送っているのですね。駒場キャンパスは渋谷に近いので、昼休みや空きコマには気軽に渋谷まで行くことができます。

K.Tさんの好きな授業は、1年のSセメスター(4〜7月)に行われる「初年次ゼミナール文科」だそうです。この授業は、1年のうちに大学での学びにおいて大切なディスカッションやプレゼン、レポート作成などを少人数体制学ぶもので、テーマごとに様々な種類があります。

K.Tさんの受講した授業は「持続可能な開発について考える」というテーマで、地球規模の問題に対するか初や援助について多角的に考察し、実際に持続可能な開発のプロジェクトを自分で考案する、という内容だったそうです。東大らしいアカデミックかつ主体的な授業ですね。毎週の課題は大変だったけれども、終わった時の達成感と授業で得たものは非常に大きかった、というコメントをいただきました。

東大理三女子S.Sさんの1日

東大で最高の難易度を誇る理科三類。定員約100名の理三に所属する女子は果たしてどんな生活を送っているのでしょうか。今回は、理科三類1年のに1日のスケジュールを伺いました。

2限(10:25~12:10):「微分積分学」・・・テイラー展開や逆関数を利用することで極限を厳密に考えたり、最大値や最小値について考察する方法を学びます。

お昼休み(12:10~13:00):渋谷や神泉で友達とランチ

3限(13:00~14:45):空きコマなので、駒場近くのプールで水泳部の自主練

4限(14:55~16:40):「生命科学Ⅰ」・・・理二と理三は履修が必要で、細胞の構造や呼吸、光合成の機構などを学びます。必修の中では一番医学部の学習に通じそうな授業です。

5限(16:50~18:35):「宇宙科学Ⅰ」・・・ビッグバンの証拠やn倍太陽質量の一生、宇宙の測定法など宇宙について広く触れる授業です。

放課後:アルバイト・・・家庭教師のアルバイトをやっています。

さすが理系、という感じの時間割ですね。文系の私には内容を聞いても理解できませんでした。

とは言え、理系だから1日中授業、ということはなく、1限は空いていたり、空きコマには水泳部の練習をしたり、放課後にはアルバイトをする、など普通の生活を送っています。家庭教師のアルバイトは東大生の多くが行っています。家庭教師以外にも、塾講師や予備校のスタッフなど、受験に関するアルバイトをしている人が多くいる印象ですね。

S.Sさんの好きな授業は「FLOW」という必修の英語の授業だそうです。この授業ではスピーキング能力の向上を目標とし、少人数でディスカッションを行ったり、授業の反省点を英語で述べてそのビデオを自撮りする、という課題が出されます。最終的には英語でプレゼンを行い、クラスメイトの発表に質問提起をする練習を行ったそうです。

S.Sさんは、このFLOWがSセメの中で最も能動的な授業だった、とコメントしています。

【東大女子の実態】東大女子の恋愛事情

東大には、「銀杏伝説」というものがあります。「東大女子は、1年の時駒場の銀杏が散るまでに恋人ができなかったら、卒業までずっと恋人ができない」という末恐ろしいジンクスです。

ですが、これはあくまでもジンクスに過ぎず、1年生の冬に付き合い始めた彼氏と4年生になった今でもずっと付き合っている、という知り合いの先輩もいます。

このジンクスは、五月祭や駒場祭などのイベントが終了し、出会うチャンスが少なくなるのが秋の終わり、ちょうど銀杏が散ることであることから言われ始めたのではないでしょうか。

同様のジンクスは慶應義塾大学にも存在するようです。また、東大女子だからモテない、ということはなくて、クラスやサークル、バイト先が同じだったり、浪人時代に予備校が同じだった人と付き合っている女子の知り合いが何人もいます。

ただ、ほとんどの場合東大女子は東大男子としか付き合えない、というのは事実です。やはり東大女子を敬遠してしまう他大生が多いからでしょう。

【豆知識】東大女子が入れないサークルがある?!

東大にはたくさんのサークルがあり、「学内サークル」と「インカレサークル」の2つに大別されます。前者は文字通り、東大の学生のみで構成されるもので、後者は、東大生だけでなく他大の学生も参加することができるものです。

そしてインカレサークルは、東大男子と他大女子(大抵女子大生)で構成されるものが多いので、東大女子が入りにくい、あるいは入れない、というケースが多いです。

特にそれが顕著なのがスポーツ系のサークル。例えば大学生活の花形とも言えるテニスサークル(通称テニサー)は、インカレサークルの場合だと東大女子は入れません。参加条件に「東大女子お断り」という文言がなかったとしても、実際入ってみたら他大女子ばかりで居場所がない、というケースが多いのです。

つまり、東大女子が入れないサークルが存在するのは事実です。しかし、学内サークルであるテニサーももちろん存在するので、大学でテニスをやりたい場合はそういったサークルに加入することができます。

東大女子でよかったこと・メリット

女子の団結力が強い

東大において少数派であるからこそ、女子同士仲良くなりやすいです。女友達を大切にしよう、と考える東大女子が多いため、前述の女子オリや入学前に行われる身体検査など、女子だけが集まる機会では積極的に話しかけてくれる人がたくさんいます。

また、クラスの中でも女子が少ないため、女子会や制服ディズニーなど、女子だけのイベントが開催されやすく女子の団結力が強まります。さらに、これは私の体験談ですが体育の授業で約50人中女子が6人しかいなかったため、その6人がクラスを超えてとても仲良くなりました。

女子の意見を尊重してくれる

東大女子が入れないサークル、などの話から「東大女子は肩身が狭いのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、実はその逆で女子の意見はかなり尊重されます。

東大には、自分の意見を押し通すのではなく、多様な意見を取り入れることでより良いアイデアを生み出そうとする風潮があります。少数派の女子の意見はかなり大切にしてもらえるのです。

私は、東大の学園祭である五月祭でクラスの責任者を務めましたが、その時も「リーダーは男子がやるべきだ。」などの古い考えを持つクラスメイトは1人もおらず、むしろ「女子が指揮をとってくれたおかげでみんなが積極的に手伝う気になったんだと思う。」と言ってくれたのを今でも覚えています。

東大女子で困ったこと・デメリット

ここまで東大女子でよかったこと、について述べてきましたが、次に「東大女子で困ったこと」について説明したいと思います。

他大生からの印象が悪い

これは東大女子の普遍的な悩みだと思います。学外で他大生と交流する時、自分が東大生であることを紹介すると周囲からドン引きされることが多いです。大学名を言う際は「一応」と言ってしまうことがよくあります。

中には、他大学の名前を出して東大生であることを隠そうとする東大女子も。ただでさえ目立つ東大生の中で、少数派である女子はかなり珍しがられたり引かれてしまうのです。

新勧期はそれが嫌だった私ですが、大学名を理由に交友関係が狭まるのは納得いかないと考え直し、最近では自己紹介でも遠慮しないようにしています。こちらからたくさん話しかけて自分が普通の大学生であることをアピールすれば、相手も普通に接してくれるようになるものです。

キャンパス内に女子トイレが少ない建物がある

これは少し細かい情報ですが、駒場キャンパスの7号館には男子トイレが1、3、4階にあるのに対し、女子トイレは2階だけです。7号館で授業がある時は混むのでかなり不便です。

ここで、今までの話と比べたらどうでもいいのではないか、と考える読者の方も多いと思います。ですが、実はこの「7号館女子トイレ問題」は受験にも直結します。文科二類を受験する人はこの7号館が試験会場となる可能性が非常に高く、休み時間の女子トイレの混み様は最悪としか言いようがない状態なのです。

実際に私も7号館で受験しましたが、あまりのトイレの混み具合にイライラした記憶があります。7号館は女子トイレが少ない、ということを念頭に入れておくと、入試本番で慌てることなく行動できそうですね。

最後に|未来の東大女子へ

ここまで読んでくださった皆様のほとんどが東大受験を考えている方だと思います。私も受験時は、受かるかどうか、という心配と同時に、受かったとしても、女子が少ない状況でやっていけるのか、という不安を抱いていました。

しかし、その不安は杞憂に終わりました。確かに大学生活を送っていると女子が少ないと感じるシーンは多くあります。ですが、入学してから今まで、自分が女子であることにハンデを感じたことは一度もありません。

学問に性別は関係ありません。誰にでも平等に自分の学びたい環境に行くチャンスがあるはずです。東大を目指すうえで「自分は女子だから」と尻込みする必要は一切ないのです。

東大に憧れを抱いている女子の皆様には、性別を理由にその夢を諦めて欲しくないです。応援しています!




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