はじめに
私大最高峰と称される早稲田大学。大隈講堂や銅像はテレビなどで一度は見たことがあるでしょう。「早稲田大学に入学したい!」という思いを持っている方も多くいるはず。
この大学ではたくさんの学生が学んでいますが、メディアで大学について取り上げられたとしても、実際の大学生活が紹介されることはあまりありません。
早稲田大学ってどんな大学? 大学生活って一体どんな感じなんだろう?
この記事では、現役早大生にインタビューをして、リアルな大学生活を赤裸々に語ってもらいました。大学生活に迫れるいいチャンス。オープンキャンパスや受験前に知っておきたい情報が満載です!
今回メッセージを書いてくれた方はこちら!
名前 | Y.A |
出身高校 | 私立帝京大学高校 |
在籍している学部と学年 | 文化構想学部2年 |
うちの大学・学生はこんな感じです
まずは早稲田大学の雰囲気や学生生活について教えてください
早稲田大学には複数のキャンパスがあります。かの有名な大隈講堂・大隈銅像がある早稲田キャンパス(通称:本キャン)をはじめ、戸山キャンパス(通称:文キャン)や西早稲田キャンパス、喜久井キャンパスや東伏見キャンパス、そして所沢キャンパス。それぞれのキャンパスで学部ごとに学びます。
学部が違うのでそこに集う人たちの方向性も違います。そのため、キャンパスごとに雰囲気や生活は違ってきます。
私が通っているのは文キャンです。文キャンは本キャンから約10分のところにあり、文学部・文化構想学部の学生が4年間を過ごす場所になります。
在校生の雰囲気としては、大人しい人も少し浮かれている人もいますが、度を超えたパリピはたぶんいない(今まで見かけたことがない)です。文・文化構想学部は取れる講義が共通していることもあってか、学部同士似たような雰囲気の人が多い印象を受けますね。
学生生活は、そうですね……。文化構想学部は他の学部より必修の講義が少ないからかよく「あそぶんこー」なんて言われていますが、講義を取得上限ギリギリまで取って勉強に励む人も図書館に足しげく通う人もいます。やっぱり人それぞれなんですよね。
講義を受けて、友達と遊んで、バイトして。学生生活自体はほかの大学に通う人とそんなに変わらないと思います。
ちなみに本キャンの人たちの雰囲気は、文キャンの人たちよりもなんだかチャラい感じがします(あくまで個人の感想です)。まあ通う人数が多いですから、そういう人たちを目にする機会が多くなるということなんでしょうね。あと、留学生もよく見かけます。文キャンにも留学生はいるはずなんですけどなかなか見かけません。
学びたいことがそこにあった
早稲田大学を目指そうと思った理由を教えてください
高1のときから色々な大学のオープンキャンパスに行き始めたんです。そのときはどこの大学に行きたいかなんて考えていなくて、実家から通える有名な大学をとりあえず見ていこう、と。早稲田大学もそのうちの一校でした。
オープンキャンパスでは模擬講義が学部ごとにいくつか行われます。当日配布されたパンフレットを見てどの講義を見てみるか検討していたんですね。そこで目に入ったのが、社会科学部の模擬講義。元々興味のあった「言葉」についての講義だったので体験しに行きました。
いやぁ面白い。この教授の講義を受けられたら大学生活楽しそう!
その日から早稲田大学の受験を考え始めました。当時は頑張れば早稲田大学に合格できなくもないのではという微妙な学力でしたが、仮の目標ができたことで勉強に身が入るようになりました。
その後も何校かオープンキャンパスに行きましたが、あの模擬講義を超えるものはありませんでした。これで目指す大学が早稲田大学にしっかりと決まりました。
次は学部選び。社会科学部であの教授の講義を受けたいと思っていましたが、ほかに設置された講義が自分の学びたいものとは少し違う方向性で迷っていました。そんなとき、教授が文・文化構想学部でも講義をされると知りました。ほかの講義も自分が学びたいことと合っていると分かり、文・文化構想学部の受験を視野に入れました。
文・文化構想学部で受けられる講義は基本同じです。私が文化構想学部を選んだ理由には、2年次に所属する論系・コース(それぞれ学科のようなもの)に関係があります。文学部は所属したいコースが毎年人気だという1つだけでほかは興味がないという状態だった一方、文化構想学部には所属したいものが複数ありました。所属先は成績順に決められるので、興味のあることを勉強して卒業できるだろう文化構想学部にしました。
入学してやっぱりよかった!
早稲田大学に入学してやっぱり良かったなと思うところはどんなところですか?
学びたい校舎に通えているだけで「やっぱり良かったな」と思いますよ。
でも一番はお目当ての教授の講義を受けられたことですね!ずっと受けたいと思っていたので。春学期も秋学期も教授の講義があったので楽しい1年でした。講義で使う教授の著書にサインもいただきました(笑)
オープンキャンパスや早稲田祭(学園祭のこと)で見慣れた施設を実際に使える点も良かったなと思うところですね。今までは来訪者として使っていた施設を学生として使えるとなるとやっぱり気分がいいです。「あこがれの施設で大学生活が送れるんだ」と今でも改めて思います。
早稲田祭に関しては、自分が「迎える側」になったということも挙げられます。前の年までの自分は言ってみれば「お客さん」だったわけです。それが今の自分は、入りたいと思っていたサークルのブースでお客さんを迎え入れる側。感慨深い!
あとは……そうですね、「どこの大学行ってるの?」と聞かれたときに元気よく「早稲田大学」って言えることでしょうか。周りの人から「すごいね」と言われるのはやっぱり嬉しいです。それに何よりも、自分がそう言う度に「自分は志望校に入学できた」という事実をかみしめられます。
交友関係もですね。学部関係なく周りの人のほとんどが早稲田大学を志望していたわけなので、ウマが合う人が多い気はします。必修の講義やサークル内で気の置けない友人がたくさんできました。
他にも、留学生との交流があったり、就活のサポートが手厚いと聞いたりします。まだまだこれから「早稲田大学に入学して良かったな」と思うシーンに出合えそうです。
これは想像していなかった……
早稲田大学に入学してこれは思ってもみなかったなという部分はありますか?
大学生のほとんどが英語とは別に第二外国語を学ぶと思います。でも、まさか週4だとは……文構やりすぎでは……? 語学力を周りの人並みに身につけるのに苦労しました。そうやって第二外国語に偏りすぎると英語がおろそかになっていくという……。
人間関係の要がサークルだけとは思ってもいなかったですね。必修ではない講義を取っている人と友達になることや、学部を超えて人間関係を築くのは、人によりけりですが難しいかもしれません。同じ志を持っている者同士すぐ仲良くなれるわけでもないようです。
他にはこれと言って想像していなかったことはないのですが……しいて挙げるなら、高校までと同じように講義中でも私語をする人がいるという点ですね。前方の席に座れば問題ないのですが、「結局人間ってしゃべりたがるんだな」とやや残念に思いました。
あ、あと一つ。文・文化構想学部の学生は教育学部の講義を受けて教職や司書などの資格を取ることもできるのですが、それらは進級・卒業に必要な単位には入らないと聞いて驚きました。せっかくなので単位に入れてほしいなというのが本音です。
大学生になると「ここ」が変わる
高校時代と比較して大学生になってここが変わった!と感じることはありますか?
まず考えつくのは、高校までのようにずっと一緒に過ごすクラスがない点ですかね。一応英語と第二外国語はクラスという位置づけですが会っても1日90分。互いに取っている講義が被らない以上は、固定されたメンバーで1日を過ごすことはありません。
学生一人一人で時間割が違うというのも大きな特徴でしょうか。高校まではクラスで同じ授業を受けていたというのがほとんどだと思います。しかし大学では、必修の講義さえ取れば、卒業に必要な単位数を考えつつ自分が受けたい講義を自由にとればOKです。
パソコンが身近になるのも新鮮でした。講義で課されたレポートを自分のパソコンや大学のPCルームにあるパソコンで作成するようになります。スマホ使用不可だった高校時代までとはまるで違う。時間があればパソコンで文献収集、大学生ならではって感じがします(笑)
あとそうですね、サークルや部活にはいくつ入ってもいいしどこにも入らなくてもいいという点もありますね。バイトも然り。これらを通して人間関係を広げていくのが定石となっているようです。
全体的に言えることは、自分の生活は自分で決める、ということです。どういう講義を取るか、どんな経験をするか、交友関係はどうするか。時限のチャイムが鳴らないので時間管理も大切になりますね。どんな大学生活になるかは一人一人にかかっています。自己決定が問われる4年間になるでしょう。
ちなみに、晴れて入学した後は「早大生」という目で見られることになります。大学の名前で人からの判断が変わるような社会の厳しい面に触れるのも、高校までの生活とは変わってくる点です。
オススメ・お気に入りスポット
早稲田大学のキャンパスでオススメ・お気に入りの場所があれば教えてください
文キャンにはお気に入りの場所がたくさんありますね。
まずはカフェテリア。
生協の食堂なのですが、食堂内と外に席があるんです。中の大半と外の席は4人1テーブルになっていて、友人と話しながら食事をしたりプレゼンの打ち合わせをするのに向いています。中にはカウンター席もあって、急いで食べたいときや一人で作業するときに向いています。お昼時は混むので席を確保するのが大変です。
次に戸山図書館のB1階と4階。図書館には実にたくさんの本がありますが、階段を下りて左に行ったB1階の書庫は圧巻ですね。見上げるほどの可動式本棚に何段も本が収められているんです。本や図書館に関する書籍も充実していて、全冊読むには時間がかかります。4階は他の階と比べてフロアの面積が狭く席数が少ないのですが、これがまた落ち着くんですね。パソコン使用不可のエリアのため静かで、集中したいときにオススメです。3階を見下ろせるのも開放感があって好きです。
あとは33号館にある不思議な形をした黒いイス。
このイス、Cの字のような形をしているのですが、なんと座り方によって「イスと背もたれ」「イスとテーブル」という使い方ができるんです! 気付いた時には驚きました。33号館での講義の前はここで本を読んだりパソコンで作業したりしていました。
そしてこの春、文キャン入ってすぐのところに「戸山の丘」ができました。自習スペースもスタバもあるので、お気に入りの場所になること間違いなしです。
さて、本キャンのお気に入りの場所は中央図書館だったり14号館の地下にある教育学部学生読書室や15号館の0階(地階)だったりしますが……オススメの場所はやっぱり「會津八一記念博物館」ですね!
會津八一記念博物館は美術館のようなところです。定期的に企画展が催されています。私は美術に詳しくないのですが、やっぱり本物の作品を見ると感動しますね。そしてここの目玉はなんといっても、横山大観と下山大観による水墨画「明暗」! とても大きな円形の紙に描かれた画で……という話は長くなるので、現地の解説パネルをぜひ読んでください!
まだまだ話したい!大学のあれこれ
ここまででお話しいただいたこと以外に何か早稲田大学や学部の特徴などありましたら教えてください
まず図書館についてお話ししたいです。早稲田大学の蔵書はとても充実していて、誰でも知っている本から貴重書などのなかなかお目にかかれない本もあります。また、そのキャンパスの図書館にない本でも、他のキャンパスから取り寄せることもできます。早稲田大学にしかないたくさんの本や資料を好きなだけ利用できるって素敵だと思いませんか?
学部の特徴については、サブカルチャー好きな人が多いというのを補足しておきます(サブカルチャーと言ってもアニメ・マンガだけではないですよ)。サブカルチャーを扱う講義や論系が他の学部より多いからだと思います。
早大の特徴は、どんな人でも受け入れてもらえる点ですかね。性格も人種も障害の有無もそれぞれで、皆がそのままでいられる。理解があって懐が深い人が多い気がします。「早大になじめるかな……」と心配する必要はないでしょう。
おまけに。大隈講堂の鐘は一日に何回か鳴ります。聴けたらラッキーと思っているのはきっと私だけではないはず……。厳かな雰囲気がします。
受験生への応援メッセージ
最後に受験生への応援メッセージをお願いします!
ことあるごとに「早稲田大学の入試は難しい」と聞くと思います。それで「早稲田大学は難しいから受験をあきらめようかな」と思ってしまう人もきっといるでしょう。この記事を読んでくださっている皆さんの中にも当てはまる人は少なくないはず。
それでもあきらめないでほしい。難しい問題でも土台となっているのは基本的な知識です。とんでもなく重箱の隅をつつくような問題もたまに出ますが、それは基本的事項を問題にしても差がつかないからです。つまり、基本的な要素を着実に固めていけば合格に近づいていけます。
結局は「基本をどれくらい固められていて、どれくらい+αのことを知っているか」がカギなんです。それには地道な努力が絶対に必要で、日々の努力の積み重ねが大事。1年間努力し続ければ合格は見えてきます。
受験生としての毎日、特に受験期は勉強ばかりでしんどいと思います。それでも頑張った人があこがれの大学に入学できる。早大はそういう大学だと思っています。
勉強面で私から言えるのは上記のことです。あとは皆さん次第。過ごしたいキャンパスライフを思い描いて、できることをしていってください。
春に早稲田大学で会いましょう!