はじめに
皆さんは、「他学部聴講」という言葉を聞いたことがありますか?
「なんとなく聞いたことはあるけど、実際にはどういうものか分からない」「そもそも聞いたことがない」という方もいるでしょう。
この記事では、そんな他学部聴講について紹介していきます!
気になってい方は、チェックしてみてくださいね。
目次
他学部聴講とは?
他学部聴講とは、先ほども述べたように他の学部の科目を履修することです。
例えば、「経済学部だけど、自分には合っていなかった。ロシア文学に興味が出てきたから文学部の科目を取りたい」という場合でも、文学部の科目を履修することができます。
ただし、大学によって履修上の制限があったり、他学部聴講の手続きをしなければならなかったりする場合もあります。
以下では、大学別にそのあたりの事項を紹介していくことにしましょう!
各大学の他学部聴講制度(東大、早慶、MARCH)
【東大】理系でも文系科目を履修できる!
東京大学では、「文科一類」などの科類に分かれる前期課程(1・2年)、「法学部」などの学部に分かれる後期課程(3・4年)があります。
前期課程では、総合科目という文系でも理系でも取れる科目があります。
これによって、文科生でも理系科目を、理科生でも文系科目を履修することができるのです。
東大の前期課程について詳しく解説した記事もありますので、あわせてご覧ください!
後期課程では、他学部聴講制度を使って、自分が所属する学部・学科の授業以外にも、余裕があれば他の学部の授業を受けに行くことができます。
文学部や教育学部は学部ごとの必修科目の単位数が比較的少ないので、他の学部の科目も取りやすいですよ。
例えば文学部では、卒業に必要となる単位のうち、およそ半分が文学部の必修以外の科目や他学部の科目となっています。
逆に、工学部や医学部といった理系の学部では、学部ごとの必修科目の単位数が多く、どの学部の授業でも充てられる単位数が少なくなっています。
理系学部では、そもそも他学部聴講の単位数が制限されていることが多いので注意が必要です。
ただし、理系学部であっても工学部の社会基盤学科・建築学科・都市工学科は、必修科目が比較的少なく、また他学部聴講の単位数に制限がありません。
【早稲田大学】オープン科目で他学部聴講が可能!
早稲田大学では、「オープン科目」といった全学部履修可能な科目があります。
例えば、法学部の人が文化構想学部のオープン科目を履修することもできるのです。
また、理工学部などの理系学部の学生も文系学部のオープン科目をとることができますが、理系と文系ではキャンパスが違うので、キャンパス移動が少し面倒かもしれません。
さらに、他学部聴講の他にも「他大学提供科目」があり、立教大学など協定を結んでいる他大学の科目も単位として認められます。
早稲田大学の他にも、東京工業大学や大阪大学でもこの制度が取り入れられています。
【慶應義塾大学】学部によって様々
慶應義塾大学では、手続きをすれば他学部聴講をすることができますが、基本的にはその学部の人の履修が優先されます。
また、学部によっては他学部聴講ができない科目もありますが、基本的には必修科目は履修が制限される場合が多いようです。
例えば、文学部では必修科目の他学部聴講ができず、「人の尊厳」「書物の世界」という科目は文学部生の履修が優先されます。
慶應文学部について詳しく知りたい人はこちらの記事を見てください!
また、医学部では基本的に他学部聴講が認められておりませんが、理工学部では基本的に他学部聴講の制限がありません。
このように、どこまで他学部聴講が制限されるされるかは、学部によってまちまちです。
【他学部聴講】MARCH(明治・青学・立教・中央・法政)の場合
東大・早慶だけではなく、いわゆるMARCHと呼ばれる明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学でも他学部聴講を行っています。
No.1:明治大学
明治大学では、基本的にどの学部でも履修登録の時に申請すれば他学部聴講をすることができます。
なんと、理工学部の人が農学部の農場実習を受けることもできるのです!
MARCHの中でも幅広い部分で他学部聴講が認められている大学と言えるでしょう。
ただし、早稲田と同様に学部によってキャンパスが異なるので、キャンパス移動が面倒かもしれません。
明治大生にインタビューした記事も是非参考にしてください!
No.2:青山学院大学
青山学院大学でも履修に制限がある学部もありますが、他学部聴講できる科目が多いです。
特に、博物館実習などの学芸員の資格を取得するのに必要な科目(本来は文学部史学科の科目)も他学部聴講できるので、文学部史学科に行かなくても学芸員の資格を取得することができますよ。
ただし、「3年からしか履修できない」「国際政治経済学部の一部の科目は他学部聴講できない」など、制限があるものも多いので注意が必要です。
No.3:立教大学
立教大学では、全学部他学部聴講ができます。
全学共通科目(全カリ)というシステムがあり、そこに登録されている科目はどの学部でも履修することができます。
日本手話など、大学の中では珍しい科目もありますよ。
ただし、必修科目や専門科目は他学部聴講が認められていないものが多いので注意しましょう。
また、教員免許関連は教育学部以外の学部での聴講が認められていない場合があります。
教育学部以外で教員免許が取りたい場合、取得できるものの種類が限られているので、そこも注意してください。
↓教育学部以外で取得できる教員免許
http://www.rikkyo.ac.jp/campuslife/support/certification/education.html
No.4:中央大学
中央大学には、FLP(Faculty Linkage Program)という制度があります。
ファカルティリンケージ・プログラム(FLP)とは、各学部に設置されている授業科目を有機的にリンクさせ、新たな知的関心の領域に対応する教育の「場」を設定するプログラムです。
引用:http://www.chuo-u.ac.jp/aboutus/gp/flp/introduction/about_flp/
そこに登録されている科目は、どの学部でも履修可能です。
ただし、他学部のFLPの科目は30単位を超えて履修することはできないなど、制限があります。
また、理工学部の学生が文系学部のFLPの科目を履修することもできますが、早稲田や明治と同様キャンパス移動が面倒かもしれません。
No.5:法政大学
法政大学には、他学部公開科目があり、これもどの学部でも履修可能です。
ただし、他学部公開科目の履修は3年からになります。
もちろん理系学部生が文系学部の科目を履修することもできますが、抽選がある科目など制限がある場合もあります。
おわりに
いかがだったでしょうか?
他学部聴講は基本的にどこの大学でもできますが、手続きやキャンパス移動が少々面倒な場合が多いです。
そのため、高校生のうちから本当に自分が行きたい学部がどこか、よく調べて考えておく必要があるでしょう。
また、他学部聴講が充実している大学の方が「やっぱり自分のやりたいこととは違う」と思ってもある程度の修正はききます。
ここで挙げられたような大学を目指すのも1つの手ですね。