はじめに
みなさんは、大学での勉強をどのようにイメージしているでしょうか?
大学・学部ごとに学ぶ内容は様々ですが、実は、ほとんどの大学生が共通して学ぶのが「第二外国語」です。
この記事では、大学生が第二外国語をどのように勉強し、どのレベルまでできるようになるのかを紹介します。
大学生の外国語学習について興味がある人や、大学で何の勉強に力を入れるか迷っている人は是非読んでみてくださいね。
目次
大学生は新しい言語を習得する!
多くの大学では、受験で使用した「第一外国語」の他に、もう1つの言語を選んで講義を受けるカリキュラムとなっています。そのもう1つの言語が「第二外国語」です。
多くの高校生は英語が第一外国語なので、第二外国語は英語以外の言語ということになりますね。
大学によって様々ですが、中国語、ドイツ語、フランス語、朝鮮語、スペイン語、イタリア語、ロシア語が第二外国語として用意されている場合が多いです。
それらの選択肢の中から、自分が希望した言語を選択することができますよ。
大学生はどのように第二外国語を学んでいるの?
大学生の第二外国語①講義で学ぶ
大学生が第二外国語学習を進める上で基礎となるのが、大学での講義です。
初学者は文字の発音から始まり、重要な文法事項、重要単語、よく使う表現などを、順を追って勉強していきます。
多くの大学で、第二外国語既習者向けのクラスも用意されています。
既習者向けのクラスでは、初学者向けのクラスより高度な表現が扱われるほか、講義スピードも速いのが特徴です。
第二外国語の講義は一般的に週2コマ程度です。
しかし、学部によって講義数や単位が進級に及ぼす重要度は異なってきます。
理系よりも文系、特に文学部や語学部で第二外国語が重視される傾向がありますね。
テキストは大学から指定され、そのテキストに沿って先生が講義をする形式がほとんどです。
学習が進んでいくと、会話・読解・文法など、講義ごとに特化する分野が分かれてくることもあります。
ネイティブの先生に教わる講義もありますよ!
語学やその言語を使う文学を専攻しない限り、学年が上がると、第二外国語のコマ数は減っていくのが普通です。
第二外国語に触れる時間は、1年生が最も多いかもしれませんね。
大学生の第二外国語②自分で学ぶ
大学での講義に加えて、自学で第二外国語を勉強する人もいます。
方法としては、外国語教室に通ったり、発展的な参考書を買って進めたりすることが挙げられます。
これらは大学の講義がない長期休暇中にも、学習を進めるために有効な方法です。
国際交流系のサークルに所属し、留学生と友達になることでコミュニケーションに慣れていく人もよく見られます。
大学は高校よりも様々な国と地域から留学生を受け入れているので、授業やゼミで留学生と出会うこともあります。
積極的に声をかけてみると良いかもしれません。
また、多くの外国語学習者は、資格取得を目標に設定していますよ。
例えばフランス語には、実用仏語検定やDELFといった資格があります。
他の言語にも資格は用意されているので、気になる人はどのようなものがあるか調べてみましょう。
書店には資格対策用の参考書が並んでいるので、資格を念頭に置くと参考書学習も進めやすいです。
就職や留学で役立つ資格の取得を目標にすれば、モチベーションを上げることもできそうですね!
大学生はどのくらい第二外国語ができるようになるの?
ペラペラになれるか、全部忘れてしまうかはあなた次第
中高6年間ほぼ毎日向き合う第一外国語と異なり、自分の裁量で力の入れ具合を調整できるのが第二外国語の大きな特徴です。
講義を一生懸命受け自学でも努力を重ねれば、海外で通用するレベルまで語学力を引き上げることが可能です。
しかし講義の予習復習を怠り、テスト前に重要事項を詰め込むだけだとその場限りの知識になってしまうでしょう。
自分が大学で勉強したいことや将来つきたい職業を考えた上で、第二外国語との向き合い方を決めることが重要ですよ。
以下では実際大学生がどのくらい第二外国語を身につけているのか、具体例を見ていきましょう。
慶應大学文学部2年:Aさん(フランス語選択)の場合
質問1
講義の頻度と内容はどのくらいですか?
質問1への回答
1年生の時には週3コマ、フランス語の講義がありました。一通りの文法事項と、初歩レベルの発音・単語を習得しましたね。
2年生になって仏文学専攻に進むと、フランス語の講義が週5コマに増えました。
ある講義では文献の和訳、別の講義では作文、また別の講義では会話といったように、それぞれの技能に特化しながら、1年生の頃より発展的な内容を学んでいます。
質問2
身についていると感じる語学スキルはどのようなものですか?
質問2への回答
語彙、文法を実践的に使うスキルが徐々に身についていると感じます。
今は児童書レベルの本を読めたり、街で流れる簡単なフランス語のアナウンスが聞き取れたりする程度ですね。
質問3
これからの第二外国語学習はどのような予定ですか?
質問3への回答
仏文学専攻では、3年生になると留学する人も多いので、留学を視野に入れていきたいです。
学校を介しての留学は、フランス語の検定で一定の成績を取らなければ許されないため、より一層力を入れて勉強したいと思います。
週5時間授業があったとしても、大学の講義だけではスラスラ発言できるレベルまで到達するのは難しいので、留学は有効な選択肢だと感じますね。
東京大学文科二類2年:Bさん(中国語選択)の場合
質問1
講義の頻度と内容はどのくらいですか?
質問1への回答
1年生の時には週3コマ、中国語の講義がありました。
そのうち2コマでは文法の練習、1コマでは発音や会話の練習をしましたよ。
東大の講義スピードは早く、1年生の間に一通りの文法事項を学びましたね。
2年生以降では中国語の講義は基本的にはないので、講義をとっていません。
質問2
身についていると感じる語学スキルはどのようなものですか?
質問2への回答
一通りの文法事項は身についたと感じます。
しかしネイティブの話す中国語はとても速くて、聴き取ることが全くできないですね。
講義は真面目に受けていて1年生の成績は良い方でしたが、2年生になってから全く中国語に触れていないため、文法事項はほとんど忘れてしまいました。
今では、街中に書かれている中国語の単語をたまに読むことができるくらいですね。
質問3
これからの第二外国語学習はどのような予定ですか?
質問3への回答
せっかく中国語を学んだので、完全に忘れないうちにHSKという中国語の資格を取得しようと検討しています。
おわりに
第二外国語を大学生のうちにマスターするには、努力と時間が必要だということをわかっていただけたでしょうか。
しかし自分の頑張り次第で大きく力を伸ばせるのも確かなので、向き合い方を自分で考えてみてください。
おそらくみなさんには、大学生活の最初に、第二外国語をどの言語にするかの選択が待っていますよ。
大学生活の設計をする際には、第二外国語のことも頭に入れておきましょう!