慶應薬学部1年生の授業ってどんな感じ?時間割から授業内容までを大公開!

はじめに

皆さんは大学入学後の授業について考えたことはありますか。

薬学部生が普段受けている授業は意外と知られていないのではないでしょうか。

そこで、今回は慶應義塾大学薬学部1年生である筆者が、慶應薬学部の大学生活時間割授業内容について詳しく紹介します。

この記事を通して、慶應薬学部1年生の大学生活や授業のイメージが伝われば幸いです。

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2017.07.01

慶應大学薬学部1年生の大学生活とは?

始めに入学後の大学生活について授業に関することを中心に簡単にご紹介します。

人数とキャンパスについて

慶應薬学部には6年制の薬学科4年制の薬科学科の2学科があり、人数は合わせて210人ほどです。

また、男女比も薬学部は女子が圧倒的に多いイメージがあるかもしれませんが、実際は学部全体で男女半々か、女子がやや多めくらいになっています。

1年生の間は他学部の学生と同様に日吉キャンパスに通いますが、2年生以降は薬学部のキャンパスである芝共立キャンパスに通うことになります。

慶應薬学部1年生の授業について

慶應薬学部では、1年生のみ春学期(4月~7月)と秋学期(10月~1月)の2学期制です。

授業には学部ごとの「必修授業」と、学部に関係なく受けたい授業を履修できる「一般教養」の2つがあります。

どちらもほとんどの授業が1つの学期で完結し、学期末に試験又は期末レポートの提出が課されます。

ちなみに2年生以降は、通うキャンパスが変わると共に4学期制に、授業も全て薬学の専門科目となりますよ。

慶應薬学部1年生の時間割紹介

ここで慶應薬学部生の実際の時間割を紹介します。こちらは薬学科1年生である筆者の春学期の時間割です。

必修授業は授業時間が決まっているので、空きコマに一般教養を入れています。下線を引いてある授業が必修授業です。

1年間で必修授業15コマと一般教養9コマ以上を履修することが、時間割を組む際の条件です。

1 有機化学演習 有機化学
2 情報・コミュニケーション論 基礎物理学 薬学への招待 分析化学
(量子化学)
3 韓国語 生命倫理
(薬学科)
早期体験学習
(薬科学科)
異文化トレーニング(英語)
4 地域文化論 早期体験学習
(両学科)
スポーツ統計学の基礎 薬学研究のためのコミュニケーションスキル
5 心理学 早期体験学習
(両学科)
基礎生物学

授業時間は1コマ90分で1限は9:00から始まり、5限は18:00に終わります。

空きコマはあるものの、高校に比べると授業時間が長い上に終わる時間も遅いので慣れるまでは少し大変かもしれません。

慶應薬学部1年生の授業紹介

ここからは、慶應薬学部の必修授業の中から、筆者が高校時代には想像していなかった授業や、受講してみて印象に残った授業を4つご紹介します。

慶應薬学部1年生の授業紹介①:有機化学

まず紹介するのは「有機化学」です。薬学と言えば、有機化学を学ぶイメージが強い方も多いのではないでしょうか。

しかし、いきなり薬になるような難しい化合物について学ぶわけではありません。

まずは有機化合物の化学反応立体構造などを学びます。高校化学を勉強している方は立体構造とは「鏡像異性体」の応用と考えてみてください。

高校化学にも有機化学の分野がありますが、実は大学の有機化学は高校のとはかなり異なるタイプの科目です。

高校では有機化学は暗記がメインの分野ですよね。しかし、大学では暗記はあまり必要なく、反応式や生成法を覚えることもありません。

かわりに、ルール(原理)を理解していろいろな有機化合物に当てはめていく感じです。暗記力ではなく思考力の科目になります。

「ルール」を学ぶと、高校で暗記していたことを科学的に説明できるようになるのが面白いですよ。

慶應薬学部1年生の授業紹介②:薬学研究のためのコミュニケーションスキル

続いて「薬学研究のためのコミュニケーションスキル」という授業を紹介します。授業名からはわかりにくいのですが、これは医療英語の授業です。

「麻酔薬」や「軟膏」、「座薬」などなど薬にまつわる英単語はもちろん、「大動脈」や「自律神経」など医学部で学ぶような単語も学びます。

文法や長文読解の授業はないので、単語や表現の勉強が中心です。

授業は医療用語を学ぶ授業とネイティブの先生による医学の授業の二部構成になっています。

医学の授業では毎週、神経系、循環器系、呼吸器系……と順番に臓器の名称や疾患を少しずつ学びます。薬学部でも医学的な内容まで学ぶとは正直驚きでした。

授業は全て英語で進む上、医療用語は覚えにくいものが多くて大変ですが、興味深い内容ばかりです。例えば、症状ごとの聴診音の違い心電図の波形について知りました。

慶應薬学部1年生の授業紹介③:量子化学

続いては「量子化学」という授業です。

厳密には「分析化学」の授業内で量子化学を習うのですが、ここでは「量子化学」のみを取り上げて紹介します。

「量子化学」はあまり馴染みのない言葉ではないでしょうか。筆者も大学で初めて知りました。

「量子」とはとても簡単に言うと、原子や電子などの非常に小さく、エネルギーを持った物質のことです。

授業では「量子」の性質を学んだ上で、原子中の電子のエネルギー状態を、式を立てて考えます。

式を解くと、電子が原子内でどのように存在しているのかがわかるのです。難しそうですよね……。

しかし、この授業では概念を理解することが目的であり、難解な式を解くことは求められません。

また、大学で初めて学ぶ分野ではなく、高校物理の「原子」分野のつづきなので、物理が得意であれば難なくこなせるでしょう。

「化学」という名称ではありますが、中身はほとんど物理ですね。

ちなみに筆者は高校で生物選択だったため、高校物理を十分にわかっておらず最初は焦りました。

しかし講義は高校物理の内容から始まり、丁寧な解説もあるので、生物選択でもそこまで心配する必要はありません。

一見薬学とは関係ないように思われるこの科目ですが、最終的に化学の共有結合や1つ目に紹介した有機化学の内容とつながってくるので驚きでしたね。

慶應薬学部1年生の授業紹介④:生命倫理

最後に医療系学部ならではの「生命倫理」という授業をご紹介します。

授業名の通り、この授業では「安楽死」や「脳死を死と考えるか」といった生命倫理の問題について考えます。

生命倫理の問題はニュースで取り上げられることも多く、身近ではありますが、非常に難しい問題です。

授業は実際に医療現場で働いている先生方の講義を聞き、緩和ケア(がんなどの病気から身体的、精神的な痛みを取り除くケア)や臓器移植の知識を深めることから始まります。

その後グループで一つの問題を取り上げて話し合い、グループとしての結論を出します。

最後に、講義とグループでの話し合いを通して考えたことを個人でレポートにまとめる形です。

この授業の目的は倫理問題への考えを深めることで、医療従事者としての倫理観を養うことです。

そのため、将来薬剤師として病院や調剤薬局で働く人の多い薬学科の必修授業となっています。

おわりに

いかがでしたか。慶應薬学部1年生の大学生活や授業のイメージを掴んでいただけたでしょうか。

大学の授業は高校よりも専門的で難しく感じるかもしれませんが、高校までとは違った面白みがあります。

特に、薬学研究のためのコミュニケーションスキル(医療英語)や生命倫理などの高校までにはない授業は、筆者自身受けていてとても新鮮でした。

皆さんも高校の授業や受験勉強とはまた違う、大学での授業を楽しみにしてみてください。

この記事で慶應薬学部に興味を持たれた方は、さらに大学学部HPなどをチェックしてみてはいかがでしょうか?

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