共通テスト地理の点数が伸びない人必見!データブックのおすすめの使い方を徹底解説

はじめに

「共通テスト地理で高得点がとれない……」「地理の勉強は教科書を読むだけでいいの?」と悩んでいる人はいませんか?

共通テスト地理は主に単語暗記が重要な世界史や日本史と異なるため、不安に思っている人も多いはずです。

そこで今回私は令和2年度の地理の過去問を用いながら、地理のデータブックを使って勉強することの良さを紹介していきたいと思います。

地理のデータブックを使う重要性と使い方

世界史や日本史と比べて地理は思考を伴う問題が多く、ただ単語を暗記してもなかなか点数につながりません。

そのため地理には暗記があまり必要ではないと考えられがちですが、そういうことではありません!

地理の思考はデータを頭に入れていることが前提となっています。しかし、教科書は地理的知識の説明や記述がメインであるため、教科書だけ見ても1つ1つの国の詳細なデータはわかりません。

そこで今回私がお勧めするのが『データブック オブ・ザ・ワールド —世界各国要覧と最新統計—』です。

このデータブックには人口や面積のデータに限らず、農業や工業、貿易などあらゆる統計が記載されています。

私は受験期、教科書や過去問で統計が出てくると、すぐにデータブックを引く癖をつけていました。

例えば、英語の長文でわからない単語が出てくると辞書で調べますよね。その要領でデータブックを使うのがいいと思います!

実際、私は高3の夏まで地理の点数がずっと50点台で悩んでいました。しかし夏休みにデータブックを重宝し始めると、過去問や模試で80点台を安定してとれるようになりました。

ただ注意してほしいことが1つあります。それは順位や数値を丸暗記しようとしないことです。

当然のことですが生産量や貿易額などの数値は毎年変わり、それに応じて順位も変動します。本番で、何年度の統計が使われるのか予測することは不可能なので、正直時間の無駄です。

データブックを使うにあたって大切なことは、統計と教科書や授業で学んだ知識を組み合わせて理解を深めることです。

そこで私が特に見るべきだと思うポイントを紹介していきたいと思います。

地理のデータブックの見るべきポイント3選

地理のデータブックの見るべきポイント①:1人当たりGNI(国民総所得)

最初に紹介するのが1人当たりGNI です。1人当たりGNIは経済指標としてよく使われるデータなので、知っているとその国が先進国なのかどうかがすぐわかります。

でも197か国すべての1人当たり国民総所得を覚えるなんて不可能ですよね……。

そこで私がお勧めするのが、3色のマーカーを使って「低所得国」「中所得国」「高所得国(先進国)」を色分けすることです。

世界銀行の分類に基づくと、低所得国はGNIが1,005米ドル以下の国、中所得国は1,006米ドルから12,235米ドルまでの国、高所得国は12,235米ドル以上の国となっています。

これを色分けすることで各国の経済状況のイメージが掴めるようになります。

それでは1人当たりGNIがどのように役立つのか、令和2年度追試験第4問問3の問題を見ていきましょう。

なお共通テスト・センター試験の過去問は、ネット上で無料ダウンロードすることが可能です。合格サプリのこの記事も参考に、是非手元に問題を用意して読んでみてください。

【最新版】センター試験の過去問を無料でダウンロードできるサイトまとめ

2018.08.28

ここではアフリカの3か国、ボツワナ・南アフリカ・マリが出てきています。南アフリカに関してはBRICSの構成国であるため、教科書的な知識で低所得国ではないと判断できると思います。

ボツワナとマリは教科書であまり見かけない国なので、差がわからないという人もいるでしょう。しかし、データブックを活用している人にとっては簡単です。

マリは1000ドル以下なのに対し、ボツワナは6000ドル台とその差は歴然です。しかも色分けしていれば塗っている色も違うので、日ごろからデータブックを眺めているだけでつく知識でした!

このことから、第一次産業の割合が一番高いアがマリだとわかります。

各国の1人当たりGNIのイメージを掴んでいるだけで、直接的には関係ない問題のヒントとしても使えるようになるのです。

地理のデータブックの見るべきポイント②:各国の主要な輸出品

次に紹介するのが各国の主要な輸出品です。輸出品を見ると、各国の主要かつ得意な産業がわかります。

例えばフランスだったら航空機、スイスだったら医薬品が上位に入っているなど、新たな発見をすることができます。

そして個人的に一番注目してほしい箇所は、輸出額における食料品/原材料・燃料/工業製品の割合です。

例えば中国は食料品を多く輸出しているイメージですが、割合でみると3%にしか過ぎません。

アラブ首長国連邦は石油の輸出が多いイメージですが、それよりも工業製品が占める割合の方が大きいんです。

このように各国がどの分野で収入を得ているのか、意外な発見をすることが多いです。

では、ここで令和2年度本試験第5問問3の問題を見ていきましょう。

今回出てきた国はインド、中国、ブラジル、ロシアです。

まずロシアの輸出額に占める燃料の割合が57.2%と燃料資源に頼っていることに着目します。他の3か国は燃料資源に依存していないため、シが石油燃料となります。

次に中国で40%近くを占めるサに着目します。この割合は他の国と比べて圧倒的に高く、中国が「世界の工場」と呼ばれるほど工業国であることから、サは機械類です。

残っているスはブラジルで最も高く、セはインドと中国で高いです。

ここでブラジルの輸出額に占める食料品の割合が35.6%、中国とインドの主な輸出品トップ5に衣類・繊維と織物が両方入っていることから答えが導けます。

地理のデータブックの見るべきポイント③:各生産品のランキングの特徴

最後に紹介するのが各生産品のランキングです。

データブックといえば農牧業や水産業、鉱業のランキングと思う人もいるかもしれませんが、このランキングをそのまま覚えればいいというわけでもありません。

例えば、農作物のランキングの一位には中国がいることが多いように、生産量は人口や面積に依存してきます。

だから意識してほしいことはランキングの特徴を掴むことです。

どの地域がランキングの上位に多く入っているのか、そしてその背景には何があるのか……常にそういうことを考えて、データブックのランキングを見てほしいです。

ではここで、令和2年度本試験第4問問4の問題を見ていきましょう。

この問題でも問われているように、鉱工業・エネルギーの統計データは頻出なので要チェックです。

最初に注目する選択肢はオセアニアの割合が唯一高い2です。

オーストラリアを除くオセアニアの国(地域)はほとんどランキング上位に入りませんが、この4つの鉱山資源の中で1つだけ条件を満たすものがあります。

それはニューカレドニアでよく採れるニッケルです。統計でなかなか見かけない国(地域)ほど問題を解く鍵になりやすいので、覚えておくといいです!

ボーキサイトと鉄鉱石の候補としては、オーストラリアの割合が多い3と4ですが、その違いは東南アジア(島嶼部)の割合です。

ここでランキングの特徴を掴みながらデータブックを見てきたかが問われます。

ボーキサイトは熱帯地域の国が多くランクインしていて、鉄鉱石は安定陸塊の国が多くランクインしています。

このように教科書で学んだ背景知識などを活用しながら、統計を理解することは問題を解く際に重要です。

おわりに

地理の勉強中に見るのはもちろんのこと、電車の中で眺めたり、休み時間に友達と問題を出し合ったりして、是非地理のデータブックと仲良くなってみてください!

また地理の勉強には、データブックだけでなく白地図を用いることがおすすめです。

白地図を使った勉強法についての記事もあわせてご覧ください!

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2021.11.24



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