【東大推薦入試ってどんな感じ?】合格者に聞いた!東大推薦完全攻略方法

はじめに

東大志望のみなさん、東大には推薦入試があることを知っていますか?

東大の推薦は一般入試に比べて新しい制度であり、詳しくは知らない人も多いかと思います。

この記事では、前半で東大推薦入試についてまとめ、後半で東大の工学部に推薦入試で合格した現役東大生のリアルな声を届けます。

まだまだ情報が少ない東大推薦入試、この記事を読んでぜひチャレンジしてみてくださいね!

東大の推薦入試の制度

東大の推薦は、学問を俯瞰的にとらえることができる学生の確保を目指して、後期試験の代わりに導入された、比較的新しい試験方式です。

ここでは東大の推薦入試の制度について詳しく説明していきます。

2022年度時点の情報ですので、最新版は各自確認するようにしてくださいね!

※出典:大学案内・選抜要項・募集要項(願書)ウェブ公開学校推薦型選抜Q&A

【東大推薦入試】選抜方法と日程

まずは選抜の方法についてです。

大学側は、提出書類・資料による第1次選考を実施し、その後合格者への学部ごとの面接等を実施するとしています。

そして、提出書類・資料、面接等/及び共通テストの成績を総合的に評価して最終合格者を決定するということです。

各選抜の日程は以下の表のようになっています。

7月中 入学者選抜要項・募集要項公表
10月中旬 インターネット出願登録開始
11月上旬 書類審査
12月上旬 第1次選考合格者発表
12月中旬 面接等実施
(1月中旬) 大学入学共通テスト
2月中旬 最終合格者発表

【東大推薦入試】出願資格と推薦要件

次に出願資格と推薦要件についてです。

出願資格は、

高等学校か中等教育学校の該当年度卒業見込み者か過年度卒業者、通常過程の12年の学校教育の修了者及び該当年度修了見込み者、文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設の当該課程を修了した者か該当年度修了見込み者のいずれかを満たす者

となっています。 
※出典: 令和 4年度 東京大学入学者選抜要項

推薦要件は学部ごとに異なるので、志望に合わせて各自確認しましょう。

また、推薦要件への個別の審査が必要な質問、例えば「この成績はこの要件に該当しますか?」などは受け付けられていないので注意が必要です。

【東大推薦入試】定員と倍率

ここでは学部ごとの募集人員と倍率を紹介していきます。

倍率に関しては、2021年度の第1次選考前の純粋な志願者数と定員により単純計算(志願者数÷定員)で表しています。(定員と合格者数は異なる場合があります。)

学部 募集人員(定員) 倍率
法学部 10人程度 2.4倍
経済学部 10人程度 2.0倍
文学部 10人程度 1.9倍
教育学部 5人程度 5.2倍
教養学部 5人程度 5.6倍
工学部 30人程度 2.1倍
理学部 10人程度 3.8倍
農学部 10人程度 2.0倍
薬学部 5人程度 1.8倍
医学部医学科 3人程度 4.6倍
医学部健康総合学科 2人程度 3.0倍

※出典: 令和3年度東京大学学校推薦型選抜合格者数

初年度は定員割れを起こすなど倍率の低さが注目されましたが、現在では半数の学部で一般入試と同程度の倍率になってきているようですね。

また学内選抜については、学校内で推薦できるのは合計4人までという規定があります。

4人という枠の中でも男女は各3人までと決まっており、ある学校からの志願者全員が男性であったり全員女性であったりというのは認められません。

つまり、男女別学の場合の推薦の定員は3人ということになります。

さらに、同一の志願者の複数学部への出願はできません。同じ医学部の中で、医学科と健康総合科学科を併願することも同じく不可能です。

【東大推薦入試】注意事項

ここからは、推薦入試を受けるうえでの注意点を説明していきます。

推薦入試と一般入試は併願可能

まず、学内併願が出来ないので期日までに入学手続きを行った推薦合格者は前期試験を受験しても合格者にはなりえません。

推薦合格者は前期試験を受けることができないという考え方がわかりやすいでしょう。

一方、推薦入試不合格者は前期試験を受験することができます。

ただし学校推薦型選抜の合格発表2月中旬頃で、一般選抜の出願期間1月下旬から2月上旬である為、学校推薦型選抜に不合格になった場合に備えて、予め前期日程試験に出願する必要があります。

東大の一般入試の対策が知りたい方はこちらの記事をご覧ください!

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2018.11.18

出願時に学科を登録する学部も有り

次に、後期課程で進学する学科等への出願時の登録についてそれぞれの学部ごとに違いがみられます。

医学部は学科ごとに募集があるので志望学科に出願すれば大丈夫です。

出願時に志望学科等を登録する必要があるのは教養学部、工学部、理学部です。

教養学部は第1希望まで、工学部・理学部は第1希望から第3希望までの登録が必要になります。

その他の法学部・経済学部・文学部・教育学部・農学部・薬学部は出願時の志望登録は不要です。

東大工学部推薦合格者に聞く!実録推薦入試

それでは東大推薦入試合格者の声を聞いていきましょう!

今回は、2021年度推薦入試で工学部に合格した川村綺佳さんにインタビューを行いました。

川村綺佳さん
2022年現在、東京大学理科一類の2年生(工学部システム創生学科内定)。広尾学園医進・サイエンスコース出身で、高校時代は野球部に所属。

Q. 東大推薦入試を受験しようと思ったきっかけはなんですか?

A. 通っていた高校の先輩が東大推薦入試で合格していたことです。

先輩が合格しているのを見て、私も挑戦してみたいという気持ちになりました。

特に、高校の時にやっていた課外活動などの実績で志望学科に行くことができるということに惹かれましたね。

実際に受けるかどうかはずっと迷っていましたが、高1の頃から視野には入れていました。

Q. 東大推薦入試の面接の時間や形式はどのような感じでしたか?

A.工学部の面接は40分間で、時間をギリギリまで使って実施されました。

部屋の中には私1人に対して教授が5人いました。受験者によっては、教授が8人いたそうです。

ただ、例年教授5人が受験者の前にいて、受験者の横にホワイトボードがあるという形式が一般的なようですね。

Q. 東大推薦入試の面接ではどのようなことを聞かれましたか?

A. 学科の志望動機と高校までに行ってきた研究の内容を聞かれた他、英語力や好きなことに関しての質問がありました。

研究内容を説明する時にホワイトボードを使ったり、終盤に自己アピールを英語で行ったりするのが工学部面接の特徴です。

Q.東大推薦入試の面接のときに注意したことはありますか?

A. 意欲があるかを見られているという点に留意していたので、これまでの研究内容や研究に対する意欲、志望学科でやりたいことを伝えようとしていました。

本番での自己アピールに関しては緊張して思い通りにいきませんでしたが、それでも合格できたのは、やりたいことが東京大学の工学部ではないといけない理由を面接官に伝えられたからだと思います。

面接官は研究内容自体について資料で事前に把握しているため、説明の上手さよりも、受験者の主体性意欲が見られていると思いました。

Q. どんな人が東大推薦入試に向いていると思いますか?

A. 東大推薦入試に向いている人は、高校の時までの実績がしっかりとあって、大学でやりたいことが明確に決まっている人です。

学科を選ぶのが推薦入試であり、その学科でやりたいことのビジョンがしっかりと定まっている必要があります。

だから、動機がふわっとしている人や、実績と志望学科が曖昧な人は向いていないと思いますね。

というのも、動機の浅い人や志望学科に沿った実績が無い人は、面接で詰められると理路整然とした答えが返せないからです。

Q. 東大推薦入試に出願してから本番に至るまで、どのように過ごしていましたか?

A. 校内選考から出願まで研究に関する資料を作成し、自分が学術論文を出すきっかけとなった東工大の教授に推薦書の作成を頼みました。

出願から約1ヵ月後の一次の発表までは特に何もしていませんでした。

一次の結果が出てから面接までの期間はとても短いので、面接対策を高校で数回行い本番に臨みました。

なお、研究をまとめた書類等については出願を決めた夏頃には作成を始めていました。

Q. 推薦入試の対策と並行して一般入試の勉強もしていましたか?

A. していました。

資料作成をしている時には、一般入試に向けての勉強時間が削られていると感じ焦ることもありました。

また、推薦入試対策が徒労になる可能性を考えると、モチベーションが下がる時もありましたね……。

受験の際のメンタルトレーニングについて知りたい方はこちらの記事をご覧ください!

【緊張に負けないために】東大生が実践していた!受験メンタルトレーニング大全

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Q. 高校ではどのようなサポートをしてもらいましたか?

A. 推薦に向けては研究の指導教官に志望理由の添削をしてもらいました。

面接対策としては数学の先生たちやコース長、高校の先輩に各1回模擬面接を実施してもらい、アドバイスをもらいました。

また、過去の面接に関する情報も高校からある程度提供されますが、それ以外にもたくさん情報はあるので調べてみると良いと思いますよ。

Q. 推薦入試で東大に合格したことによるメリットはありますか?

A. 工学部推薦で合格することの利点は、早期履修制度アドバイザー教員の存在です。

早期履修とは、学部1年生でも2・3年生の授業を受けて後期の単位認定を受けることができる制度です。

また、アドバイザー教員は学科群ごとに2人程度ついてくれる教授のことで、推薦合格者の話を聞いてくれたり、研究室を優先的に訪問させてくれたりします。

上記の制度により、やりたいことに集中できる質の高い環境が提供されることが、推薦入試で合格することのメリットだと思います。

Q. 最後に、今後東大推薦入試を受験する人へアドバイスをお願いします!

A. 大切なことは「やりたいことをやりきる」ということです。

大学側には真に主体的な人を採りたいという意図があるので、推薦を意識して大会に出るというよりも、好きなことをやっていたら実績が後からついてきたくらいの方が良いと思います。

興味の赴くままに大小問わず大会やボランティアなどに積極的に参加してみましょう!

また、事務的な面で言うなら「資料作成は早めにしておけ」です。

特に研究などが長く続いている場合は早めにまとめておくと他の勉強を圧迫しないので焦らずに済みますよ。

入学後はやりたいことができる環境なので、今勉強や入試に向けた準備が大変でもあと少しの辛抱です。応援しています!

おわりに

大学入試改革の実施に伴って、様々な入試形式が登場している現在、その複雑さに混乱することも多くあると思います。

今回はその代表例ともいえる推薦入試について、合格者の体験談も添えてまとめてみました。

意欲や主体性が重視される東大の推薦入試、皆さんも挑戦してみませんか?

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