『新しい環境に必死でついていく!』東大文1現役合格H.Uさんに聞く、進路選択・大学生活の事情

皆さんこんにちは。合格サプリ編集部の肯定ペンギンです。

同じ大学生、同じ東大生でも、その環境や生活スタイルは人によってさまざまです。

筆者のように実家から通う人もいれば、地方から上京し、学生寮やアパートなどて一人暮らしをする人もいるのが、大学生活の新鮮で楽しいところでもあります。

そこで今回は、平成28年度、東京大学文科1類に現役合格、進学した、現在1年生のH.Uさんにインタビューを行いました。この記事が、現在大学受験生で進路に悩んでいる方の一助になれば幸いです。それではどうぞ。

H.Uさんのプロフィール

出身 兵庫県
学歴 私立白陵中学高等学校→東京大学文科1類現役合格
文理 文系
受験した大学と合否
(併願パターン)
第一志望:東京大学・文科一類 合格。併願はしなかった。
塾、予備校など なし
サークル 合格サプリ編集部
バイト 現在はしておらず、大学生活、1人暮らしに慣れてから夏に始めたい。

このインタビューをまとめると?

高校生活で印象に残ったことは?

H.U
関西テレビの見学と映像研修。放送部で過ごした時間。

進路選択で気になったことは?

H.U
理数系に興味も活路も見出せなかった。
東大を選んだのは、「いい授業よりもいい生徒のいる大学を選べ」という高校の先生のアドバイスから。

大学生活で大変なことは?

H.U
周りの生徒のレベルが高すぎること。都会での一人暮らしに慣れないこと。

大学生活で楽しいことは?

H.U
周りの生徒の意識が高くて刺激になる!

東大を受験する後輩にアドバイス!

H.U
東大に合格するための勉強だけをしていたら入学後に苦労する。もっと高いところを見据えよう。

高校生活はどうでしたか?特に印象に残ったことは何ですか?

放送部に所属。忙しいときと暇なときのメリハリがある部活でした。暇なときも部室に集まっていたので、拘束時間は長かったです。2時間くらいですかね。高3の7月で引退し、勉強を本格化させました。

印象に残ったことといえば、放送部として関西テレビによる映像技術の研修、舞台裏の見学などする機会があったことです。プロに教わり制作した映像で入賞!メディア業界の裏を学べて、貴重な経験になりました。

高2はほぼ学校の課題しかやらず、部活引退も遅めで焦りました。

英国数は中間、期末試験でも安定し、ある程度完成していたと思います。一方、社会は避け続けて勉強時間を確保できずに苦手になってしまいました。社会に手をつけたのは部活を引退してからです。

夏模試はD判定で、自分よりも高校の先生が焦っていたのをおぼえています。期待を裏切らぬよう、Youtubeに時間を溶かさず(笑)、社会を平均レベルに上げるため、苦手の数学よりも優先して、夏休みに取り組みました。

高3専用の校舎は夜9時まであいていました。塾に行くと学校の課題が中途半端になると思って……あと、新しい環境に飛び込むのが苦手なのもあり、塾には行かず、校舎で自習しました。学校の先生の添削も受けることができました。

いい学習環境が整っていたのですね。羨ましいです。部活に拘束されていた中、進学選択はどのように行ったのですか?

文系を選んだのは高1の頃です。数学と理科が壊滅していたのが何よりの動機です。将来就きたい職業も理系にはないと考えました。

地元に近い京大も眼中にありましたが、「大学は授業のレベルよりも同級生のレベルが高いところを選ぶべき」と、学校の先生のアドバイスを受け、東大志望に決めました。

やりたいことが不明瞭な私にとって、進学選択のある東大は魅力的でした。法学部に興味があるというより、進学選択で有利になるという理由で文科1類を受けました。

入学前は通訳、秘書など表舞台に立たず場を動かす職業に興味がありましたが……現在は、法学部に興味はなく、教養学部への進学を志望しようかな、と思っています。

なるほど。大学は同級生のレベルが高いところを選べ。至言ですね。確かに、授業よりも周囲から受ける刺激は強くて新鮮ですよね。それでは次に、大学事情、魅力についていくつか教えてください。

大学の雰囲気はどうですか?

優秀な人が多く、自分の意識の低さを思い知らされる毎日です。

何事にも真面目な人、金持ち、勉強はできて当然で、他のことに時間を回し、アイデンティティとしている人、コミュ力の高い人、入試の話をするとみな全科目簡単だ、社会はやればできるなどと言う人……私の周りにいるのは、こんな人たちばかりです。

大変そうなことに興味をもって積極的に参加する人が多く、学ぶところもあります。何より、今まで関わったことのないタイプの人たちで、新鮮に感じます。

楽しい授業は何ですか?

国際関係史です。教授が教科書執筆などに携わるすごい人で、東大に来たことを実感できます。教授の批判的な物の言い方、捉え方が聞いていて面白いです。

あと、言語比較論ですね。言語の発音の違い、物をさす言い方の相違、などの変遷を扱う授業です。私は英語が好きで言語学にも興味があり、未知の学問分野で大学でしかできないと思い積極的に受講しています。

逆に、つらい授業はありますか?

法と政治。なぜ文1に来たのでしょう(笑)。教養学部に行くつもりなので、今のうちにしか学んでおけない分野だろうと思い、何とか追いついています。

文1は法と政治が必修ですからね。周囲の多くが法学部に進むでしょうから、ついていくのも大変かもしれませんね……その他、大学事情について教えてください。

今でも地元に帰りたいです……周りの人の雰囲気、ノリが違って困惑しています。関西、関東の壁は厚い!夏までに東京での生活に慣れることができればいいですね。

私は1人暮らしなので、勉強時間が確保できず大変です。同じく上京し、近所に住む他大の友人と傷を舐め合って生きています(笑)。通学時間がそのため長く、時間を無駄にしていると感じます。1人暮らしは自由と言われますが、節約のため3食自炊ですし、洗濯や掃除、防犯面も大変です。

一人暮らしならではの悩みですね。勉強にいかに集中するか、とにかく新しい生活に慣れることが大事ですね。これらを踏まえ、後輩にアドバイスをお願いします。

模試の判定に左右されて志望大学を変えないでください!東大受験において最重要なのは、ずばりひたすら基礎固めに徹することです。入学後、私のように苦労しないよう、受験の時だけでも本気で勉強しましょう。東大合格のボーダーラインを気にせず、入学後に活かせるような勉強を心がけてください。

地方出身者は首都圏との壁に負けず頑張ってほしく思います。東大は決して雲の上の存在ではありません!

最後に、大学生のうちにしたいことをお願いします!

かつては留学をしたいと思っていましたが、東大は英語でディベートする授業などが豊富にあり、留学に関して現在はやる気が微妙です。とにかく今の授業や、周りの人の意識に高さに負けないように追いつきたいです。

インタビューを終えて

Käse
併願、塾なし……。インタビュー開始30秒で震えました。関西テレビの舞台裏を見学……筆者はマスコミに興味があるのでうらやましいです。

学校の先生から添削を受け、夜まで残って自習。素晴らしい環境。うらやましいです(2回目)。過去問も自習で本格化したのはセンター後らしいですね。うらめしい。
 
文1ながら教養学部というレアケースの話は興味深かったです。筆者は文3に今年度入学したのですが、興味のある学問分野が文1に近く、立場を交換してほしく思います(笑)。

一人暮らしの苦悩、文一ならではの苦悩、地方出身者ゆえの苦悩など聞き出すことができました。自分の意識の低さを痛感、入学後に苦労しないような受験勉強が大事、周りに追いつくのに必死、など共感するところもたくさん。将来のことを考えるよりも、今の環境に慣れて、追いつくことが最優先であり、またそれ以外のことをする余裕がない。それが大学生なんだなぁと思った次第です。
 
受験生の皆さんは、勉強の息抜きに、大学生になったら何に打ち込もうか、など考えてみると勉強のモチベーションが上がるかもしれません。大学生になったら考える余裕もないので、今のうちに夢を描いておくといいと思います。

それでは、成功をお祈りしています!




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