【3分で分かる!】トレミーの定理とその使い方

トレミーの定理という公式を皆さんはご存知ですか?

学校の授業でもさほど強調されませんし、トレミーの定理の知名度は正味高くない。

しかし、覚えておくと検算や時間短縮に使える裏技として大変重宝します。

本記事を読んでトレミーの定理の内容をマスターし、他の受験生と差をつけましょう!

トレミーの定理とは

早速トレミーの定理の内容を解説します。図を目で追いながら覚えていきましょう。

スライド1

円に内接する四角形\(ABCD\)について、以下の等式が成り立つ。

\[AB\cdot CD+AD \cdot BC=AC \cdot BD\]

式だけ眺めていても覚えられないので、図のイメージで説明します。

円に内接する四角形の各辺と、2本の対角線をあわせた6本の辺があります。これらを上の図のように、対辺の2セット(赤と青)と対角線の1セット(緑)の計3セットにわける。

セットごとに掛け合わせて、あとは上の式のように足していけばOK。

AとかBといった記号は問題によって変わることがあるので、丸暗記せず、対辺のセットの積+対辺のセットの積=対角線のセットの積、というイメージで覚えておくと良いです。

トレミーの定理が役立つ場面

トレミーの定理はあくまで検算・時間短縮用のテクニックとして用いましょう。

高校数学において、トレミーの定理を使わないと解けない図形問題はまずありません。必ず他の解法があるはずです。

だから、考え方を記す問題で「トレミーの定理より〜〜」などと書いてしまうと、「他に何も思いつかなかったのか」と採点官の心象を悪くするおそれがあります

可能な限りトレミーの定理を用いずにいける解法を探すようにし、答えが出たらトレミーの定理でパパッと検算する、という使い方が望ましい。

あるいはセンター試験など、考え方を記さなくても良い場面であれば、回答に要する時間を圧倒的に短縮することが可能です。

具体的な話をすると、円に四角形が内接しており、さらに対角線が施されていたら、トレミーの定理を使えないかどうか疑ってみる価値があるといえます。

発想と思いつきがそれなりのウエイトを占める図形問題において、トレミーの定理を使うことで予期しない突破口が開けることは多々ありますよ。

練習問題①正五角形の対角線の長さ

トレミーの定理の威力を実感してもらいたいので、通常トレミーの定理を使わずに解く問題をとりあげ、「通常の解法」と「トレミーの定理を使った解法」の2通りを紹介することにします。

:\(1\)辺の長さが\(1\)である正五角形の対角線の長さを求めよ。

toremy2

通常の解法

図形の相似を利用する解法が一般的でしょう。

スライド3

求める対角線の長さを\(x\)とおく。

錯角と対頂角が等しいことから、三角形\(BCD\)と三角形\(FED\)は相似(上の図の赤い部分)。

相似な図形の対応する辺の比は等しいから、\(BC:FE=BD:FD\)。

\(BC=x,FE=1,BD=AC=1\)(四角形\(ABDC\)が平行四辺形なので)より、\(x:1=1:(x-1)\)。

∴\(x(x-1)=1\)

∴\(x^2-x-1=0\)

これを解いて、\(x=\frac{1 \pm \sqrt5}{2}\)。

というわけで、答えが出ました。しかし、合同や相似を扱うとなると細心の注意を払わねばなりません。

答えだけ知りたいのであれば、トレミーの定理を用いたほうがより簡潔に解答できます。

トレミーの定理を用いた解法

五角形なのにトレミーの定理を使えるのか? と思うかもしれませんが、五角形の対角線を引いてあげれば中に四角形がいくつも出てきます。

その四角形が円に内接していれば、トレミーの定理を使うことができる。あとは下の図をみれば一目瞭然でしょう。

スライド4

青のセットの積×赤のセットの積=緑のセットの積、とすればいいわけです。面倒なので記号は振りませんが、なくても大丈夫ですね。

\(1 \cdot x\)(青のセット)\(+1 \cdot 1\)(赤のセット)\(=x \cdot x\)(緑のセット)

∴\(x^2-x-1=0\)

あとは通常の解法と同様です。

練習問題②円に内接する四角形の4辺の長さから対角線を求める

問:下の図について、\(AC\)と\(BD\)の長さを求めよ。

スライド5

このままではトレミーの定理は使えません。\(AC\)か\(BD\)のいずれか一方を求めるまでは共通です。

しかし、いずれか一方を求めてしまえば、もう一方はトレミーの定理を用いることで簡単に導き出せます。

通常の解法

どちらでも良いのですが、\(AC\)から先に求めることにしましょう。

方針は、三角形\(ABC\)と三角形\(ACD\)のそれぞれについて余弦定理を適用し、\(AC\)を2通りの式で表すことです。

三角形\(ABC\)について、余弦定理より、

\[AC^2=AB^2+BC^2-2 \cdot AB \cdot BC \cdot cosB\]

\[AC^2=8^2+6^2-2 \cdot 8 \cdot 6 \cdot cosB\]

\[AC^2=100-96cosB…①\]

また、三角形\(ACD\)について、余弦定理より、

\[AC^2=AD^2+CD^2-2 \cdot AD \cdot CD \cdot cosD\]

\[AC^2=5^2+3^2-2 \cdot 5 \cdot 3 \cdot cosD\]

\[AC^2=34-30cosD\]

ここで、四角形\(ABCD\)は円に内接するから、\(B+D=180°\)。

円に内接する四角形は、向かい合う角の和が180°になるという性質がありました。覚えていますか?

ゆえに、

\[AC^2=34-30cosD\]

\[⇔AC^2=34-30cos(180°-B)\]

\[⇔AC^2=34+30cosB…②\]

※\(cos(180°-θ)=−cosθ\)を用いました。覚えていますか?

①と②より、\(100-96cosB=34+30cosB\)。

これを解いて、\(cosB=\frac{11}{21}\)。

①に代入して、\(AC^2=100-96 \cdot \frac{11}{21}\)。

これを解いて、\(AC>0\)より、\(AC=\frac{\sqrt3129}{7}\)。

計算が複雑になってしまいましたが、\(BD\)の長さも同様の余弦定理を2度使う仕方で導き出せます。

でも長くなってしまうので、ここからはトレミーの定理で片付けてしまいましょう。

トレミーの定理を用いた解法

トレミーの定理の扱いにはもう慣れましたか? 上の図に従うと、

\[AB \cdot CD+AD \cdot BC=AC \cdot BD\]

となり、これに各値を代入してしまえばOKです。

\[BD=\frac{378}{\sqrt3129}=\frac{12\sqrt3129}{149}\]

トレミーの定理はあくまでも裏技として覚えておくと良い

繰り返しますが、高校数学の範囲でトレミーの定理を使わないと解けない問題というものはありません。

余弦定理などを使えば、手間は増えるものの問題なく解くことができます。

新しい定理を覚えるととりあえず使ってしまいたくなる気持ちはわかるのですが、高校数学は知識のひけらかし大会ではありません。

あくまで検算と答えの値だけ高速で求める裏技として活用してくださいね。





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