はじめに
生物基礎は覚えることが多く図や表も沢山出てくるので、難しいと感じる人も多いと思います。
そこで今回は、共通テスト生物基礎の特徴と勉強法を紹介します。
苦手な人が多い単元のポイントや、模試の対策・復習の方法も紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
目次
共通テスト生物基礎の特徴
【共通テスト生物基礎の特徴】①計算問題の出題パターンが限られている
生物基礎は化学や物理と違い、出題される計算問題とその解法は限られています。
例えば、酸素解離曲線から酸素を解離したヘモグロビンの割合を求める問題では、以下の3点がポイントです。
(図引用:数研出版「チェック&演習生物基礎」)
- 2本のグラフがそれぞれ肺と組織のどちらを表しているのかを見分ける。
- 肺と組織の酸素ヘモグロビンの割合を、それぞれのO2濃度の相対値から求める。
- 求めるのは、「肺で生じた酸素ヘモグロビンに対する、組織で酸素を解離したヘモグロビンの割合を計算したもの」であることを確認する。
二酸化炭素濃度が低い肺における曲線が左、二酸化炭素濃度が高い組織における曲線が右だと判断できる。
肺のO2濃度の相対値が100なので酸素ヘモグロビンの割合が95%、組織でO2濃度が30なので酸素ヘモグロビンの割合が30%
肺と組織の割合の差(95-30=65%)を、肺の酸素ヘモグロビンの割合(95%)で割って、求める答えは65÷95×100=68.4%
このような共通テストに出題される計算問題は、問題の解き方がパターン化されているので理解しておくことが大事です。
【共通テスト生物基礎の特徴】②日常生活に関わる内容が出題される
生物基礎では、日常生活に関わりが深い内容も多く学び、共通テストで問題として出題される可能性があります。
例えば、新型コロナウイルス感染症でも注目された予防接種は、生物の免疫記憶によって感染したときに抗原を効率的に排除できるようになる仕組みを利用しています。
共通テストでは、このように日常生活との関わりを説明したり、会話文があったりするので、センター試験と比べて問題文が長くなっています。
会話文では、空欄に当てはまる単語を選ぶ問題もあります。
空欄が複数ある問題は選択肢が多くなりますし、知識と文脈の読み取りの両方が必要となるので、難しい点です。
【共通テスト生物基礎の特徴】③実験問題は知識と複雑な条件の理解が必要になる
共通テストで出題される実験問題には実験の結果を選ぶものと実験方法を選ぶものがあります。
例えば、マウスに別の個体の皮膚を移植して拒絶反応が現れるかを調べる実験で、マウスが持つT細胞の性質と結果を組み合わせて考察する問題です。
実験の結果を選ぶ問題では、ヘルパーT細胞を持たないマウスは別個体の皮膚に対して拒絶反応を表さないが、ヘルパーT細胞を持つマウスは別個体の皮膚を非自己と認識して拒絶反応を起こす、という結果を知識から推測して答えます。
一方で実験の方法を選ぶ問題なら、実験ごとに拒絶反応が観察されたかどうかの結果が問題文で示され、ヘルパーT細胞を持つマウスを使った実験を答える、という形式が考えられます。
結果から実験を逆算する問題は珍しいため、過去問や問題集で演習を積む必要がありますね。
実験問題を解くためには、教科書に載っている実験や知識を正しく暗記しておくことに加えて、選択肢を丁寧に読んで複雑な論理関係を把握することが必要ですよ。
共通テスト生物基礎に備えた具体的な勉強法
【共通テスト生物基礎の勉強法】①1冊のノートに知識をまとめる
生物基礎は、1冊のノートに知識をまとめることで効率よく勉強できます。
問題演習や模試の復習などで新しい知識を得たら、ノートにまとめましょう。
新しく得た情報を再度自分の中で整理するので理解が深まります。
問題や解説のコピーを使うことで、わかりやすくまとめられますし、自分が間違えやすいところを認識しやすくなります。
ノートには余白を作っておいて、関連する情報などを書き足しましょう。
例えば問題演習で、既にノートに書いてあった内容の間違いをしてしまったら、印をつけたり間違えた原因を分析して書き込みます。
このように1冊のノートに学んだことや間違えた内容をまとめると荷物も減り、模試の前などに何を確認すれば良いか迷わずに済んで便利ですよ。
【共通テスト生物基礎の勉強法】②共通テスト形式の問題を何度も練習する
共通テスト対策として様々な参考書や問題集がありますが、自分にあった数冊を繰り返し使うことをおすすめします。
何冊も使用すると、苦手な問題がどこに載っていたものかわからなくなったり、十分に理解しないまま別の問題に取り組んで同じ間違いをすることがあるからです。
学校で配布される問題集があれば、1冊あたり3〜4周して使いましょう。
私は暗記用に「生物基礎の研究ノート」、練習問題用に「チェック&演習生物基礎」という問題集を使用しました。
問題集を解く時に気をつけることは、問題集には解く過程と答えを直接書き込まないということです。
同じ問題を繰り返し解くために、別の紙に答えやメモを書きましょう。
問題集で解けた問題には○、間違えた問題には×の印を必ずつけてください。
×がついた問題は間違えないようになるまで何度も解き直しましょう。
共通テスト本番で解けるようになることが目的なので、×がついた問題は別の値や条件で出題されても解けるように、ノーヒントで解けるまで何度も解きなおすことが重要です。
特に実験問題や計算問題は配点が高いことが多いので、×がついたら重点的に演習しましょう。
【共通テスト生物基礎の勉強法】③模試の対策と復習を必ず行う
共通テストの対策には模試の活用が必要不可欠です。
まず、模試を受ける前には作っておいたノートを見直して、色ペンで書いたところや何度も間違えたところ、余白に書き足したところを重点的に確認して臨みましょう。
模試で出題されそうな計算問題や実験を確認しておくこともおすすめです。
問題集で頻出などの表示がある問題も事前に確認しておきましょう。
次に、模試を解くときは先に問題全体に目を通して、所要時間が短い問題から解くことがポイントです。
具体的には問題文の空欄に用語を当てはめる問題などです。
知識があればすぐに答えられるので、他の問題を解いていて時間がなくなってしまうことを避けるために先に解きましょう。
そして、説明文が長い問題や実験の問題は問題自体を理解するのに時間を要するので、後回しにして解きます。
また説明文の長い問題では、問題文に下線を引いたり、キーワードのメモを取っておいたりすることも重要です。
メモを取っておくと、あとで見直しや復習をする時に自分がどのように解いたのかがわかり、どこで間違えたかにも気づくことができます。
計算問題のメモは、なるべく一箇所に集中させて計算の手順がわかるようにできると見直しが楽になりますよ。
模試が終わったら自己採点をして、間違えた問題は解答を見ずにもう一度自力で解きましょう。
解答解説をよく読んでもわからないところは教科書や資料集で調べて、新たに得た知識はノートの新しいページにまとめたり余白に書き足したりします。
模試は対策から復習までを完璧に行って、有効に活用してくださいね。
おわりに
共通テスト生物基礎は複雑な問題も多いですが、演習することで確実に点数が上がります。
紹介した勉強法を参考にして、ノートや模試を最大限活用してみてくださいね!