【古典文法】助動詞「つ・ぬ」

≪1≫( )に入る完了の助動詞「つ」を適切な形に活用しなさい。
(1)思ひのほかに、御髪おろし給う( )けり。(伊勢物語・八三段)

(2)われ、物握りたり。いまは下ろし( )。(竹取物語・燕の子安貝)

≪1≫の解答
(1)

直後に連用形接続の過去の助動詞「けり」がきているので連用形になります。
訳:意外にも、お髪をお切りになってしまった。

(2)てよ

文末なので終止形or命令形です。ここは文脈判断で命令形だと分かります。
訳:私は何か握ったよ。すぐに下ろしてくれ。

≪2≫( )に入る完了の助動詞「ぬ」を適切な形に活用しなさい。
(1)わが待たぬ年はき( )ど冬草のかれにし人はおとずれもなし(古今集・冬)
 
(2)船にのり( )んとす。(土佐日記・一二月二七日)

≪2≫の解答
(1)ぬれ

逆説の接続助詞「ど」は已然形接続なので、「ぬれ」になります。
訳:私が待っていない年の方は来たけれど、冬草が枯れるではないが、離れて去ってしまった人は便りさえよこさない。

(2)

推量の助動詞「む(ん)」が直後に来ているので、未然形になります。
「なむ」のセットで覚えておくと便利です!
訳:船に乗ってしまおうとする。

≪3≫次の文中にある助動詞「つ・ぬ」の文法的意味を答えなさい。
(1)夜中うち過ぐるほどになむ、絶えはてたまひぬる。(源氏物語・桐壺)

(2)僧都乗つては降り、降りては乗つ(平家物語・足摺)
 

≪3≫の解答
(1)完了

訳:夜中過ぎごろに、お亡くなりになってしまいました。

(2)並列

訳:僧都は船に乗っては降りたり、降りては乗ったりして

おわりに

いかがでしたか?

助動詞は種類が多く覚えるのが大変ですが、こつこつ頑張っていきましょう!




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