みなさんこんにちは!僕は沖縄出身東大生のぴぺりたと言います。
このコラムでは、センター英語で250点満点を獲得したぴぺりたが、洋楽で使われた歌詞を題材にしてみなさんの英語の学習をより楽しくすることを目的としています!
巷で話題の『The Greatest Showman』
最近よく話題になっている『The Greatest Showman』をみなさんはご覧になったでしょうか?上京して一年がたつ僕ですが、この映画が東京で初めてみた映画となりましたね。
この映画は内容も流れるミュージックもとてもおもしろくて、いくつものシーンで涙が出そうになりました!
今回は、そんな『The Greatest Showman』でもっとも力強い曲、『This Is Me』の歌詞から、受験生にぜひ知ってほしい表現を僕が解説します!
その前に、受験英語のレベルをチェック
まず初めに歌詞の中で使われている重要事項を紹介するので、この中で自分がいくつ意味がわかる表現があるのかをチェックしてみてください!
- I will let you know the truth.
- I am a stranger here.
- Here comes the car.
- I love to visit Okinawa, for there are a lot of beautiful beaches.
この4つは上から順に受験英語においてより忘れられがちな表現になっています。実際に僕が受験生だったときも「ああ、こんな文法事項もあったな〜」とよく思っていましたね。
これらのうちで4つ全てをきちんと理解できれば、大学受験の英語のレベルはまあまあ高いと言えるかと思います。しかし逆に、この中で1つしかわからないなら、ちょっと文法に関する知識が足りないと言えるでしょう。
それでは、詳しく解説して行きます!
使役動詞の使い方
基本的な使役動詞
みなさんは使役動詞を知っていますか?make have letなどがそれにあたり、基本的には<目的語+原型不定詞>を繋げて「〜させる、してもらう」という意味になります。
例えば次の例文をみてください。
My mother made me go to see a doctor because I was sick. :僕の母親は、僕が風邪を引いていたため、僕を医者に見に行かせた
この例文では、使役動詞の「made」を使って「My mother」 が「me」に「go to see a doctor」という行為をさせる、と理解することができますね。
letも同じように使うことができます。最初にあげた例文「I will let you know truth.」では、使役動詞の「let」が「you」に「know the truth」という行為をさせることを示していますから、「私があなたに真実を知らせましょう」という意味になるとわかりますね。
これが、『This Is Me』では次のように使われています!
I won’t let them break me down to dust. (The Greatest Showman『This Is Me』より)
使われている表現は少し難しいですが、基本的な文法として使役動詞の「let」 が「them」に「break me down to dust」という行為をさせる、という意味を導いていることがわかるかと思います!
これを簡単に訳すると「私は、そんなやつらに自分自身を粉々にさせまい」とでもなるでしょう。英語的な表現なので日本語に訳すると難しいですが「break me down to dust」は「me」をちりのように細かくなるまで徹底的に攻撃するというようなニュアンスです。
「them」という代名詞が使われているものの、具体的な対象はわかりません。曲全体から考えたら「周りとは違った、特異な私たちを差別する人たち」のことだろうと推測できますね。
少し応用的な使役動詞
make have letは3つとも普通、原形不定詞(つまり動詞の原形)を繋げて使う使役動詞ですが、to不定詞を繋げて使うものもあります。それが「get」です。
使い方は、<get+O+toV>で「Oに〜してもらう」という意味になります。
それ以外にも、使役動詞ではありませんが<help+O+原形不定詞>で「Oが〜するのを手伝う」という原形不定詞の使い方もあります!原形不定詞を繋げる使役動詞を軸にして、いろんな原形不定詞を学ぶことができるのでぜひこの機会に文法書で確認してみてくださいね。
「stranger」の使い方
strangeという言葉の意味は知っていますか?「変だ」とか「奇妙だ」というような意味ですね。そのせいで「stranger」という単語を目にした時に、とっさに「変人!!」と解釈してしまう人がいます。
しかし、実際の意味は「(あるものについて)よく知らない人」というような意味合いが強いです。例文であげた「I am a stranger here.」という表現がもっともよく使われますね。
この例文の意味は「私はこの辺りについてよく知りません。」となります。間違っても「私はここの変人です!」なんて思わないでくださいね!
この単語を曲中では次のように使っています。
I’m not a stranger to the dark. (The Greatest Showman『This Is Me』より)
さっき説明した知識を用いて解釈すると、この例文の意味は「私は暗闇を知らないような人ではない」です。つまり、「私は暗闇についてよく知っている」と理解できますね。
ここでいう「dark」とは実際に光が届かない部屋などではなく、いわゆる「闇が深いね、、」という時の闇です。「差別などを受けるなどして抱えた心理的暗闇について、私は知っている」ということですね。
文頭の副詞と倒置表現
受験英語でもっとも難しい文法事項の1つに、「倒置」があります。倒置とは、主語と動詞がひっくり返えして使う表現のことです。例えば「Are you ok ?」というような疑問表現も倒置が使われていると言えますね。
詳しくは文法書をみてほしいですが、今回は「here」が文頭に来た時の倒置について書きます!
例文の「Here comes the car.」の意味は「さあ、車が来る。」です。文頭に「here」が来るときは、「ここ」ではなくて「さあ」というような意味になることに注意しましょう。
あの有名なThe Beatlesの「Here Comes The Sun」と同じ文型ですので、「Here+V+S」という表現をぜひここで覚えてください。
しかし、この表現には注意点があります!
『This Is Me』で使われている表現はこちらです。
Look out, ‘cause here I come. (The Greatest Showman『This Is Me』より)
意味としては、「気をつけろ、私が通るから」となります。あんまり「here」の訳を出さない方が自然ですね。
ここで、「あれ!倒置が起きてない!!」と気がつきましたでしょうか?実は、「here」などの場所に関する副詞が文頭に出たとき、主語が代名詞ではないならば倒置が起きます。
そのため、「I」 という代名詞が使われているこの歌詞では、倒置が起きていません。大事な注意事項ですので、きちんと覚えて置いてくださいね。
接続詞のfor
みなさんは、「forは〜のために!!」と覚えきっていませんか?確かに、前置詞のforはその意味で理解することができます。しかし、実は色々なところでひっそりと「接続詞のfor」が出て来るんです!
ここで、さっきの例文を見てみましょう。
I love to visit Okinawa, for there are a lot of beautiful beaches. :私は沖縄を訪れるのが大好きです。というのも、たくさんの綺麗なビーチがあるからです。
そこで、ポイントは
- 接続詞のfor:というのも〜だからだ
となります。注意すべき点は理由を述べる表現であることです!becauseと同じ使い方をしますが、forの方が固いイメージがあります。
forの後にSVが続くときは、気をつけて解釈しましょう!
曲中では、次のように使われています。
(中略) for we are glorious. (The Greatest Showman『This Is Me』より)
forの後に「we」と続いているので、前置詞ではなく接続詞のforであることがわかりますね。
「glorious」は少し難しいですが、「輝かしい」とか「名誉ある」というような意味で、この映画全体を考慮して意訳すると、「人としての尊厳ある存在だ!」とも言えるかもしれません。
さらりと過ぎ去っていく歌詞ではありますが、細かく考えると実は難しい、そんな点が『This Is Me』の歌詞のいいところだと僕は思います!
それでは、来週もまたこのコラムを通してお会いしましょう。
僕は個人的にウェブサイト「ぴぺりたぐらむ」YouTubeチャンネル「piperitagram.channel」を運営しているので、こちらもぜひご覧になってください!