はじめに
「英語の音読に効果があるのか?」と疑いを持っているみなさん!
大げさな話ではなく、英語を学習する上で音読以上に効果があるものはありません。
僕は受験時代は英語の学習の半分を音読に当て、毎日30分は英語を口ずさんでいました。当時は気づきませんでしたが、大学に入ってから予想以上に自分が英語を使えることに驚きました!
この記事では、英語の音読の仕方とそれにより身に付く力を具体的に説明します。
みなさんもこれを参考にして、将来につながる英語力を身につけてくださいね。
東大の受験を考えている方はこちらの記事も参考にしてください。
目次
効果的な英語音読のやり方
英語の音読法は色々あります。しかし、残念ながら正しい方法でなければあまり効果が期待できません。
音読をする上で大事な点は2つあります。
1つ目は、毎日やること。そして2つ目が、かっこよく(=正しく)音読することです。
怠けがちで週2〜3回しかやらないのであればほとんど効果は期待できません。恥ずかしがってカタカナ英語で読み続けても効果は半減します。
これらの2点を前提とした上で、以下の方法を試してみてくださいね!
英語音読のやり方①:自分のペースで読む
音読の題材は必ず内容がわかっている文章でなければなりません。そのため、英語長文などはまず辞書を引きながら精読しましょう。
それが終わったら自分のスタイルでいいので英文を読み上げます。その際、きちんと意味を想像しながら読むのを忘れないでくださいね。
この音読は時間がなければ1回、余裕があれば3回やりましょう。全部の文章を音読しなくても構いません。時間がないなら最初の段落だけ3回読むなど、自分なりのやり方を決めて大丈夫ですよ!
英語音読のやり方②:CDに合わせて読む
自分なりの音読が終わったら、次はCDに収録されたネイティブの発音に合わせて練習しましょう。
いい加減な部分があってもいいので、とりあえず自然な速さで聞こえたまま読んでみるのが重要です。
口が間に合わないところは印をつけておき、一旦音読を終えてから集中的に読み直しましょう。ナチュラルに言えるようになったら改めてCDに合わせて音読です!
慣れてきたら英文をみないで音読をする、シャドーウィングをしましょう。聞こえる英語を追いかけながら発音する練習ですね。
CDにぴったり合わせて読めるようになれば、音読の効果は80%ほど得られます。これだけでも十分英語の力はつきますが、もっと英語を得意にしたい人は次の方法も試してみてください。
英語音読のやり方③:倍速にして読む
CDに収録された音源のスピードで読めるようになれば、次はもっと早く読めるようにしましょう。
音読とは簡単に言うと「英単語を認識→音に変換→発話→理解」と言う流れを速くする練習です。
この流れを2倍にすることで、通常の英文読解力も向上し、発音が耳に入ってから意味を理解する速度も上がるのでリスニング力向上にもつながります。
2倍で音読するのは結構大変で、ジャパニーズイングリッシュではなかなか間に合いません。
できるようになるには発音の矯正も自然と求められるので、高いレベルの英語力を求める人はぜひ取り組んでみてください!
英語音読のやり方④:録音して聞く
この音読法は発展編となります。受験勉強や趣味の勉強を超えて、大学に入った後にもっといい勉強をしたい人はぜひ取り組んでみてください!
以上説明したように「精読→CDに合わせた音読→2倍速で音読」をやったあと、さらに余力があれば、自分の発音をスマホなどで録音することをお勧めします。
それを聞くことで、「本当に自分の発音はCDの発音に近いのか」を確認することができます。かっこよく、上手に音読したつもりでも、実はかなりカタカナに聞こえる部分もたくさんあります。
そのような下手な点を確認したら、文章に印をつけ、少しずつ改善しながらまた音読します。
これを繰り返すうちに自分の発音の特徴がわかってきます。例えば自分がLとRの区別が下手だ、とわかった場合は、次回の音読からそこに注意しながらこれまでの練習をすることができますね。
時間はかかりますが、継続することで日本にいながら自然なスピードとイントネーションで発音できるようになりますよ!
英語の音読で身に付く力
以上の方法で英語を音読すれば、幅広く英語力が向上します。
もちろん時間はかかりますが、ここで紹介する方法を続けることで高校在学中に1年間留学に行った人と同じくらいの英語力を身に付けることができますよ!
それでは、この音読法を続ければ自分が具体的にどんな力が身につくかを説明しますね。
英語音読で身に付く力①:正しい発音
音読を継続すれば、発音は確実に上手くなります。逆に音読をやらなければ一生ジャパニーズイングリッシュのままです。
上記の通りCDに合わせた音読や2倍速音読を継続すれば、半年でカタカナ英語とはおさらばできるでしょう。
先ほども少し説明しましたが、速く音読するためには効率よく口の中を動かす必要がありますよね。
例えばカタカナ英語で発音すると実際の速度に間に合わないものの例に以下のようなものがあります。(*カタカナ表記はあくまでイメージ)
- a lot of : ×アロットオブ → ○アローロv
- not enough : ×ノットイナフ → ○ナーリナf
- at the end of the century : アットザエンドオブザセンチュリー → ○ アッディエンドvダセンチュリー
カタカナで書くとだいぶ微妙ですが、イメージはこんな感じです。
このように、非効率なカタカナ英語を効率的な発音に修正することで、より上手に発音できるようになりますよ。
英語音読で身に付く力②:速読力
皆さんはWPMという言葉を知っていますか?
WPMとは「Words Per Minute」の略で、1分間に読める単語の数を指します。共通テストを時間内に読み切るにはWPM150が目安です。
しかし、ネイティブはWPM300。流石にネイティブの1/2のスピードでしか文章が読めないなら、社会で使える英語とは言えませんよね。
ということで、この記事を読んでいる方はWPM200を目標にしましょう!!
文章を読むというのは「英単語を認識→音に変換→意味を理解」という手順を繰り返すことです。
一方音読はというと、「英単語を認識→音に変換→発話→理解」という手順なので、ただ文章を読むよりも1つ手順が多いんです。
つまり、WPM200以上で音読できるようになれば、それより手順が少ない読解はもっと速くできるはずです。
先に説明した「倍速の音読」はWPM250〜300と想定されますから、これくらい速く発音できるなら読解もかなり速くなりますよ。
このレベルは海外経験がなくても音読を繰り返すだけで達成できますから、皆さんもぜひ音読を継続してください!
英語音読で身に付く力③:リスニング能力
文章の意味を考えながらCDを使って音読をすることで、頭の中で流れる英語を理解するのが速くなります。
つまり、英語の語順になれたり、語彙を訳さずに理解できたりと、英語を理解すること以外に脳を使わずにすむようになります!
しかし、音読を続けているうちに「聞こえる英語を即座に日本語に翻訳してしまう」という壁に当たる可能性が高いです。
この段階はまだリスニング力が上がりませんが、音読を繰り返しているうちに脳内で日本語に訳す分量が減り、3ヶ月〜半年ほどで基本的な英語は日本語を介さずに理解できるようになります。
例えば、「What time is it now ? 」と言われて「何時、ですか、今、、、今何時ですか!」と訳しながら理解する人は少ないと思います。
しかし、英語を習いたての頃は日本語に訳さないと意味がわからなかったでしょう。皆さんが英語を勉強する中で、簡単な英語は訳さずに理解できるようになったんですよ!
これは複雑な文章も同じです。大学入試で読む英文は難しい場合もありますが、音読によって大体は英語を英語のまま理解できるようになります!
英語の音読におすすめの教材
ここでは上で説明した音読法が活かせる教材を紹介します。
基本的にこの勉強に向いている教材の特徴は
- CDがついていること
- 300〜700語程度の文章が掲載されていること
- 黙読して理解できる程度の難易度であること
が重要です!
これを念頭に次のおすすめ教材を見てみてください。
英語音読おすすめ教材①:速読英単語
こちらはとても有名な単語帳なので持っている人も多いでしょう!ただ、掲載されている文章が短めで、CDが別売りです。紹介した音読法が100%使えるわけではありませんが、挑戦するにはちょうどいい教材ですね。
特にこの教材は単語を覚えることを目標としたものなので、同じ文章を何度も音読することが重要です。
3ヶ月で1周することを目標にして、1年で3周できればいいでしょう!
単語を覚えながら音読もできるのでお得ですね!
英語音読おすすめ教材②:国立大リーディング
この問題集は旧帝大レベルの長文問題とCDがセットになっています。
読解自体が少し難しいのですが、このレベルで音読もしっかりできる教材は少ないのでとてもおすすめですよ!
問題数は他と比べて少ないので、一題にかける時間を長くすることが重要です。英語が得意な高2生や旧帝大志望の高3生はぜひ使ってみてください!
英語音読おすすめ教材③:東大リスニング
この問題集は主に東大受験生をターゲットにしたものです。内容も東大のリスニングに準拠しており、レベルもやや高めです。しかし、東大志望でなくてもぜひ挑戦してもらいたい!
この問題集は5分程度の英文が非常にたくさん収録されており、この記事で紹介した音読法を実践するのはもちろん、リスニング力を飛躍的に向上させることにも適しています。
特に英語を得意にしたい人や、英語科に進学する人、海外大学に進学したい人にもおすすめです。
ぜひ使ってみてくださいね。
最後に
いかがでしたでしょうか?
この記事で紹介した音読法は少し難しいですが、まずは挑戦してみることが大事です。
「音読に意味なんてあるのかな〜」と疑問に思うこともあるかもしれませんが、意味はやった人にしかわかりません。
初めからうまくやる必要はありませんから、自分のできることから普段の勉強に取り入れてみてくださいね!