浪人をする意味とは?大学受験で浪人を経験した東大生が考える

浪人をする意味とは?大学受験で浪人を経験した東大生が考える

はじめに

みなさんは「浪人」という言葉にどんなイメージがありますか?
あまり良いイメージを持っている人は多くないかもしれませんね。

浪人にはいくつかの種類がありますが、僕が経験したのは小さな塾での浪人でした。
今回はそんな環境で浪人生活を送った僕が、浪人を通してどのようなことを学び、考えたかを書きます。

浪人するに至った経緯

僕は現役時代、経済的理由から親には浪人することに反対されていました。そのため、センター試験前までは後期に受験する大学もきちんと考えていて、第1志望の東大に落ちたらそこに行こうと思っていました。

しかし、センター試験が終わり、自己採点をする前からかなり出来が悪いだろうと察したので「多分東大には落ちるだろうな」と感じたのです。そのことを母に伝えると、「落ちるつもりなら最初から受験しないで、違う大学を受けなさい」と強く言われました。

その時、僕は心の中で「どうしても東大にしか行きたくない」という気持ちに気がつきました。自分が行きたい大学は東大だけで、東大には後期日程がないので、ダメ元で「東大にしか行きたくないから、後期はどこにも出願したくない」と母に伝えました。すると、母は「それなら自信持って合格するまで勉強しなさい」と言ってくれて、浪人覚悟の東大受験を応援してくれたのです。

結果として現役時、東大には僅差で落ちてしまい浪人することになりました。

浪人を経て学んだこと・気づいたこと

志望校に合格したいという気持ち

もちろん、誰しも志望校を決める際は志望理由があるはずです。僕も現役時代なぜ東大に行きたいのか、その理由はたくさん持っていました。

しかし、浪人をしていると勉強へのモチベーションが下がったり、「なんでこんなに勉強してるんだ」と唐突に疑心暗鬼に陥ることがあります。
そんな時、僕はいつも「なぜ東大に行きたいのか」を思い出して自分を感化していました。

僕は東大を目指そうと決めた時、「1番苦労する必要がある大学だから、一生忘れないほど努力して合格を勝ち取ろう」と思っていました。何度もこの初心の気持ちを思い出すことで、「あの時の自分はこの辛い道を期待して東大を目指したんだった」と改めて考えなおす機会になり、再度第1志望に合格したいという意志に気づくことができました。

自分を理解することの大切さ

浪人をするとたくさん苦しい経験をします。僕の場合、とても辛かったのが「何者でもない苦しさ」でした。高校生の時は世間から「高校生」として見られ、制服を着ることで自分もそう感じることができます。

しかし、大学受験で不合格になり、浪人生活を始めると、自分に肩書きがないことに気づいたのです。ただ勉強をしているだけの存在で、そんな僕は社会には必要とされていなんだろう、などとネガティブなことばかり考えることもありました。浪人を経験すると、成績が上がるかどうか以外にも悩むことがたくさん生まれるのです。

このように、浪人を通じて日常では悩むところではない場面でも自分の気持ちを理解しコントロールすることができたので浪人を経て東大に入学することができたのだと思います。

また、自分の気持ちを理解するために、気晴らしとして毎日日記をを書いて自分を表現していました。

新しい友達のありがたさ

上記のように、僕は浪人している間、目標を達成するために頑張るかたわらで不安を感じたり、たくさん悩んできました。しかし、その時にいつも周りにいてくれたのは、新しい友達でした。

これは基本的に予備校に通って浪人する場合に限られるかもしれませんが、高校を卒業して新しい環境に身を置くと、新たな友人ができます。違う高校出身ではありましたが、彼らに時々相談したり、笑ったり、大学への期待を話し合うことが、僕の浪人生活では一番楽しい時間となりました。

新しい友達の中には、強い意志を持って浪人を決めた人、なんとなく浪人している人、何浪も重ねている人、社会人になってから大学受験を始めた人など、本当にいろんな人がいます。そのような人の経験や考え方を聞くことで、大学に入ってからやりたいことを見つけたり、努力をする動機を得ることができました。

浪人することは意味のないのか?

ここまで書いたように、僕一人の1年間でさえ本当にたくさんの出来事がありました。それらのほとんどは高校時代に経験することのなかったものであり、悩んだ内容もそれ以前より深刻で、どうしようもないことのように感じるものばかりでした。

ここから言えることは、浪人は大学受験のためだけじゃないだろうと僕は考えます。

「浪人しても志望校に合格できる保証はない」ということを理由に「浪人は無意味だ」というのは間違っています。浪人生活とは受験の合否について考えることに加え、自分自身と向き合う時間でもあるんです。1年を通して何度も大学に行きたい理由を問い直し、学びたいことを明確にするなどの直近の将来のことから、大学を出た後どんなことをしたいか、ひいては自分は一体どんな人間になりたいかなど、遠い未来のことを考える時間でもあります。

悩むことで他人を理解する力をつけ、合格に向けて勉強し続けることで、継続的に努力する力をつけることができます。僕が考える浪人の意味とは、こう言った「人間的な成長」ではないかと考えています。

もちろん、「積極的にみんな浪人すべきだ!」と進める訳ではありませんし、実際のところ浪人したっていい加減な生活をし続ける人がいるのも事実です。しかしながら、長い人生のたった1年、逃げることなく自分と向き合えば浪人生活とは非常に有意義なものになりうることもまた事実です。

高校生のみなさんには浪人のことを考えず現役合格を目標にしてほしいですが、失敗したってもう一度頑張ればいいと頭に入れていてください。一生懸命に過ごして合格を勝ち取れば、「僕は浪人できてよかった」と思えるようになるものです。

僕にとって浪人の1年間は非常に長い道のりでした。毎日ただ起きて、勉強して、寝るという生活を繰り返す中、「本当にこのままで合格できるのか」と不安にかられることが多かったです。勉強になかなか集中できないこともよくあり、眠れないほど考え事をすることもありました。

そのような生活を思い出してみると、僕にとって浪人生活とは「自分の将来について深く考えた1年」と言ってもいいでしょう。




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