【センター地理】東大生がすすめる対策・勉強法で9割~満点を目指す

はじめに

全国の地理選択者の皆さん、こんなことを思ったことはありませんか?

「世界史と日本史に比べて、地理って勉強法もおすすめ参考書も全然載ってなくない?」

僕は受験生時代、あまりの情報の少なさに悲しみを隠せませんでした。

本屋さんに行っても地理だけひっそりしていることが多いですよね。

「ああ、日本史にすればよかったかな」なんて思ったこともありました。

しかし、もうそんな時代は終わりました。

今回、この記事で僕がおすすめの勉強法や参考書、問題集を詳しく紹介します

もちろん勉強法は人それぞれではありますが、この記事がみなさんの参考になれば幸いです。

センター地理という科目の特徴

「地理」という言葉からはなかなか何を学ぶのかかわかりませんよね。

これから地理を勉強し始める人も、もう一通り勉強した人も、ここで一旦地理とはどういう科目なのかを抑えておきましょう。

センター地理で学ぶこと

センター地理の例年の出題分野を見てみましょう。

大問1 世界の自然環境
大問2 世界の産業(農業・工業)
大問3 都市や村落
大問4 世界地誌
大問5 現代社会の諸問題
大問6 日本の地域調査

大問1、2、3、5は世界全体から幅広い出題がされますが、大問4と6は年度ごとに1つの地域が出題される傾向にあります。

大まかにいうと、地理とは「日本及び世界全体の地域的特徴と、文化、社会を学ぶもの」だと僕は考えています。

細かくいうと、プレートの配置や気候の違い、主要な産業や宗教、人種、社会制度など、本当に多種多様です。

しかし、そんな多種多様な地理ですが、実は他の地歴公民分野にはないある特徴があります。

それは、

「知識を応用すれば、知らないことでも推測できる!!」

という点です。

歴史は覚えていないとどうしようもありませんが、地理は科学的な理解をしていれば答えを導ける、まさに文系でありながら理系の特徴を持つような科目です

そのため、地理という科目では上記の知識以外にも、それを応用して問題を解決する力を学ぶ、極めて実用的な科目だと言えますね。

センター地理の傾向

このような特徴がある地理ですが、センター試験では主にこれらの知識を前提に、「応用力が備わっているか」を確認する問題が非常い多いです。

その代表的な問題に雨温図があります。

1年間に降る雨の量や気温の推移をグラフから読み取り、その気候が地図上のどの場所の気候であるかを考える問題ですね。

この類の問題は、「赤道付近では気温が高く、雨が多い」「緯度の高い地域は気温差が大きい」などの知識を使って、与えられたグラフにどんな特徴があるかを考えれば正解を導くことができるのです。

また、「東南アジアで車が多く生産されるにいたる経緯」や「ドイツに移民が多く流れ込んだことで生じた問題」など、とても現代的なものも扱われています。

一見難しそうに見えても、仕組みがわかれば「なるほど!」と思える問題が多いのも、センター試験の特徴です。

もちろん暗記していないと答えられない問題も多いです。

「ブミプトラ政策」「北大西洋条約機構」に関する問題など、中身を詳しく知っていないと正解が導けないものもあります。

日本に関する問題は結構覚える点も多く、平野や川の名前、特産物などいわゆる中学レベルの知識は必須です!

では、そのようなセンター試験に向けて、どう対策するかを紹介します!

センター地理おすすめの勉強法

勉強する手順

どの科目もそうですが、基本的に受験勉強は

  1. 基礎知識定着
  2. 典型問題
  3. 過去問演習

の流れが重要です。

地理の場合は、

  1. 参考書を読んで知識をつける
  2. 分野別の問題集で確実に知識を定着
  3. 過去問演習で様々な問題形式に慣れる

という流れですね。

知識の定着についてですが、例えば世界史や日本史では、一般的に穴埋めノートを使って知識を暗記、歴史を理解します。

しかし、実は地理にこの穴埋めノートは向きません。

かくいう僕も、はじめ穴埋めノートで勉強していました。

ものすごくたくさん地名や、河川、山脈のほか、農作物の名前などを書き込みます。

当時から「こんなに細かいこと試験に出るのか」と思っていたのですが、案の定、ほとんど出ませんでした。

したがってセンター試験では「読み物系参考書」をおすすめします

種類も色々、特徴も色々なので紹介は後に回しますが、どれも最低1回、時間があれば3回まで読み通してほしいです。

教科書よりもわかりやすく、資料も豊富なので実践的に使うことができますよ。

次は典型問題ですね。

地理はあまり基礎知識とセンター試験の間を埋める問題がありませんから、歴史で使うような一問一答はあまり向きません。

おすすめはセンター試験の問題を分野別にまとめたものですね。

同じような問題をまとめて解くことで、アプローチの仕方を学ぶことができます。

最後にセンター過去問。

地理の問題ではデータがよく出題されますが、ここには注意点があります。

それは、「情報が古いと答えが変わる」ということです。

特に発展途上国では顕著で、例えば中国だとここ10年で大きくGDPも変化しましたし、一人っ子政策も廃止されましたよね。

一般に売られているセンター過去問題集は20年以上前の問題も掲載されていますが、解くのはせいぜい5〜7年分がいいです。

しかし本試だけでは足りないので、追試もしっかり解いておきましょう!

過去問を使った勉強法について詳しくまとめた記事も合わせてご覧ください。

共通テスト地理Bで9割から満点をとるための過去問を使った勉強法

2021.11.12

地図と資料集、統計をうまく使おう

地理では何かと国の名前が出てきます。

その中で知らない地域名が出てきたら、必ず地図帳を確認する癖をつけましょう。

重要な山脈などは赤のマーカーで印をつけ、その地域に関するデータが出てきたら、付箋にメモして貼り付けておくと地図帳がノートのように使えるようになります!

基本は「地形」「気候」「農業」「工業」の4分野

地理の基本は「地形」「気候」「農業」「工業」です。

これらの知識を元にすれば、かなり多くの問題を解けるようになります。

気候の知識は植生に関わり、植生は農業に関わり、農業は貿易にも関係してきます。

そして、地形の知識は採れる資源に関わり、資源は工業に関わり、工業は経済力や貿易にも関わります。

このように、この4つの基本を抑えておけば、いろんな知識に応用することができるわけです!

以下の例をみてください。

  • ウクライナ:気候は大まかにいうとBSですね。乾燥していながらも雨季には草が生えます。その草は枯れると土の栄養になり、肥沃で黒色のチェルノーゼムが発達すると理解できますね。肥沃な土壌だからこそ、小麦やとうもろこし、ひまわりが有名になるわけです。
  • オーストラリア:東岸が古期造山帯、そのほか大部分が安定陸塊です。古期造山帯では石炭、安定陸塊では鉄鉱石が取れますから、オーストラリアはこれらの輸出が非常に盛んですね。しかし鉄鉱石と石炭の産出地が遠く、市場も狭いため工業は他の先進国と比べそれほど強くはありません。

どうでしょうか?

これを見れば、地理はまさに「基礎の上に応用を積む科目」と言えるのがわかるかと思います。

このように考えて知識を関連付け、普段から知っている知識を元にして各分野の特徴を理解することこそ、地理を効率よく学ぶ秘訣です。

データの分析の方法

地理ではデータが非常に多く扱われます。

データなどの資料を扱う問題が全体の70〜90%を占めるため、これらをどう正確に読み取り、正解を導くかが高得点の鍵となります!

もちろん、うまく分析するためには日頃から統計を確認して「なぜこの順位になるのか」を考えることが重要です。

取れる資源は大地形の知識、農作物は気候と大きな関わりがあることを忘れてはいけませんね。

また、参考書や問題に出てきた統計データを分析するには、何が一番大事でしょうか?

それはまさに、大きな特徴を発見すること。たくさんあるうちいくつかを紹介します。

  • 雨温図はまずケッペンの気候区分を把握する
  • 写真は植生や衣服、動物など、「基本知識」をヒントに読み解く
  • 国別の数字は大きいところと小さいところを見抜く
  • 人口グラフは大まかな形から発展途上国か先進国かを見分ける
  • グラフは急激に変化する点を見つける

こんな感じですね。

書いてはみましたが、これらは自分で考える中で身につく知識です。

参考書や問題集で学んだら、ぜひ自分で実践して得点に繋がるよう勉強してください!

データブックの使い方について詳しくまとめた記事も合わせてご覧ください。

共通テスト地理の点数が伸びない人必見!データブックのおすすめの使い方を徹底解説

2021.10.17

地誌は半分系統地理

「地誌がどうも苦手で、、」という質問をよく聞きます。

しかし、地誌が難しく感じたら系統地理がきちんと理解できているかを再確認してほしいですね。

地誌では確かに社会制度や詳しい工業分布、輸出品などが出てきます。

ですが、その根幹にあるのはやっぱり例の4分野なんです。

南米の勉強をすれば、チリが銅の産出で有名だと習います。

そのことも、南米の西海岸で海洋プレートと大陸プレートがぶつかり新期造山帯が形成されることを知っているなら、すぐに納得できるはずです。

そんな地誌を勉強する時にとても有効なのが、白地図です。

各地域の勉強をして新しいことを学んだら、白地図に書き込んで自分だけのノートを作りましょう!

白地図の使い方

こちらは僕が受験生時代に実際に使用していた白地図です。

白地図の例1 スクリーンショット 2017-11-17 1.58.35

この白地図の特徴は

  • 大まかに資源の産出地、山脈、河川を示している
  • よく試験で問われる都市をマークしている
  • 重要事項をメモしている
  • ケッペンの気候区分を色鉛筆で色分けしている

という点ですね。

小さくて見辛いですが、オセアニアでは鉄や金の産地のほか、白豪主義に関するメモやニューカレドニアのマークもされています。

アジアでは、細かな都市の位置や大きな河川、中国西部の砂漠地帯、インドの降水量1000mmラインなど多くのことがメモされていますね。

このように、色をうまく利用したり、大まかな山や川の位置などを示すと非常にまとまった白地図が作れます。

このほかにも、資料集のページを書いたり、付箋を貼って追加知識を書いてもいいかもしれません!

自分だけの白地図を作って、ぜひ学習に生かしてください。

白地図のおすすめの使い方・勉強法について詳しくまとめた記事も合わせてご覧ください。

【白地図で高校地理を制す!】東大生流の受験で使える白地図のおすすめの使い方・勉強法

2021.11.24

センター地理おすすめの参考書・問題集・過去問

読み物系参考書

こちらは文系の方や、結構時間に余裕がある人はこちらがおすすめです!

確かに分量は多いのですが、そのぶん中身は確実に点数につながる知識が網羅されています。

どのページもカラフルで、資料も豊富、最近改訂されたばかりなのでデータも新しくなっています。

東大など、2次試験に地理がある受験生にも文句ない内容となっています!

資料集や用語集のようにも使えるので、おすすめです。

次に、理系の方や8割程度を狙うかたはこちらがおすすめ!

こちらは「系統地理編」と「地誌編」の2冊あるのでご注意ください。

資料は最初のものほど詳しく丁寧ではない印象ですが、使っている人は多いです。

完全に初習だったり、苦手意識がある場合はこちらがいいかもしれません。

最後に、細かい文字をたくさん読むのが苦手で、中身をざっと勉強したい人はこちらがおすすめ!

こちらも2冊ありますのでご注意ください。

これは僕が高2の時に使っていたもので、独学でもとてもわかりやすく書かれています。

センター試験の過去問を抜粋して解説しながら基礎知識を学べるので、まさに応用のための参考書と言えますね。

分厚いではありますが、文字が大きくて話し言葉で書いてあるので読むのが遅くても大丈夫です。

分野別問題集

こちらはあまり種類がありませんが、「面白いほど点数が取れる本」や「実況中継」を使った方におすすめはこちら!

こちらは系統地理と地誌がありますが、解説が参考書並みに詳しいので演習しながら復習もたっぷりできます。

「面白いほど点数が取れる本」とリンクして解説が書かれているのも特徴です。

こちらはシンプルに勉強するのが好きな人、あまり時間がない人におすすめです。

どれを使うにせよ、しっかりと復習すること、知識を繋げることが大事です。

センター地理の過去問

正直センターの過去問はどれでもいいではありますが、「データが古いと答えが変わる」という特徴似合うのはこちらです。

この問題集の特徴は、センター本試と追試合わせて10題が掲載されていることで、他の問題集とは違って前年度の追試まで掲載されているので、新しいデータに基づく問題をより多く解くことができます。

浪人生や演習量を確保したい受験生にはこちらも勧めます!

これはどの教科にもある問題集で、前年の模擬試験を掲載したものになります。

難易度はセンターより少し簡単なものから、若干むずいかしいものまであって、平均点や偏差値を確認しながら自分の成長を確かめることができます。

解説が詳しいので、どちらもじっくり取り組んでほしいです!

おわりに

ここまで、センター地理の勉強法を東大生の僕がかなり詳しく書いてきましたが、実はセンター地理は東大生にとっても結構難しい試験です。

というのも、知識を覚えれば点数が固まる訳ではなく、新しい時事的な問題や読み取りが難しいデータが出てくると、なかなか正解を選ぶのが大変なのです。

しかし、一度しっかり勉強すれば他の科目よりも圧倒的にはやく8割を超えられる科目ですし、地理を通して学んだ知識の応用力、データの見方は他の勉強にも生きてきます。

この勉強法を通じて、みなさんにはぜひ、地理を学びその楽しさを味わってほしいですね。

この記事を読んでくれたかたが、少しでも地理に興味を持ち、センター試験で目標点を超えられるよう願っています!

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

 




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