みなさんこんにちは!僕は沖縄出身東大生のぴぺりたと言います。
このコラムでは、センター英語で250点満点を獲得したぴぺりたが、洋楽で使われた歌詞を題材にしてみなさんの英語の学習をより楽しくすることを目的としています!
「今すべきこと」とは常に課題改善
僕はインターネットを通して受験生の質問相談に乗ることがあるのですが、その中でよく「〜大学志望ですが、今の時期は何をすればいいですか」という質問を受けます。
もちろん大学によって勉強するもののゴールは違いますが、実のところ受験生が取り組むべきものは常に変わらないのです。
それは、まさしく課題改善。できないことを見つけて、できるようになるのが勉強です。受験勉強とは常に自分ができないものを改善し続ける修行のようなものなのです!
だから、目指している大学によって毎日やることが変わるというのではなく、「解けない問題を解けるようになろう」「理解していない範囲の理解を深めよう」というスタンスでみなさんには頑張ってほしいですね。
Taylor Swift『You Belong With Me』
今回紹介する曲はこちら!少し古めですが、この曲は僕がもっとも好きな曲の1つで、受験生時代にもよく聞いていましたね。
テイラースウィフトがこのコラムに出てくるのは2回目です。そろそろ僕のストックがきつくなってきたのがわかるかと思います笑
こちらの動画を見てくれればわかりますが、この曲のイメージを一言で表すと「地味な女子がキラキラ女子から好きな男の子を奪う!」となります。男の子にアピールする歌詞がとても魅力的です!
重要事項の理解度チェック
まずは歌詞の中に出てくる重要表現の理解度を確認しましょう。 次の文章を日本語に訳してみてください。また、その後でこの文を使ってどんな文法事項を説明しようとしているかも考えてみてください。
- I cannot sing this song like you do.
- I cannot help studying English everyday !
どちらもあまり難しいものではありませんね。しかし、「知っている」と「理解している」の間には相当な差があります。自分の口で説明できるかも同時に普段の勉強から意識してほしいです!
代動詞のdo
まずは、1番の例文の意味を考えてみましょう。まずは何も補わず直訳をしてみます。
「私は、あなたがするようにこの曲をうたうことができません。」となりますね。それでは、赤字にした「する」とは一体なんのことでしょうか?
この文脈だと「この歌をうたうこと」だと分かるでしょう。このように、「do」には代動詞といって一度でた動詞の反復を避けるために使われることがあります。
簡単な文章であれば、特に何も考えずに代動詞がさしている内容がわかります。しかし、文章が複雑になったり、時間がなくて焦っている時はそうもいきません。そのため、代動詞を理解する裏技をここで紹介します!
代動詞doが出てきたら、直近に出てきた動詞(と目的語)を代入して理解
です!「なんだ〜そんなことか、簡単だ」と思ったかもしれませんが、簡単そうで忘れがちなルールなので、これを機にしっかりと覚えておいてくださいね。
ということで、1番の例文を書き換えると「I cannot sing this song like you sing this song.」となります。少しくどいですが、とてもわかりやすくなりましたね。
それでは、歌詞の中でどう使われているかを確認しましょう!
She’ll never know your story like I do. Taylor Swift『You Belong With Me』
まずはルール通り、代動詞を理解しましょう。
「She’ll never know your story like I know your story.」となります。
少しぎこちない文章になりましたが、全体の意味としては「彼女は決して、私があなたの話を知っているようには、あなたの話を知らないだろう」となります。
訳する時はもう少し簡単に「私が知っているようには、彼女があなたの話を知ることは決してないだろう」としてもいいかと思いますね。
「避ける」の意味をもつhelp
2番の文章の意味をみなさんはわかりましたか?知識として持っていたら問題ないですが、知らないと推測のしようもないくらいだと思いますね。
「help」の意味はもちろん「手伝う、助ける」です。しかし実は「cannot」がついたときだけ「help」は「避ける」という意味になるんです!!
「ええ!!なんで!そんなトランスフォーマーみたいなことあるの!!」と思っている方もたくさんいるかとおもますが、まずは例文を理解してみましょう。
- I cannot help studying English everyday !
今説明した知識を使って直訳すると、「私は毎日英語を勉強することを避けられない」となりますね。非常に日本語としておかしいので、意訳すると「私は毎日英語を勉強せざるを得ない」となります。
「〜せずにはいられない・〜せざるを得ない」という意味をもつ表現を関連する知識と一緒にまとめると、次のようになります。
- cannot help ~ing
- cannot help but do[原型]
- cannot but do[原型]
この3つは非常に大事な知識なので、必ずここで覚えてしまってください!英作文で使う際は一番上の表現を使いましょう。下2つの表現は非常に固い印象があるかつ「but」が通常と異なった使い方なので間違えやすくなっています。
それでは、歌詞の中で使われた表現を確認します。
I can’t help thinking this is how it ought to be. Taylor Swift『You Belong With Me』
- ought to = should
この文章自体がそもそも難しいですね。分解して考えましょう!
- I can’t help thinking ~:〜と考えずにはいられない
- this is ~:これが〜だ
- how it ought to be:それの然るべき形だ、it(=this)があるべき状態であること
この3つを組み合わせて自然な日本語にすると「今の状態が、初めからこうなるべきだったものだと考えずにはいられない」となります。難しい!!
このように、複雑な文章を訳する時は、わかる部分を訳した後で全体をまとめるという手法を取るのがいいですよ。ぜひ参考にしてみてください!
ぴぺりたからのアドバイス
このコラムを書きながら、僕は高1の頃に使っていた文法書を読んでいます。「ああ〜確かあの模試を受けた時にこのページを読んだな」などと思い起こすことも多いですね。
あれから5年近く立っているわけですが、いまでも読んだ内容をよく覚えています。「そんなん昔のこと忘れないのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
確かに、暗記したものは忘れるでしょう。しかし、考えたり、悩んだり、悔しがったり、驚いた記憶と主に学んだことは、忘れることがありません。
例えば先ほど紹介した「cannot help ~ing」もその1つ。僕がこの文法事項を学んだのは2014年11月4日らしいです。その日にあったことは何1つ覚えていませんが、「helpなのに避ける?!!だったら最初からavoid使ったらいいのに!」と思ったことは覚えています。
そしてこの『You Belong With Me』を聞いて、「おお、テイラーも使ってる大事な文法なのか」と感動もしました。
僕は、この記事を通じてみなさんにも同じような経験をしてほしいなと考えています。いつか試験で僕が紹介した文法事項が出題されて「あ、これ合格サプリでぴぺりたが説明してた!一緒に出てきた曲は〜だったな。確かあの時、、」と(もちろん試験に集中してほしいですが)思い起こしてくれたら本望ですね。
英語は確かに覚えることが多いですが、自分の経験や記憶の中で「英語の知識がついてきている」という感覚で覚えるのが一番だと思います。そうすればど忘れなんてしませんし、知識がこんがらがることも少なくなります。机から離れて学ぶほど、英語は上達するんですね。
それでは今回のコラムはここでおしまい。来週もまたお会いしましょう。
僕は個人的にウェブサイト「ぴぺりたぐらむ」YouTubeチャンネル「piperitagram.channel」を運営しているので、こちらもぜひご覧になってください!