【3分でわかる化学】ボイルシャルルの法則と気体の状態方程式とは?基礎から例題までわかりやすく

【3分でわかる化学】ボイルシャルルの法則と気体の状態方程式とは?基礎から例題までわかりやすく

はじめに

理系の道に進んだみなさんが化学を学びぶつかる壁、「気体の状態方程式」。

pV=nRT?文字多すぎだろ!!!とパニックのあなた。この記事を読んで、段階を踏んで少しずつ理解しましょう。

気体分野で大切なイメージや、問題を解くときのコツも解説しています。

最後の例題もぜひ解いてくださいね!

ボイルの法則とは

ボイルの法則の「教科書的な」説明

一定温度で、一定量の気体の体積Vは、圧力pに反比例する
V=k/pまたはpV=k(kは定数)

わかりにくい!!「kは定数」ってなんだよ!!と感じますよね。私もそう思います。

ボイルの法則をわかりやすく言うと?

ボイルの法則を一言で言うと、「(温度一定で)気体をぎゅーーっと押して圧力を2倍にすると気体の体積は半分になる」ということです。

逆に、「(温度一定で)気体をぎゅーーっと押して体積が半分になったってことは、中の圧力は2倍になっているはず!」も言えるよ、ということです。

こう考えると簡単ですよね!

例題を解いてみよう

例題1

1.0×105Pa10.0Lを占める気体を、温度を一定に保ちながら体積を2.0Lに圧縮すると圧力は何Pa?

例題1の解答

体積が1/5になったので、圧力は5倍5.0×105Pa

ボイルの法則の説明

シャルルの法則とは

シャルルの法則の「教科書的な」説明

一定圧力で、一定量の気体の体積Vは、絶対温度Tに比例する
V=kTまたはV/T=k(kは定数)

わかりにくい!!「kは定数」ってなんだよ!!(2回目)

シャルルの法則をわかりやすく言うと?

シャルルの法則を一言で言うと、「(圧力一定で)気体をあたためると体積は大きくなる」ということです。

温度は絶対温度(単位はケルビン)であることに注意しましょう!

これも、簡単にイメージできるはずです!

例題を解いてみよう

例題2

27℃(300K)で200mLを占める窒素を、圧力を一定に保ちながら温度を177℃(450K)にすると体積は何ml?

例題2の解答

温度(ケルビン)が1.5倍になったので、体積も1.5倍300ml

シャルルの法則の説明

ボイルシャルルの法則とは

ボイルシャルルの法則

一定量の気体の体積Vは圧力pに反比例し、絶対温度Tに比例する
pV=kTまたはpV/T=k(kは定数)

これは、ボイルの法則とシャルルの法則を一緒にしたものです。

ボイルの法則では温度を、シャルルの法則では圧力をそれぞれ変わらないものとして考えてきましたが、温度と圧力を両方とも変化させたときのことを考えたくなってしまったのです。欲張りですね。

以下の図のように、ボイルシャルルの法則の式からボイルの法則とシャルルの法則の式に戻すこともできます。

ボイルシャルルの法則とボイルの法則・シャルルの法則の関係

気体の状態方程式とは

気体の状態方程式

いよいよラスボスです。

これは、ボイルシャルルの法則の定数だったkを分解して、「物質量n」「気体定数R」が追加されている式です。

pV=nRT(圧力p、体積V、物質量n、気体定数R、絶対温度T)
気体定数R=8.3×103Pa・L/(mol・K)

個人的には、「変化前と変化後でpV/nRTが一定」という考え方で覚えるのがおすすめです。

気体の状態方程式になった途端意味がわからない人へ

文字が多すぎてわけがわからないときは、以下のようにメモをした付箋を作って机に貼っておきましょう。その都度見ながら解くうちに覚えられるはずです。
pV=nRT
また、「圧力pと体積Vを掛け算するとなんでnRTになるんだ…?」と考えたくなる気持ちはとてもわかりますが、考えすぎるのはやめましょう。

式の右辺に物質量nがいる理由は、物質量nが増えると式の左側にある圧力pも体積Vも増えるからです。イコールで結ばれているので、右辺が増えたら左辺も増えるはずですよね。

そのほかの違和感は、全部「気体定数R」が吸収していると思ってください。

気体を集めて圧力p、体積V、物質量n、絶対温度Tの値を調べる実験をし、イコールが成り立つように無理やり式を作った結果出てきたのが「気体定数R」です。

この公式で大事なのは、比例・反比例の関係性が正しく表せていることです。

圧力が2倍になると体積は1/2になる(反比例の関係、ボイルの法則
絶対温度が2倍になると体積も2倍になる(比例の関係、シャルルの法則

公式を使って問題が解けることが大事です。考えすぎず、公式を覚えてしまいましょう。pV=nRT!

ボイルシャルルの法則の例題

問題の解き方のコツ

気体の状態が変化する場合、「変化前と変化後でpV/nRTが一定」と考えましょう!!

そして、ほとんどの化学の気体分野の問題では、気体の状態が変化しています。

これさえ覚えておけば万能ですよ。

pV=nRT

レベル1

27℃(300K)、1.0×105Pa8.0Lの水素がある。この水素の温度を87℃(360K)、体積を6.0Lにすると、圧力は何Pa?

レベル1の解答・解説

式を解くと、答えは1.6×105Paです。

レベル2-1

27℃(300K)、1.0×105Paで、容量4.98Lの容器に窒素が入っている。
気体定数R=8.3×103Pa・L/(mol・K)
窒素は何molある?

レベル2-1の解答

pV=nRTに当てはめて計算すると、窒素は0.2mol

レベル2-2

ここに、温度を保ったまま0.1molの窒素を追加で入れた。圧力は何Paになった?

レベル2-2の解答・解説

式を解くと、答えは1.5×105Paです。

おわりに

ボイルシャルルの法則と気体の状態方程式は理解できましたか?

わからなくなったら何度でもこの記事を読み直して、ボイルシャルルの法則と気体の状態方程式・pV=nRTをマスターしましょう!

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