【三分で分かる化学基礎!】共通テスト頻出!化学結合の見分け方と要点まとめ

はじめに

化学結合の種類と見分け方、あいまいに覚えていませんか?

そんな化学基礎の共通テストで良く出題される結合の種類の要点をまとめました! 

結合の種類と見分け方は案外見落としがちです。基本的な結合の種類と見分け方を確認しておきましょう。

これだけは知っておきたい!

化学結合の種類は3つ:共有結合・イオン結合・金属結合

結合の強さ:共有結合>イオン結合>金属結合

結合の見分け方

  • 非金属元素+非金属元素=共有結合
  • 金属元素+非金属元素=イオン結合
  • 金属元素+金属元素=金属結合

結合の表し方

  • 共有結合=分子式で表す(電子式や構造式でも表せる)
  • イオン結合=組成式で表す
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なぜ結合するの?

そもそもどうして原子同士で結合がおこるのでしょうか?

それは不安定な電子配列を持つ原子が、周期表における安定した18族=貴ガスと同じ電子配列を取ろうとするためです。

その結果、①共有結合②イオン結合③金属結合の三種類の化学結合が生まれているのです。

ここからはそれぞれの化学結合について詳しく解説していきます!

結合①共有結合

共有結合とはその名の通り、非金属元素同士がお互いの電子を共有することで起こる結合のことです。

価電子を共有することで結合する2つの非金属元素がお互いに貴ガスと同じ電子配列を持つことができます。

共有結合は化学結合の中でもっとも強い結合を持ちます。

共有結合の化学式

共有結合は分子式という化学式で表すことが出来ます。

それ以外に電子式や構造式を用いることで共有結合のイメージが湧きやすくなります。

ここでは電子式、構造式について図を用いて解説します。

共有電子対を一組組共有する結合=単結合
例:塩素分子
分子式Cl2
構造式 Cl-Cl

共有電子対を二組共有する結合=二重結合
例:二酸化炭素分子
分子式CO2
構造式O=C=O

共有電子対を三組共有する結合=三重結合
例:窒素分子
分子式N2
構造式N≡N

結合②イオン結合

そもそもイオンとは?

イオン結合を解説する前に、そもそもイオンとは何でしょうか?

イオンとは電子、陽子を持つ原子や原子の集合のことを指します。

電子は負の電荷をもち、陽子は正の電荷をもちます
(電荷とは物質が持つ静電気の量のことです)。

電子を失って、電子の数が陽子より少なくなると、正電荷数が多くなるため、陽イオンになります。

一方電子を獲得して、電子が陽子より多くなると、負の電荷数が多くなって、陰イオンになります。

陽イオンになるか陰イオンになるかは価電子の数を考慮することで判断可能です。

一族は価電子一つ→電子を手放す→陽イオン
17族は価電子7つ→電子を受け取る→陰イオン

イオン結合の見分け方

イオンについて理解したところで、ここからはイオン結合について解説していきます!
イオン結合を構成する元素はほとんど、金属元素(陽イオン)非金属元素(陰イオン)の組み合わせです。

イオン結合では、金属元素が電子を失って陰イオンとなり、非金属元素が電子を受け取って陽イオンとなり、陽イオンと陰イオンが引き合って結合します。

陽イオンと陰イオンが引き合う力のことをクーロン力(静電気力)といいます。

磁石のプラスとマイナスをイメージするとわかりやすいかもしれません。

イオン性物質の別名「塩(えん)」

イオン結合は陽イオンと陰イオンが結合したものと紹介しましたが、このイオン結合でできた物質のことを「塩」と呼びます。

塩は正塩、酸性塩、塩基性塩の三種類に分類できます。

正塩:HもOHも残っていない
例)塩化ナトリウム NaClや塩化カルシウム CaCl2

酸性塩:Hが残っている
例)炭酸水素ナトリウム NaHCOや硫酸水素ナトリウムNaHSO3

塩基性塩
例) 塩化水酸化マグネシウムMgCl(OH) や塩化水酸化銅CuCl(OH)

これらの塩を理解することで、中和滴定の実験などの文章問題で大いに役立てることが出来はずです。

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イオン結合の化学式

イオン結合では陽イオンと陰イオンが電気的に釣り合うように一定の割合で結びついています。

記号で表す際には構成するイオンの数を最も簡単な整数比で表した組成式という化学式を用います。

組成式では(陽イオンの価数)×(陽イオンの数)=(陰イオンの価数)×(陰イオンの数)が成り立ちます。

例)Na++Cl―→NaCl
Mg2++2×Cl―→MgCl2

組成式を書く際に、上記の等式が成り立っているかどうか、確認することでミスを防ぐことが出来ます。

また組成式を丸暗記しなくても、イオンの価数さえ分かっていれば、組成式をかけるようになります!

分子式と組成式って何が違うの?

共有結合では分子式を、イオン結合では組成式を用いると解説しましたが、二つの化学式の違いは何でしょうか?

表記の仕方に違いは見られませんが、意味が違います。

分子式は一つの塊を作る原子の数を表しています。

一方、組成式は先ほど説明した通り、陽イオンと陰イオンの最も簡単な整数比を表しています。

イオン結合は陽イオンと陰イオンの静電気力(クーロン力)で、一定の割合で無限に結合しているからです。

身近な塩化ナトリウムNaClを例に挙げると、ナトリウムと塩素が一対一の比率で結合していることを示しています。

金属結合

最後に金属結合を解説していきます。

金属結合では金属原子が集まって電子が共有されます。

共有結合のように聞こえますが、少し違います。

金属元素は原子核が電子を引き付ける力が弱く、金属の中には原子の間を自由に動き回る自由電子と呼ばれる電子が存在します。

この自由電子による結合を金属結合と呼んでいるのです。

自由電子が存在することで金属は有名な3つの性質を持ちます。

・金属光沢をもつ

・熱、電気をよく通す

・展性・延性を持つ

日常の感覚的にも理解しやすいと思いますが、これら3つの性質は自由電子の存在に依るものだったのです。

結晶も一緒に覚えよう!

ここまで結合について詳しく説明してきましたが、一緒に覚えておきたいものに結晶があります。

結合によってできた物質のことを結晶といい、結晶も結合と同様幾つかの種類に分けられます。

共通テストでもよく扱われているので、結晶についても一緒に理解してしまいましょう!

共有結晶の性質

共有結晶とは、多数の原子が共有結合によってつながってできる結晶です。

ありがたいことに、大学入試で出題されるのはほとんどが以下のものです。
ダイヤモンドC・黒鉛C・ケイ素Si・二酸化ケイ素SiO2

全て覚えてしまいましょう!

共有結合は非常に強い結合のため、融点は非常に高いです。

化学式は組成式によって表します。

イオン結晶の性質

イオン結晶とは、陽イオンと陰イオンが規則正しく配列したできた結晶のことです。

例として以下のようなものがあります。

塩化ナトリウム(塩)・塩化カルシウム(融雪剤)・炭酸カルシウム(石灰石)

分子結晶の性質

分子結晶とは非金属元素同士が共有結合した分子が分子間力(ファンデルワールス力)によって結合し、個体になったものです。

分子間力は非常に弱い結合のため、融点、沸点は非常に低いです。

ドライアイスや要素が代表的です(出題されるとしたらほぼこれ)。

共有結晶で出てきたC/C/Si/SiO2以外で、非金属元素なら分子結晶です。

分子自体は共有結合だからと言って共有結晶と混同しないように注意してください!

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おわりに

いかがでしたか?

化学結合の種類、見分け方は理解できたでしょうか?

記事で扱った内容に加え、周期表の金属元素、非金属元素を覚えておくことをお勧めします。

咄嗟に結合・結晶の種類を忘れたり、知らないものが出てきたりしても対応できるかもしれません!




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