インタビューの原文バージョン
【入試について】
・社会人になってどうして慶應の通信課程を志望したのですか?
自分の人生を自分で決める事に、理由は必要だろうか。
私は元々、慶應義塾大学SFCの総合政策学部を卒業した身です。
慶應義塾には「実学」という有名な理念があります。
若かりし日々の私もまた、この理念に感動した故に慶應義塾大学へ進路を決めました。
「実学とは何か」と問われたら、我々はどう答えるべきでしょうか。
よくあるイメージとして「医学とか、英語とか」と列挙する方が多いのですが、かつての慶應義塾においては「実学」として「ランニングや水泳」を行っていました。
確かに健康や体力が無ければ、学習もビジネスも難しくなります。
つまりは「慶應義塾の実学」とは「広い視野を持ち、柔軟に思考し、どうすれば社会を豊かにできるかを自分の頭で考え、実行する精神」を指すのです。
それを踏まえれば、それを可能にする選択に理由など必要ないのではないでしょうか。
・志望理由書には何を書いたのですか?(希望した学部で何を学びたいか・書評・なぜ慶應の通信なのか)
「何を学びたいか」を志望動機として記述する方が多いと思いますが、大学は研究機関としての側面が強いので受動的に捉えられる書き方は不適切であると考えています。
そのため「教えてもらいたい事」ではなく「やりたい事」として、「演繹的思考に基づいた価値判断を現代政治学の根幹に据える事により社会問題を解決したい」旨を記述しました。
「である」ではなく「する」を大切にする主人公としての役回りを全うしたい。
これを理由として同じ主張をした丸山眞男氏による「日本の思想」を書評に選びました。
要するに自主性を全面に押し出した志望動機ならば、「なぜ慶應通信に志願したか」という問いもまた容易に記述できるはずなのです。
・入試はぶっちゃけ簡単でしたか?難しかったですか?
正直、入試の難易度については一切考えていませんでした。
昔から慶應義塾にいた身として様々な方と交流する中で「頭の良さや才能」よりも「普段から学ぶ姿勢ができているか否か」が大事であると確信しているからです。
慶應義塾大学を目指す人は通学や通信など関係なしに皆、「本気で何かに挑戦したい」と思っています。
目の前に立ち塞がる壁が低かろうが高かろうが、関係ない。
まず可能か不可能かよりも、自分がどうしたいかです。
挑戦したいのであれば圧倒的努力量で、障壁を全て粉砕しましょう。
勝利の女神は努力した者のみに微笑むのですから。
【入試対策について】
・志望理由書を書くために何か対策はしましたか?
「特別な」対策は必要ないと思ったのでしていません。
そもそも付け焼き刃で対策をしたとしても、利益はほぼ無いと考えています。
無理をして合格しても、入ってから苦戦しては意味がないですから。
それよりも学習する癖や学ぶ姿勢を身に付ける事が最優先課題だと思われます。
そして様々な情報に触れて「自分の好き」を探しましょう。
例えば、私は「歴史が好き」なのでそれと関連が深い法学部で政治学を学びたいと思いました。
きっかけは与えられるものではなく、自分で見出すものである。
だからこそ、その先に「自分は慶應通信で何をしたいか」が見えてくるのだと考えています。
・志望理由書を書く上で役に立った知識やスキルはありますか?
慶應義塾大学の理念への深い理解。
大学のホームページに大きく理念が一覧で記載されています。
これらの理念を大切にした結果、今の慶應義塾があるわけです。
もっと言えば、これらの理念は今の慶應義塾にとっても大事なものです。
「過去に成功した手法を個人としても取り入れる」という意味もありますし、「入学後に何を指針にすれば良いか」を教えてくれる存在なのです。
慶應義塾大学は通信通学関係なく、慶應義塾の構成員としての義務を全うする事を期待しています。
名に恥じぬ知識と行動が揃っているからこそ、真に慶應生であると言えるのです。
・慶應通信を志望する人たちにおすすめの対策法・やっておくべきことを教えてください。
自分を変える意識を持ちましょう。
一人では出来ない事をする為に、慶應義塾大学へ入学するのです。
人間は「今の自分にとって最適」な行動をしがちです。
しかし、それを打破しなければ成長も挑戦も、明るい未来も掴み取れないのです。
それ故に殆どの人間は「やらない言い訳の天才」とも言えるでしょう。
「慶應義塾大学に入って、どんな理想の自分になりたいか」を考えましょう。
この目的意識があれば志望動機も固まり易いですし、入学後の講義選択も卒論のテーマ選定も必然的に絞られてきて明るい展望を持ち易くなる筈です。
慶應義塾は過去の自分に支配される場所ではなく、理想の新しい自分を目指す場所なのですから。