はじめに
高校生のみなさんにはおなじみ、いろんな予備校が行っている模試。
模試にはいくつか種類があり、志望大学や時期によって受けるべき模試は変わります。
また模試を実施する予備校によって難易度や受験者層が異なるため、それぞれの得点や偏差値が持つ意味は違います。
そこで、この記事では模試の種類と各予備校の「記述模試」の特徴を紹介していきます。
目次
模試の種類とその特徴
基礎学力を測る模試
およそ3か月ごとに、各学年を対象に予備校各社で実施されているのが基礎学力を測る模試です。
問題のレベルは基礎〜標準で、応用力が必要な問題はあまり出題されません。
これらの模試は学校全体で受けることが多く、母集団は大学受験を希望している高校生ほぼ全体になります。
そのため、自分の学力を同学年の高校生全体の中で把握することができます。
「進研模試」(ベネッセ)や「全統模試」(河合塾)、「スタンダードレベル模試」(代々木ゼミナール)などが有名です。
ハイレベル模試
難関大・医学部を目指す学力上位層向けに、各予備校が年3回程度実施しているのがハイレベル模試です。
問題のレベルは標準〜発展で、難関大二次試験レベルの応用力が必要な問題も出題されます。
進学実績の高い有名進学校の生徒を含めた、進学意識の高い上位層が受験する模試なので、難関大を目指す際には重要な指標となります。
「駿台全国模試」(駿台予備校)や「プレステージ」(河合塾・Z会共催)、「トップレベル模試」(代々木ゼミナール)などが有名です。
マーク模試
主に受験生向けに実施される、センター試験の形式を模したマーク式の模試です。
問題の難易度は、実際のセンター試験よりも少し難しめに設定されています。
返却時には、過去の受験者の成績をもとに、「センター試験換算得点」を算出してくれる場合が多く、センター試験本番でどれくらい得点できるかの見通しがつきます。
「全統マーク模試」(河合塾)や「駿台・ベネッセマーク模試」(駿台予備校・ベネッセ共催)などが有名です。
冠模試
冠模試とは、特定の大学の出題形式から答案用紙や試験時間まで、すべてを模した模試です。
「〇〇大模試」のように大学の名前を冠していることからそのように呼ばれます。
試験本番のシミュレーションをするのにとても効果的で、実際の試験時間の配分や、答案用紙・計算用紙・問題冊子の使い方を色々と試してみることができます。
問題の難易度は、実際にその大学で出題される問題よりも難しめです。
冠模試を受験するのはその大学を実際に志望している受験生に限られるため、その判定は合否可能性をかなり正確に表しています。
「〇〇大即応オープン」(河合塾・Z会共催)や「〇〇大実戦模試」(駿台予備校)、「〇〇大入試プレ」(代々木ゼミナール)などがあります。
各予備校の模試とその特徴
では実際にどの模試を受ければ良いのでしょうか?
ということで各予備校の模試ごとに特徴を紹介していくので、自分が受けるべき模試を見つけましょう!
※マーク模試はどれも難易度に大きな違いがないため、ここでは割愛します。
進研模試
開催予備校 | ベネッセ |
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受験者層 | 短期大学・専門学校志望者〜中堅大・難関大志望者 |
問題難易度 | 低 |
ベネッセの主催する模試で、受験者は40万人以上と、模試の中では最も多い数です。
幅広い学力層の生徒(大学受験を考えない層を含む)が受けるため、問題の難易度はやさしめになっています。
いわゆるトップ校の生徒や浪人生にとっては簡単すぎるため受けない人が多いようです。
受験者層のレベルが高くなく、比較的簡単な問題が多いため、ある程度基礎ができていれば高い偏差値や良い判定が出やすい模試です。
駿台全国模試
開催予備校 | 駿台予備学校 |
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受験者層 | 最難関大志望者 |
問題難易度 | 高 |
難易度はかなり高め。
受験者数は5万人程度で旧帝国大学(東京・京都・名古屋・大阪・東北・九州・北海道)や一橋、東工大、早慶などを狙う生徒向けです。
受験者全体の学力が高いため、偏差値は低めに出ます。
だいたい偏差値50で地方国立大レベル、偏差値60で旧帝国大学レベルとなっています。
難関大志望者の中での自分の相対的な位置を知るのには最適な模試であるといえるでしょう。
全統模試
開催予備校 | 河合塾 |
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受験者層 | 4年制大学志望者全般 |
問題難易度 | 中 |
河合塾の主催する模試で通称、「全統」。
難易度としては、駿台模試の下、進研模試の上といったところで、主に標準的な内容が問われます。
簡単すぎず、難しすぎないので、浪人生やトップ校の生徒も含めた大学受験を考えているほとんどの生徒が受験するのが特徴です。
そのため、全国の大学受験生の中での自分の位置を知ることができますね。
大学受験を考えているなら確実に受けておきたい模試です。
総合学力判定模試
開催予備校 | 代々木ゼミナール |
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受験者層 | 中堅大学〜難関大学志望者 |
問題難易度 | 中 |
国公立二次~私大入試までに対応する模試で、基礎的理解の確認から応用まで、幅広い問題で構成されています。
難易度は河合塾の全国統一模試と同程度。
ただ、認知度が全統模試より低いために、受験層は「多くの模試を受けておきたい」と考える中堅大学〜難関大学志望者が多めです。
記述式ですが、記号問題も多く、記述:記号=6:4程度。
受験者は上記3模試に比べると少ないですが、受験後にもらえる冊子の成績優秀者掲載のハードルが低いため、「掲載を目指して頑張る!」と、モチベーションを上げるために使う人もいます。
東進が主催する各記述模試
東進が主催している記述模試には、難関大本番レベル記述模試、有名大本番レベル記述模試の二つがあります(大学別模試を除く)。
難関大本番レベル記述模試はその名の通り、国立大では旧帝大をはじめとする難関大、私大では早慶上智をはじめとする難関大を志望する受験生が対象です。
有名大本番レベル記述模試は、地方国立大やMARCHなどの大学を志望する受験生を対象です。
受験者数は少ないので、よっぽど余裕があって模試で豊富な実戦経験を積みたい、というような人でなければ、積極的に受ける必要はないといえます。
おわりに
まとめると、難易度は駿台>河合≒代ゼミ>ベネッセとなります。
つまり、この順で受験者の学力層も高くなっていて、偏差値や判定も厳しくなります。
各模試の特徴を把握して、自分のレベルや志望校に合った模試を受けましょう!
また、模試は良問ぞろい。受験した後の復習が肝心です。